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キスの日記念。
大人の恋愛が終わりそうだ。




・腹立たしい上司
※来鈴舞皆
木津樹甘良という腹立たしい上司の話をしよう。
あの男は、怠惰を極めた人であり、人間を愛した人でもある。
私に何でも押し付けて、自分は気ままにデザートを食べる。
半魔や半妖や神血等、人あらざる者を嫌い、毒を吐く。
木津樹甘良というのは、そういう男だ。
そして、私は木津樹甘良が嫌いだ。
性格も態度も何もかもが嫌い。
けれど、私は木津樹の秘書だから、彼について働くしかない。
私は、木津樹に頼まれたショートケーキを用意して、参謀室に入る。
「舞皆、待っていたよ。ショートケーキは?」
「……こちらです」
木津樹の机の上にショートケーキを置く。
この男は私のいない所では少しは仕事をしているようだ。
「ありがとう、舞皆。ちなみにこれが君が作ったのかい?」
「そんなわけないでしょう。とっとと手を動かしてください。」
木津樹はくすりと笑いながら、手を動かす。
私も机に溜まった書類を片付ける為に、席に着く。
私の書類は、依頼に関した書類ばかり。
街の人にとっても安心して話せるのは、私ぐらいみたいだから、責任もって管理しているけどね。
白河さんにとって、依頼は街の人に信頼される為の手段らしい。
だから、依頼で発生する料金も低く設定されている。
そのおかげで、街の人からは信頼されているけれど、最終手段として依頼が舞い込んでくることが多い。
依頼人には余裕がなく、頼れるのは私たちしかいないと口々に言う。
そして、どんな手段でもいいから、やり遂げてほしいと頼まれる。
例えば、軍部の手に余る魔物退治だとか、凶暴な魔物がすんでいる場所での失せ者探しだとか、魔物を倒して村を取り返してほしいだとか。
魔術師討伐は任務として数えられる。
先に手を出してくるのは、大体あちらだからかしらね。
木津樹は、5分も持たずに書類とペンを投げだし、ショートケーキを食べている。
「木津樹さん、働いてください。後で白河さんに怒られるのは貴方なんですよ?」
「でも、もう糖分が切れてしまったからねー。舞皆、今度はプリンでも用意してくれないかな?」
「チッ……分かりましたわ」
分かりやすく舌打ちをしたが、彼には聞こえていないようだった。
へらへらと笑いながら、ショートケーキを食べている。
ああ、本当にムカつく。
仕事が忙しいって言ってるのに、平気な顔で次々と私に要求してきては、何もしない。
そして結局は、木津樹の仕事すらも私や緋月さんが片付けさせられる。
「舞皆、やはりこちらにきてくれないか?」
「はぁ?」
「いいから」
微笑む木津樹を警戒しながら、隣にまで近づく。
すると、急に席を立ち、私の顔を両手で押さえ、唇を奪われた。
そう、キスをされたのよ。
それは長いものではなく、すぐにキスは終わる。
反射的に私は木津樹の頬を叩いた。
木津樹は叩かれた頬を抑えて、へらりと笑う。
「ははは、ひどいね。キスの日だからやってみただけなのに」
「頭を冷やしたら如何ですか、この変態」
「君の事が好きでなければ、こんなことはしないよ」
「私は貴方の嫌いな半分魔物ですわよ」
私は、紅い海に落ちて魔物となってしまった。
木津樹甘良の嫌いな半魔として、堕ちてしまったのに。
「君だけは、特別だ。と言って信じてくれるかい?」
「そんな言葉、信じられるわけないでしょう。失礼します。」
カツカツ、と荒い足音を立てて、私は部屋を出た。
嘘だらけの言葉など、信じられるものか。
今更好きだと言われても、信じるものか。
私の恋愛は、とっくに終わったのよ。
紅い海に落ちた日に、私は彼に愛されることはないだろうと思った。
それは的中して、彼は人間以外を嫌うようになった。
その人間以外に含まれる私は、諦めた。
人でないのだから、愛されるわけもないと。
木津樹の部屋を出ると、宮代さんと顔を合わせてしまった。
宮代さんは、鋭い方の人だからすぐに問いかけられた。
「なにかあったのか?」
「……いえ、何もないわ」
咄嗟になんでもないと繕っても、彼には通じない。
「来鈴さん、普段より苛立ってる気がするけどな。」
答えることが出来ず黙っていると、宮代さんはくすりと笑う。
「まぁいいか。休憩するなら、食堂きな。甘いもん用意してやるから」
「ありがとうございます……。」
私は大人しく宮代さんについていくことにした。
木津樹から離れたかった。
今更好きだと言われても、私たちはとっくにこじれているのだから。



彼女は、『例外』に気付かない。
僕が人間以外を嫌っているのは事実だが、舞皆を嫌った事はない。
魔物に成り果てたとしても、僕は舞皆に恋をしていただろう。
舞皆の為に支部を利用して、紅い海を封じたのだから。
あの日から、僕は舞皆の為に動いていたというのに。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
同時公開、本部における依頼と任務。
木津樹と来鈴は同じ町に住んでいた仲良しさんでしたが、紅い海事件によって、来鈴だけが被害者となる。
紅い海に復讐する為に、魔物を嫌った。
それがこじれまくって、人間好きになった。

どういうこじれ方をすれば、木津樹のような人間になるのでしょうねぇ。

木津樹と来鈴は、紅い海さえなければ、結ばれたと思う。
でも、堕落した木津樹の性格を来鈴は許せていないから、やっぱり結ばれないかもしれない。
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