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久々すぎてあかん。



・大嘘吐き捕物帳~大浦丙
※瀬戸氷河
突然、白河さんに俺たち四人が呼ばれた。
他の奴らに何かやらかしたのか聞いても、全員が首をかしげるばかりだ。
当然俺も何かした記憶はない。
揃って指令室に入ると、白河さんといつもの3人の他にも木津樹さんがいた。
誰も口を開こうとしないので、仕方なく俺から話を切り出してみた。

「ええと……何かありましたか?」
「お前ら、全員経歴詐称してるな?」
白河さんは、そう言いながら4枚の書類を並べた。
俺たちの経歴書だ。
そういえば、最初にそんなものを書いたっけか。
「本部隊員には、みんなこういうの書いてもらってるんだけどね。まぁ、俺たちとしても君たちの情報は必要なんだよ。過去に何かあってそれのせいでうちが絡まれると面倒だし。けど、君たちは全員が俺たちに隠し事をしている。この書類に書いていない情報があるんだよ。例えば……」
高曇さんが、一例として俺と恭二の書類を取り出す。
俺と恭二があの紙に書いていない情報はもうばれている。
俺の神血の話と恭二の半吸血鬼の話だ。
「瀬戸君の神血の件と恭二君の半吸血鬼の件。瀬戸君のは本人も知らなかったみたいだからいいけど、恭二君のは立派な隠蔽だからね。よくないからね、これ」
「それは……すみませんでした。あの時の俺たちとしてはどうしても隠したかった事だったので……」
真面目な説教に謝ることしか出来ない。
恭二の為に隠していたことだったしな。
高曇さんは、ため息を一つついてから、俺と恭二の書類を片付けた。
そして、にやにやと笑っていた木津樹さんが俺たちの前に立つ。
「それよりも深刻なのは、天城君と大浦君さ。君たちは、氷河君や榎本君にも言っていないことがあるんじゃないかなあ?」
そういえば、芳示と丙はここに来てからひと言も発していない。
ただ二人とも白河さん達から目を背けている。
「え?どういうこと?芳示と丙は俺たちにも隠し事をしてんの?」
「言えないよね、あんなこと。僕はたまたま新聞屋から情報を仕入れちゃったから、白河さんに伝えただけさ」
芳示が木津樹さんを、敵意を持って睨みつける。
芳示がそんな目を味方に向けるのは、珍しい。
普段なら覚えのない事には反論するはずなのに。
二人の態度に不安が募る。
「新聞屋ってあいつか。よく俺たちの事まで調べたもんだな。言っとくが俺にそんなものはねーよ。その経歴書通りだ。軍部に入ってた事だって藤咲さんが証明している。丙はどうだか知らないけどな」
「え、俺の事かばってくれないんだ」
芳示の言葉に驚く丙。
白河さんは、丙に狙いをつけたのか、丙の書類を机に広げる。
「俺は木津樹の情報の事実確認をしたいだけだ。大浦、天城。これから木津樹が言うことに正直にYESかNOで答えてくれればいい」
「え、僕は信頼されてないんですか」
「お前は言動が胡散臭いからな」
「結構誠実なつもりなんですがね……まぁいいでしょう。」
木津樹さんが、ポケットからメモを取り出す。
そして、白河さんに言われた通り、確認するように問いかけた。
「大浦君、君は軍部にいたことがあるね?」
「……はい」
短い沈黙の後、丙は頷いた。
俺たちも知らなかった丙の話だ。
それに芳示が食いつく。
「あぁ?お前軍部にいたってどういう事だ!?そんな記録どこにもなかったぞ!?」
「消してもらったからね。今のリーダーの壱谷ですら知らない情報だと思うよ」
「消してもらったって……そんなの許されるわけねぇだろ!?」
「落ち着けって芳示!」
丙に掴みかかる芳示を引き剥がす。
今にも殴り掛かりそうだったけど、舌打ちをして芳示は大人しくしてくれた。
それから確かに違和感があったと切り出した。
「丙には不自然な所があったんだよ」
「どゆこと?」
「あいつは銃の扱いがうまかった。毒針や糸しか使ったことないと言ってたけど、一回だけ銃で敵を撃ち殺した丙を見たんだ。そんときに不自然だとは思った。けど、気にすんのはやめた。暗殺の際に使ったんだろうと思ったからな。」
「……氷河、そうだったっけ?」
全然話についていけていなさそうな恭二が俺に耳打ちする。
俺に聞くなよ。
「確かに丙は後方から戦ってくれることが多かったからな。芳示と同じような技術なんて見たことなかったけど」
「だって……氷河達には言いたくなかった事だからね。技術も使わないようにしてたよ。芳示には気づかれちゃうと思ったから。」
今まで俺たちとも目を合わせなかった丙が、正面の白河さんを見据える。
「でも……分かりました。全部話します。俺が隠してたこと。氷河達も聞いて欲しい」

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芳示と丙を掘り下げようキャンペーン
そうしたら全員嘘吐き野郎になってました。
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