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鳴り響け、マイナスコール。

「飾海君、手伝ってくれるかしら?」
「比嘉梭美、待ってろ。」
比嘉梭美がマイナスを吐き散らしたいから利用させてと言う。
一般に聞こえるようにこんなことは言わない。
一般的には、比嘉梭美と俺は友達だ。
あまり話さないけど、話す事は出来る程度の最低ランクの友達だ。
「分かったわ。」
比嘉梭美は階段を上がる。
屋上へ向かったのだろう。
あまり人は来ない場所だ。
あんな気持ち悪い話は、人がいては話せないだろう。
比嘉梭美は一般的には普通の明るい女子として振る舞っている。
比嘉梭美の正体があのようにどす黒く、汚い女だとは俺以外知らないだろう。
「おい、飾海。掃除したんだろうな?」
「ああーしたした。ほら、片付けといてくれ。」
人付に箒を渡す。
人付はにやりと笑い、俺に小声で聞く。
「また屋上か?」
「何だっていいだろ。」
人付は何故か話しやすい奴だ。
あいつのペースに飲まれていたら、全て話してしまいそうだ。
俺の気持ちも全部。
「分かったよ、ほら、行きな。」
ゆっくりと屋上へ向かうことにした。
少しでも関わる時間を減らすために。

屋上では、比嘉梭美が空を見ていた。
扉を開ける音で彼女が振り向く。
「遅いじゃない、飾海」
「掃除だ、分かれ」
「分かってる、関わりたくないんでしょ。」
「当たり前だ。さ、早くしろ。」
比嘉梭美は再び空を見て、話し始めた。
「あいつら、めんどくさいったらないわ。どうして貴方だけが知っている事がみんなも知っていると思い込めるのかしら。馬鹿じゃないの。それに我儘で自分ばかり。まるで他人はあいつに使われるために存在しているかのよう。あなたが姫様だとは誰も思っていないのに。」
比嘉梭美は、くすりと笑う。
「けど、飾海は私の道具よ。分かっているわね。」
「俺こそ比嘉梭美を利用してる。比嘉梭美は俺の道具だ。」

道具、っていい意味じゃないわよ。
私たちは互いを人間として見ていない。
互いに気持ち悪いと思っているもの。

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仲良くならないから。
絶対なりませんから!
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