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ケージインゲームの15話です。

※篝祇亜須磨
ケージインゲームは終わった。
それでも、俺には気にあることがあった。
神谷さんを連れて、街まで向かう。
そこで彼女に全てを聞いてもらおうと思った。
「ん?どうした?」
純血の魔族でありながら、人の味方をするイシアさん。
俺を見つけると、イシアさんは軽く手を振って返す。
神谷さんは、俺の肩をつつき、小声で聞く。
「…本当に魔族じゃねぇか、何が目的なんだよ、亜須磨君」
「疑問が残っただけなんです。すみません、神谷さん」
イシアさんが、ハーフの神谷さんに気付く。
「…亜須磨。君の後ろはハーフか。」
「そうです。魔族の貴方から見たら、神谷さんはどう映るのかと気になりまして。」
イシアさんは、呆れからかため息をつく。
「私は魔族の一般論じゃないぞ…。」
「イシアさんの意見が欲しいんですよ」
「そうか、なら遠慮なく言うぞ。」
神谷さんがびくりと震える。
「私にとってはハーフも人間と変わらない。守るべき弱い種族だ。」
「へ…?」
神谷さんが呆気にとられた表情で、イシアさんを見る。
イシアさんはその表情を見て笑う。
「神谷、と言ったな。私もその名を噂で聞いたことがある。確か神谷という男が魔術系の魔族を貰ったという話があったな。」
「あ、それだ…」
「そうか。あれは何百年前の話だったかな…。もうこんなに成長していたのか。」
イシアさんはまるで母親のような目で神谷さんを見つめる。
神谷さんは恥ずかしくなったのか、目を逸らす。
「いや…あの…」
「ハーフというが、我らの同士であり、また人間の部類に入るということには変わりはない。いつでも力は貸してやりたいと思っているさ。」
「もうそこまで守る部類に入るのなら、イシアさんと対等といえるようなのは、誰なんですかね。」
俺がふと聞くと、イシアさんは笑って答える。
「それは私と同属の魔族だけだな。そういえば亜須磨には言ってなかったな。魔族といっても二種類の種族がいる。私のような力に優れた魔族と神谷の母のような魔力に秀でた魔族だな。」
「魔族にも種族がいたんですか…。」
「そうだな、神谷がいることだし、魔力に秀でた魔族の話をしよう。そういえば、亜須磨の上司に魔導書を持った奴がいたな?あの魔導書を作り出したのは、魔力に秀でた魔族たちが作り出したものだ。」
それは、莱桃さんの魔導書のことだろう。
「莱桃さんを嫌う種族というのは、魔力に秀でた魔族だけって事ですか?」
「そうなるな。だが、我々も魔力に秀でた者も仲間としてみているから、その男は魔族全てを敵に回したとしてもおかしくはないだろう。」
「そうですか…。」
でも俺は、すっきりとしていた。
魔族に関する疑問がだいたい解決したからだ。
「ありがとうイシアさん。さ、神谷さん、ぼんやりしてないで行きましょう。」
「ああ、またな。」
まだ動けずにいる神谷さんを連れて、本部に戻ることにした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで、ケージインゲームはこれで終わりとなります。
この話は補足みたいで、あまり最終回という感じはしませんが、終わりなんです。
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