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精神拷問編。
恭二も氷河も壊してみた。
バリーン。
※痛々しいの注意!
恭二も氷河も壊してみた。
バリーン。
※痛々しいの注意!
・ブレイクマインドの魔術師
※瀬戸氷河
「人を壊すには、どうするべきか。」
目の前の魔術師はそう言った。
俺は檻の向こうから、その男を睨む。
「ギリギリまで痛め付けるか?いや、それでは君のような強いものは耐え切ってしまうだろう。実際捕まえるのには苦労したからね。何度か殴られて痛かった。しかし、捕らえる事が出来てしまった。私は友人ほど強くないのに。そうそう、君は私の友人を知っているはずだ。覚えているかな?遺跡を動かした魔術師を。」
「あいつか……」
かつてある魔術師に捕まった。
藤野さんに騙され、遺跡を動かすことを求めた魔術師。
「思い出してくれたようだね、嬉しいよ。友人は熱心な男だった。騙された形で死んでしまったのは惜しいくらいだ」
「そういや、目的を聞いてなかったな。あいつと同じで俺の血か?」
「いいや」
魔術師は即答した。
「私は君を壊したいんだ」
そして、真顔で言い放った。
「……こわ、す?」
「そう、まだ講義の途中なんだ。話を戻そう。現在君は何も痛め付けられずに、何も縛られずにその檻にいる。不思議だとは思わないかな?」
確かに今の俺は自由に動ける。
捕まるときだって、ふっと意識を失わせる魔術を使われたから捕まった。
まだ傷はついていない。
「そうだろう。君のその疑う目はいいね。ならば、答えよう。人を壊すにはただ闇雲に殴ればいいわけではない。精神を利用し、友人を、恋人を、利用すればいいのだよ。」
ぞくり、とした。
今までの魔術師と違う。
ただ殺意を向けられるのではない。
好奇の目で見られている。
「君が何故非力な私に捕われてしまったのか。その答えは君の精神的魔術への耐性のなさが招いた事なのだよ。そして君が寝ている間にいろいろ調べさせてもらったよ。……そろそろ、来頃かな。」
魔術師が、目の前から消える。
階段を上がる音がする。
脱出するために、扉を蹴り飛ばそうとしてみる。
だが、ガシャン、と衝撃が伝わるだけで開きはしない。
「くそっ!」
さすがに武器だけは奪われたようだ。
途方にくれていると、魔術師が上機嫌で再びこちらにやってきた。
「やっと到着したんだよ。さぁ、見てくれ」
魔術師が何処かに手招きをする。
すると、聞き慣れた声がする。
「放せよ!くそっ!」
「恭二……」
別の男に鎖で腕を縛られた恭二がいた。
俺と違い、恭二は力で捕まったかのような打撲傷が多くあった。
「理解してきたかな?青ざめた表情をしているよ。」
「お前、まさか……」
「そう、君を壊すために彼を壊すことにしたのさ!さぁ、そこの牢に入れろ!」
男が、俺の向かいの牢に恭二を入れる。
そして、十字架に磔られるかのように両腕を広げるように繋がれた。
無傷で自由な俺と違って。
「あ、氷河!」
今、気付いたのか恭二が驚いて声を上げる。
しかし、恭二には俺の表情が絶望に凍り付いている理由が分からない。
魔術師が恭二に話し掛ける。
「君は、吸血鬼らしいね。それも半分だけ。知っているかい、半吸血鬼というのは吸血鬼よりも貴重な存在らしいよ。」
「へぇー……初めて知ったわ。」
「だからね、私は神血よりも君を調べたいのだよ。君は何に弱いんだい?太陽かい?十字架?グレツァイトの家宝?それとも、吸血衝動?」
「う……っ」
恐怖からか恭二の表情が歪む。
「しばらく君に血は吸わせないよ。そして、いろいろと実験させてもらおう。君の大事な人の目の前で。嬉しいかい?ゾクゾクするかい?大事な人の前で痛め付けられて喜ぶのなら、間違いなくマゾヒズムだねぇ。」
魔術師がくつくつと笑う。
「やめろ!恭二で、実験なんかすんな!」
俺が思わず叫ぶ。
魔術師は更に笑うだけだ。
「ふふ、予想通り傷が入った。さて、君が壊れるのはいつかな?吸血鬼が焼かれた時?斬られた時?刺された時?殴られた時?毒に苦しむ時?頭をぐちゃぐちゃにされた時?それとも、全てかな?くくく、楽しみだねぇ……!」
「実験、ってなんだよ……っ!氷河に何すんだよ!?おい!」
恭二が戸惑いを隠せずに叫ぶ。
「さて、私は寝る時間だ。君は優秀な魔術師だろう?彼らを黙らせてくれ」
「承知」
魔術師が、男の肩を軽く叩き、階段を上がる。
男は、豹変したかのようにけらけらと笑う。
「……残念ながら、俺は魔術師じゃねぇんだよな。」そして、ゆっくりと歩きだす。
「俺は忍者だって、一辺説明したんだけどな、話を聞いてねーよな、あの魔術師。」
苑宮が持っていたような、忍者刀を抜く。
「まぁ、この牢獄にしろっつったの俺だし。話は聞いてんのか。」
「……黒幕?」
俺が聞くと、男は嘲笑う。
「違う、違う!俺はてめぇらの苦しむ様が見たいだけの魔術師の雇われ忍者よ!」
男の姿が消える。
瞬間、俺の脇腹に衝撃が走る。
「少しは耐えてくれよ?綺麗な神血さん!」
-----------
精神的苦痛を与えてみたかった。
というか恭二を苛めたかった。
学者みたいな魔術師とバーサーカーみたいな忍者。
パーフェクションな二人とは違い、優しくありません。
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※瀬戸氷河
「人を壊すには、どうするべきか。」
目の前の魔術師はそう言った。
俺は檻の向こうから、その男を睨む。
「ギリギリまで痛め付けるか?いや、それでは君のような強いものは耐え切ってしまうだろう。実際捕まえるのには苦労したからね。何度か殴られて痛かった。しかし、捕らえる事が出来てしまった。私は友人ほど強くないのに。そうそう、君は私の友人を知っているはずだ。覚えているかな?遺跡を動かした魔術師を。」
「あいつか……」
かつてある魔術師に捕まった。
藤野さんに騙され、遺跡を動かすことを求めた魔術師。
「思い出してくれたようだね、嬉しいよ。友人は熱心な男だった。騙された形で死んでしまったのは惜しいくらいだ」
「そういや、目的を聞いてなかったな。あいつと同じで俺の血か?」
「いいや」
魔術師は即答した。
「私は君を壊したいんだ」
そして、真顔で言い放った。
「……こわ、す?」
「そう、まだ講義の途中なんだ。話を戻そう。現在君は何も痛め付けられずに、何も縛られずにその檻にいる。不思議だとは思わないかな?」
確かに今の俺は自由に動ける。
捕まるときだって、ふっと意識を失わせる魔術を使われたから捕まった。
まだ傷はついていない。
「そうだろう。君のその疑う目はいいね。ならば、答えよう。人を壊すにはただ闇雲に殴ればいいわけではない。精神を利用し、友人を、恋人を、利用すればいいのだよ。」
ぞくり、とした。
今までの魔術師と違う。
ただ殺意を向けられるのではない。
好奇の目で見られている。
「君が何故非力な私に捕われてしまったのか。その答えは君の精神的魔術への耐性のなさが招いた事なのだよ。そして君が寝ている間にいろいろ調べさせてもらったよ。……そろそろ、来頃かな。」
魔術師が、目の前から消える。
階段を上がる音がする。
脱出するために、扉を蹴り飛ばそうとしてみる。
だが、ガシャン、と衝撃が伝わるだけで開きはしない。
「くそっ!」
さすがに武器だけは奪われたようだ。
途方にくれていると、魔術師が上機嫌で再びこちらにやってきた。
「やっと到着したんだよ。さぁ、見てくれ」
魔術師が何処かに手招きをする。
すると、聞き慣れた声がする。
「放せよ!くそっ!」
「恭二……」
別の男に鎖で腕を縛られた恭二がいた。
俺と違い、恭二は力で捕まったかのような打撲傷が多くあった。
「理解してきたかな?青ざめた表情をしているよ。」
「お前、まさか……」
「そう、君を壊すために彼を壊すことにしたのさ!さぁ、そこの牢に入れろ!」
男が、俺の向かいの牢に恭二を入れる。
そして、十字架に磔られるかのように両腕を広げるように繋がれた。
無傷で自由な俺と違って。
「あ、氷河!」
今、気付いたのか恭二が驚いて声を上げる。
しかし、恭二には俺の表情が絶望に凍り付いている理由が分からない。
魔術師が恭二に話し掛ける。
「君は、吸血鬼らしいね。それも半分だけ。知っているかい、半吸血鬼というのは吸血鬼よりも貴重な存在らしいよ。」
「へぇー……初めて知ったわ。」
「だからね、私は神血よりも君を調べたいのだよ。君は何に弱いんだい?太陽かい?十字架?グレツァイトの家宝?それとも、吸血衝動?」
「う……っ」
恐怖からか恭二の表情が歪む。
「しばらく君に血は吸わせないよ。そして、いろいろと実験させてもらおう。君の大事な人の目の前で。嬉しいかい?ゾクゾクするかい?大事な人の前で痛め付けられて喜ぶのなら、間違いなくマゾヒズムだねぇ。」
魔術師がくつくつと笑う。
「やめろ!恭二で、実験なんかすんな!」
俺が思わず叫ぶ。
魔術師は更に笑うだけだ。
「ふふ、予想通り傷が入った。さて、君が壊れるのはいつかな?吸血鬼が焼かれた時?斬られた時?刺された時?殴られた時?毒に苦しむ時?頭をぐちゃぐちゃにされた時?それとも、全てかな?くくく、楽しみだねぇ……!」
「実験、ってなんだよ……っ!氷河に何すんだよ!?おい!」
恭二が戸惑いを隠せずに叫ぶ。
「さて、私は寝る時間だ。君は優秀な魔術師だろう?彼らを黙らせてくれ」
「承知」
魔術師が、男の肩を軽く叩き、階段を上がる。
男は、豹変したかのようにけらけらと笑う。
「……残念ながら、俺は魔術師じゃねぇんだよな。」そして、ゆっくりと歩きだす。
「俺は忍者だって、一辺説明したんだけどな、話を聞いてねーよな、あの魔術師。」
苑宮が持っていたような、忍者刀を抜く。
「まぁ、この牢獄にしろっつったの俺だし。話は聞いてんのか。」
「……黒幕?」
俺が聞くと、男は嘲笑う。
「違う、違う!俺はてめぇらの苦しむ様が見たいだけの魔術師の雇われ忍者よ!」
男の姿が消える。
瞬間、俺の脇腹に衝撃が走る。
「少しは耐えてくれよ?綺麗な神血さん!」
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精神的苦痛を与えてみたかった。
というか恭二を苛めたかった。
学者みたいな魔術師とバーサーカーみたいな忍者。
パーフェクションな二人とは違い、優しくありません。
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