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ちょっと隔離。

回想話。
書きたくなったから。

いつかフルーツタルトラブストーリーにしようかなぁ?
出来ないかも。

※???
自宅の屋敷にあるピアノに触れる。
あの人が私に買ってくれたものだけれど、今ではすっかり弾かなくなってしまった。
あの人も私も、あの子の神血を隠すのに忙しいからだ。
そのために皇帝、都会から離れ、遠い町まで逃げたというのに。
彼の地位を全て捨てて、逃げてきた。
神血というのは、悪い意味で人の目に映る。
教会は、多くの神血を保護しているが、それは表向きの話。
裏側で彼らが何をしていたのか、修道女である私は知っている。
天使が何をしようとしているのかも。
知ってて、私は教会に勤めている。
それだけでも罪だというのに。
あの子だけは、遠ざけたいと願ってしまう。
「やっぱり……弾いてたのか」
あの子……氷河が階段から降りてきた。
きっと私の弾いていた音のせいね。
「ごめんなさい……起こしてしまったわね」
「いや、違う。聞きに来たんだよ」
「……そう」
氷河が近くの椅子に座る。
「なんか、弾いてください。」
「分かったわ。でも、私もこれに触れるの久しぶりなのよね……」
楽譜を広げ、ゆっくりと弾き始める。
この楽譜も教会のもの。聖歌に近い曲。
氷河は聞き惚れるというより、興味深そうに私の指を見ていた。
弾き終えてから、私はくすりと笑う。
「弾いてみたい?」
「あ、いや……」
「いいわよ、教えてあげる。」
「いいよ、楽譜さえわかれば弾けるだろ?」
「弾けるけども」
氷河は、それよりも続きを、と私を促した。
少し意地悪になったのかしら。
氷河は最近、榎本君と天城君という友達ができたみたいで、よく迎えに来てくれる。
丙君は前からの付き合いだけれど、その丙君と真逆みたいな二人だ。
どこでどう知り合ったのかは知らない。
けれど、氷河はとても二人を気にしていた。
何か救われたのかもしれない。
その後日、逃げるのはうまかった氷河が、初めて怪我をして帰ってきたのだから。
その時の氷河は、すっきりとした表情だった、と思う。
「あの二人なら……」
「恭二と芳示がどうかしたのか?」
思わず言葉になっていたのか、氷河が聞き返す。
「……いいえ、なんでもないわ。」
「やっぱり、あの二人は……ダメなのか。」
今まで、何か裏心のありそうな人間とは引き離してきた。
それを気にして氷河が落ち込む。
「違うの。あの二人なら、きっと貴方を真剣に思ってくれるわ」
「そ、そっか。よかった……」
きっと氷河が神血だと知っても、態度を変えたりはしない。
あの人も認めた友達なのだから。
「今までの私達なら、氷河は教会の祭司になるべきだと言ったけれど。そうね、氷河は教会にいるべきじゃない……。あら?」
ふと後ろを見ると、氷河は寝ていた。
さっきのことで安心していたからかしら。
先ほどの言葉は、きっと届いていないのでしょう。
「貴方は……教会から、逃げ出すべきなのよ。神血の最大の敵は教会ですもの……」

※瀬戸氷河
ピアノの弾くたびに母さんは、悲しげな表情をしている。
その理由を俺は聞くことができない。
聞いてはいけない事のように思えるからだ。
だから、弾いてみれば何かわかるのではないかと思った。
「えっと……楽譜、楽譜……」
近くの引き出しから楽譜を漁る。
その中から音符の少なそうなものをとる。
音符ならわかる。後は、母さんの見よう見まねで弾いてみるだけだ。
軽く、音を出す。
そこから、音符を見ながらゆっくりと指を動かす。
テンポは悪いが、曲にはなっていそうだ。
それから、何度も練習を重ねた。
そして弾けるようになっても、俺には分からなかった。
あの人の悲しげな表情の理由が。
今度は別の楽譜を取り、弾いてみる。
何度弾いても、あの人の表情が脳裏に焼き付く。
分からない。このピアノにそんな思い出があるのだろうか。
「あ……」
そういえば、俺はあの二人のことを何も知らない。
没落貴族の父親と、教会の修道女である母親。
両親がどうして都会から引っ越したのか。
没落といっても、都会から追い出される程ではないはずだ。
教会だって、こんな所じゃなくても大聖堂に勤めてもおかしくない。
「俺、何も知らないのか……」
それなら、母さんの憂いの理由も理解出来ないはずだ。
両親はあまり多くを語らない人だった。
俺が知っているのは、きっとほんの些細なことだけ。
本当の理由も、大きな秘密もまだ隠れているのだろう。
俺が、知らないだけ。
部屋にある本を読んだところでわかりはしないのだろう。
窓には雨粒が張り付いている。
「最悪だな……」
外は大雨だ。することがなくて気が滅入る。
だから、ピアノの練習をしていたはずなんだけど、それもぐるぐると考えてしまうのでやめた。

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むかしむかしのあるはなし。
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