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真っ黒で冷え切った話。
幸せなんか温かさなんて全くない話。
幸せなんか温かさなんて全くない話。
※瀬戸氷河
俺には、彼女がいた。
意外に思われるかもしれないが、俺だってそれなりに青春を満喫していたのだ。
あの時、吸血鬼が町を滅ぼすまでは。
恭二なんかは、女をはべらせているのがデフォルトだという時期もあったぐらいだ。
それでも、恭二は「俺が一番好きなのは、氷河だからー」なんて事を言っていた。
あの時は、意味が分からんと思った。
芳示と丙については、何もわからない。
二人はあまり自分の話をしたがらないからな。
とりあえず、俺は俺の話しか出来ないのだから、その話をしようと思う。
彼女は、成績だけ優秀な人間だった。
求められたことだけをこなす感情のない人だった。
そういう奴の方が当時の俺には付き合いやすかった。
付き合ったと言っても、その関係はあまりにも稀薄なものだった。
常に一緒にいるわけでもなく、理想の恋人像なんてものからはかけ離れていた。
たまに互いの家に行きはするが、少し話をするだけだった。
その関係を望んだのは、俺でも彼女でもない。
自然にそうなっただけの事だ。
世間体的に望まれた彼女に、不良となった俺は似つかわしくないとも思う。
それでも、隠すように付き合い始めた。
それを望んだのは、彼女だった。
「ねぇ、氷河君」
「……ん?」
「私はきっと望まれていないんのよ」
「……そんなことはないんじゃねぇのか?」
「私は、決められたことしか出来ないもの。世の中に必要なのは、アドリブ力とコミュ力なんですって。」
「確かに、どっちも欠けてんな」
「私は、欠けたままでいいと思うんだけれど。」
「俺だって、欠けてるもんだし、いいんじゃねぇのか?」
「そう。ありがと。」
彼女は、無感情ながらも不思議な人だった。
無感情でありながらも、全く機械みたいな人ではない。
落ち着いた雰囲気を持つ彼女が、俺は好きだった。
だから、極力彼女を俺を狙う連中の人質にさせないように潰してきた。
付き合う前を半壊だとするならば、付き合った後は完全崩壊。
そう例えられるほどには、潰した。
それが後に悪い噂になったとしても、彼女は何も言わず側にいてくれた。
「氷河君が、本当にやったの?」
「俺は巻き込まれただけだ」
「そうだよね。そうだと思ってた。」
「あのさ、本当にそう思ってるのか……?」
「そうなんでしょう?」
「……そう、だけど。」
「それなら、それでいいのよ。」
「もしもさ」
「ん?」
「俺が、いつか本当に不良連中を潰してしまったら、どうする?」
「それは正当防衛よ。」
「……やっぱりお前でよかったって思う」
「嬉しいわ。」
彼女は俺をどう思っていたのだろうか。
決して俺たちは互いに干渉することはなかった。
彼女は、何を考えていたのだろうか。
何も語らない、いや、語ったと思えば奇妙な話ばかりだったから。
俺には彼女の真意が全く分からなかった。
「氷河君、甘いの嫌いだったよね?」
「ん?そうだけど」
「ああ、よかった。彼氏の好みを忘れていなくて」
「……どうしたんだよ?」
「そうね、確認。私は私であるための。」
「はぁ?」
「私は君を好きだよ。好きだから利用してる」
「そんなの俺も同じだ」
「それでいいの。私たちの関係はそれ以上でもそれ以下にならなくていい。」
「その通りだな。俺、ああいう関係嫌いだし」
「ああいうって、一般的な関係のことかしら」
「そう。あそこまでベタベタされたくもねぇし、したくもない」
「私もそう思うわ。」
結局、町が壊れる2週間前に彼女から別れ話を切り出された。
それも、あっさりとしたものだったのをよく覚えている。
歪な別れ方だったかもしれない。
もしくは、彼女は何かを知っていて隠そうとしていたのかもしれない。
あまりにも、唐突だったから。
「ねぇ」
「ん?」
「そろそろ別れましょう」
「……俺を、利用しきったのか?」
「ええ」
「分かった。なら俺も終わったことにするよ」
「何かあったら相談には乗るわ。友達として」
「……」
「どうしたの?」
「縁を切られると思っていたから、驚いた」
「私はそこまで、冷たくなれない。貴方の事は本当に好きだったし」
「そっか」
「さよなら、氷河君。また明日」
「……じゃあな。―――――。」
街が壊れる3日前。
彼女は突然俺の家に転がり込んできた。
血に塗れた状態で。
急いで部屋に入れ、治療しようと包帯あたりを探しに行った。
持って戻ると、いきなり彼女が俺に抱き着き泣き崩れた。
彼女の最初で最後の感情表現だったと思う。
「ごめん、なさい……!私、もう利用しないといったばかりなのに……!」
「……なにがあったんだよ」
「そうね……あなたには言わなくちゃ……」
「ゆっくりでいい。とりあえず大人しくそこに座ってくれ」
俺が指をさしたのは、自分のベッド。
彼女は、大人しく座ってくれる。
「……待って、聞いてくれないかしら?」
「え?」
「今のうちに言わなくてはならない。信じがたい話であるから」
「……なら、聞くけど」
「ええ。貴方は吸血鬼を信じるかしら」
「きゅうけつ、き……?」
「そうよね、ファンタジーな話だものね。信じられないと思う。けれど、私はそれにであった。」
「それで……なんでそんな怪我を」
「正確には襲われた。私は抵抗できずに血を、身体を、全てを、何もかも、奪われた」
と、彼女が首筋を見せる。
……噛み跡がある。そこから未だに血が流れている。
「もう私には何もない。全て奪われてしまったのだから。その上、過ちを犯した。貴方なら気づくでしょう?」
「……人間の所在を知られた、ってことか」
「ええ。だから、いつか私のせいでこの町の人間は、貴方は殺されてしまうかもしれない……!」
彼女が再び涙をこぼす。
「貴方だけは……逃げてほしい……!私のせいで死ぬことのないように、そう、せめて最近復興した大都会ぐらいまで逃げてほしいの……っ!」
好きだから。溺れてしまったから。
この時に初めてしった彼女の真意。
彼女だって、人間なのだとこの時に初めて気づいた。
遅すぎるが、俺達が今まで互いに干渉せずにいた結果なのだろう。
これは、フェアじゃない。
俺は彼女の隣に座る。
「……あのさ」
「なに?」
「俺も、溺れていたんだと思う。じゃなきゃ、あそこまで徹底的に敵をつぶそうとなんて思えなかったから」
「何の話よ」
「俺の悪いうわさは、全て真実だって話」
「知ってたわよ」
とことんフェアじゃない。
「知ってて、傍にいたの。私の地位を崩さないためにしてくれたのでしょう?」
「……そーだよ。全部、お前が巻き込まれないようにするためだよ」
「意外と優しいんだな、って思ったのよ。貴方、他人には本当に冷たい人だから」
「意外は余計だろ。」
「いいえ、余計じゃないわよ。私が告白した理由は、貴方が冷たい人だと信じていたから」
「俺が引き受けた理由も、お前がそうしようとしているのを知っていたから」
「本当かしら」
「人の思惑とかには敏感でね」
「嫌な性格、初めて知ったわ」
「……だろうな」
とん、と軽く彼女をベッドに押し倒す。
彼女は無抵抗に倒れた。
「全部、奪われたんだろ」
「奪われたわ。あの吸血鬼。何もかも捧げてしまった。それでもいいの?」
「その傷見てるとイライラする。吸血鬼とやらを殴りたくなる」
「あれはもはや魔物よ。人間じゃないわ」
「関係ない。黙ってられるか」
「意外に熱い人だったのかしら?」
「違う。俺は冷たい人間だよ。お前の全てを奪った吸血鬼が許せない。そんな独占欲に塗れて正義感なんてどこにもない。むしろ、こういうのを汚い人間だというのかもな」
「……私だって吸血鬼にやる気はなかったわよ。というか誰にもやる気はなかったわ。でも、貴方ならいいかも。」
「ようやく認められた気がする」
「気がする、じゃないわ。やっと認めた。」
「やっとかよ……。何年利用し合ってたと思ってんだ。」
「何年だったかしら」
「俺も忘れた」
彼女に触れてようやくその傷を思い出す。
「……痛む、よな」
「痛くない。心配することはないわ」
しかし、彼女の傷は首筋だけじゃない。
至る所に擦り傷やら切り傷がある。
彼女が上着を脱いで羽織った時から、見えていた。
けれど、それを脱ぐことでさらに露わになる。
余計、イライラする。
「嘘、つくなよ。」
「悪かったわ。……すごく痛い。逃げてる時だって必死だったもの」
「治せなくて、悪いな」
「傷って自然治癒するものでしょう?貴方が抱えることじゃないわ」
「それも、そうだよな……」
「いいじゃない?取り返してよ」
「そんな大胆だったか、おまえ?」
「先に乗ったのは、貴方よ。氷河」
「……――、ごめん、な」
街が壊れた日。
彼女は今度こそ吸血鬼に殺された。
俺は、それを目撃していない。
半壊した彼女の家の中で、彼女が倒れていたのを見つけただけだ。
そう、手遅れだったということだ。
彼女の言葉を聞くことなく、彼女は死んでいた。
悲しい、というよりは吸血鬼への怒りの方が強かった。
両親も恋人も殺された。
ツギニシヌノハ、トモダチジャナイ?
「――っ、恭二!」
まだ俺は恭二を見ていない。
ということは、まだ生きているのかもしれない。
もう、誰かが死ぬのはごめんだ。
恭二を探しに狭い町を走る。
最後に行きついたのは、壊れた教会だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暗いくらいクライ。
氷河の昔話というのは、基本幸せになれないんです。
そういう上で現在の氷河が成り立っている話にしたいので。
事件が続くから、氷河は自己犠牲化していくんです。
そんな話にしたかった。
彼女の設定は作る予定はありません。
氷河にとっては、彼女は割り切ったもので、それを超えて恭二を好きになっているのですから。
彼女とは利用関係にしかなりきれませんでしたし、本当に氷河を救い上げていたのは、全て恭二ですから。
ド変態魔術師の反対は、無機質な彼女。
俺には、彼女がいた。
意外に思われるかもしれないが、俺だってそれなりに青春を満喫していたのだ。
あの時、吸血鬼が町を滅ぼすまでは。
恭二なんかは、女をはべらせているのがデフォルトだという時期もあったぐらいだ。
それでも、恭二は「俺が一番好きなのは、氷河だからー」なんて事を言っていた。
あの時は、意味が分からんと思った。
芳示と丙については、何もわからない。
二人はあまり自分の話をしたがらないからな。
とりあえず、俺は俺の話しか出来ないのだから、その話をしようと思う。
彼女は、成績だけ優秀な人間だった。
求められたことだけをこなす感情のない人だった。
そういう奴の方が当時の俺には付き合いやすかった。
付き合ったと言っても、その関係はあまりにも稀薄なものだった。
常に一緒にいるわけでもなく、理想の恋人像なんてものからはかけ離れていた。
たまに互いの家に行きはするが、少し話をするだけだった。
その関係を望んだのは、俺でも彼女でもない。
自然にそうなっただけの事だ。
世間体的に望まれた彼女に、不良となった俺は似つかわしくないとも思う。
それでも、隠すように付き合い始めた。
それを望んだのは、彼女だった。
「ねぇ、氷河君」
「……ん?」
「私はきっと望まれていないんのよ」
「……そんなことはないんじゃねぇのか?」
「私は、決められたことしか出来ないもの。世の中に必要なのは、アドリブ力とコミュ力なんですって。」
「確かに、どっちも欠けてんな」
「私は、欠けたままでいいと思うんだけれど。」
「俺だって、欠けてるもんだし、いいんじゃねぇのか?」
「そう。ありがと。」
彼女は、無感情ながらも不思議な人だった。
無感情でありながらも、全く機械みたいな人ではない。
落ち着いた雰囲気を持つ彼女が、俺は好きだった。
だから、極力彼女を俺を狙う連中の人質にさせないように潰してきた。
付き合う前を半壊だとするならば、付き合った後は完全崩壊。
そう例えられるほどには、潰した。
それが後に悪い噂になったとしても、彼女は何も言わず側にいてくれた。
「氷河君が、本当にやったの?」
「俺は巻き込まれただけだ」
「そうだよね。そうだと思ってた。」
「あのさ、本当にそう思ってるのか……?」
「そうなんでしょう?」
「……そう、だけど。」
「それなら、それでいいのよ。」
「もしもさ」
「ん?」
「俺が、いつか本当に不良連中を潰してしまったら、どうする?」
「それは正当防衛よ。」
「……やっぱりお前でよかったって思う」
「嬉しいわ。」
彼女は俺をどう思っていたのだろうか。
決して俺たちは互いに干渉することはなかった。
彼女は、何を考えていたのだろうか。
何も語らない、いや、語ったと思えば奇妙な話ばかりだったから。
俺には彼女の真意が全く分からなかった。
「氷河君、甘いの嫌いだったよね?」
「ん?そうだけど」
「ああ、よかった。彼氏の好みを忘れていなくて」
「……どうしたんだよ?」
「そうね、確認。私は私であるための。」
「はぁ?」
「私は君を好きだよ。好きだから利用してる」
「そんなの俺も同じだ」
「それでいいの。私たちの関係はそれ以上でもそれ以下にならなくていい。」
「その通りだな。俺、ああいう関係嫌いだし」
「ああいうって、一般的な関係のことかしら」
「そう。あそこまでベタベタされたくもねぇし、したくもない」
「私もそう思うわ。」
結局、町が壊れる2週間前に彼女から別れ話を切り出された。
それも、あっさりとしたものだったのをよく覚えている。
歪な別れ方だったかもしれない。
もしくは、彼女は何かを知っていて隠そうとしていたのかもしれない。
あまりにも、唐突だったから。
「ねぇ」
「ん?」
「そろそろ別れましょう」
「……俺を、利用しきったのか?」
「ええ」
「分かった。なら俺も終わったことにするよ」
「何かあったら相談には乗るわ。友達として」
「……」
「どうしたの?」
「縁を切られると思っていたから、驚いた」
「私はそこまで、冷たくなれない。貴方の事は本当に好きだったし」
「そっか」
「さよなら、氷河君。また明日」
「……じゃあな。―――――。」
街が壊れる3日前。
彼女は突然俺の家に転がり込んできた。
血に塗れた状態で。
急いで部屋に入れ、治療しようと包帯あたりを探しに行った。
持って戻ると、いきなり彼女が俺に抱き着き泣き崩れた。
彼女の最初で最後の感情表現だったと思う。
「ごめん、なさい……!私、もう利用しないといったばかりなのに……!」
「……なにがあったんだよ」
「そうね……あなたには言わなくちゃ……」
「ゆっくりでいい。とりあえず大人しくそこに座ってくれ」
俺が指をさしたのは、自分のベッド。
彼女は、大人しく座ってくれる。
「……待って、聞いてくれないかしら?」
「え?」
「今のうちに言わなくてはならない。信じがたい話であるから」
「……なら、聞くけど」
「ええ。貴方は吸血鬼を信じるかしら」
「きゅうけつ、き……?」
「そうよね、ファンタジーな話だものね。信じられないと思う。けれど、私はそれにであった。」
「それで……なんでそんな怪我を」
「正確には襲われた。私は抵抗できずに血を、身体を、全てを、何もかも、奪われた」
と、彼女が首筋を見せる。
……噛み跡がある。そこから未だに血が流れている。
「もう私には何もない。全て奪われてしまったのだから。その上、過ちを犯した。貴方なら気づくでしょう?」
「……人間の所在を知られた、ってことか」
「ええ。だから、いつか私のせいでこの町の人間は、貴方は殺されてしまうかもしれない……!」
彼女が再び涙をこぼす。
「貴方だけは……逃げてほしい……!私のせいで死ぬことのないように、そう、せめて最近復興した大都会ぐらいまで逃げてほしいの……っ!」
好きだから。溺れてしまったから。
この時に初めてしった彼女の真意。
彼女だって、人間なのだとこの時に初めて気づいた。
遅すぎるが、俺達が今まで互いに干渉せずにいた結果なのだろう。
これは、フェアじゃない。
俺は彼女の隣に座る。
「……あのさ」
「なに?」
「俺も、溺れていたんだと思う。じゃなきゃ、あそこまで徹底的に敵をつぶそうとなんて思えなかったから」
「何の話よ」
「俺の悪いうわさは、全て真実だって話」
「知ってたわよ」
とことんフェアじゃない。
「知ってて、傍にいたの。私の地位を崩さないためにしてくれたのでしょう?」
「……そーだよ。全部、お前が巻き込まれないようにするためだよ」
「意外と優しいんだな、って思ったのよ。貴方、他人には本当に冷たい人だから」
「意外は余計だろ。」
「いいえ、余計じゃないわよ。私が告白した理由は、貴方が冷たい人だと信じていたから」
「俺が引き受けた理由も、お前がそうしようとしているのを知っていたから」
「本当かしら」
「人の思惑とかには敏感でね」
「嫌な性格、初めて知ったわ」
「……だろうな」
とん、と軽く彼女をベッドに押し倒す。
彼女は無抵抗に倒れた。
「全部、奪われたんだろ」
「奪われたわ。あの吸血鬼。何もかも捧げてしまった。それでもいいの?」
「その傷見てるとイライラする。吸血鬼とやらを殴りたくなる」
「あれはもはや魔物よ。人間じゃないわ」
「関係ない。黙ってられるか」
「意外に熱い人だったのかしら?」
「違う。俺は冷たい人間だよ。お前の全てを奪った吸血鬼が許せない。そんな独占欲に塗れて正義感なんてどこにもない。むしろ、こういうのを汚い人間だというのかもな」
「……私だって吸血鬼にやる気はなかったわよ。というか誰にもやる気はなかったわ。でも、貴方ならいいかも。」
「ようやく認められた気がする」
「気がする、じゃないわ。やっと認めた。」
「やっとかよ……。何年利用し合ってたと思ってんだ。」
「何年だったかしら」
「俺も忘れた」
彼女に触れてようやくその傷を思い出す。
「……痛む、よな」
「痛くない。心配することはないわ」
しかし、彼女の傷は首筋だけじゃない。
至る所に擦り傷やら切り傷がある。
彼女が上着を脱いで羽織った時から、見えていた。
けれど、それを脱ぐことでさらに露わになる。
余計、イライラする。
「嘘、つくなよ。」
「悪かったわ。……すごく痛い。逃げてる時だって必死だったもの」
「治せなくて、悪いな」
「傷って自然治癒するものでしょう?貴方が抱えることじゃないわ」
「それも、そうだよな……」
「いいじゃない?取り返してよ」
「そんな大胆だったか、おまえ?」
「先に乗ったのは、貴方よ。氷河」
「……――、ごめん、な」
街が壊れた日。
彼女は今度こそ吸血鬼に殺された。
俺は、それを目撃していない。
半壊した彼女の家の中で、彼女が倒れていたのを見つけただけだ。
そう、手遅れだったということだ。
彼女の言葉を聞くことなく、彼女は死んでいた。
悲しい、というよりは吸血鬼への怒りの方が強かった。
両親も恋人も殺された。
ツギニシヌノハ、トモダチジャナイ?
「――っ、恭二!」
まだ俺は恭二を見ていない。
ということは、まだ生きているのかもしれない。
もう、誰かが死ぬのはごめんだ。
恭二を探しに狭い町を走る。
最後に行きついたのは、壊れた教会だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暗いくらいクライ。
氷河の昔話というのは、基本幸せになれないんです。
そういう上で現在の氷河が成り立っている話にしたいので。
事件が続くから、氷河は自己犠牲化していくんです。
そんな話にしたかった。
彼女の設定は作る予定はありません。
氷河にとっては、彼女は割り切ったもので、それを超えて恭二を好きになっているのですから。
彼女とは利用関係にしかなりきれませんでしたし、本当に氷河を救い上げていたのは、全て恭二ですから。
ド変態魔術師の反対は、無機質な彼女。
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