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眠り姫と銃。

・エンドスリープの魔術師
※大浦丙
茅野も氷河にかけられた魔術を解けずに帰ってしまった。
吾野さんに押されて、茅野がキスしてしまったときのあの表情が忘れられない。
茅野は氷河のことが好きだから、どこか嬉しそうだった。
氷河はどう思っているのだろうか?
さっきも気にしたことがまた巡ってきてしまった。
また誰かがドアを開ける。
今度は柊さんだ。
「魔術師の居場所を特定して、バカどもに向かわせた。じきに目を覚ますだろう。」
「分かりました。」
柊さんは、手にしていた書類を眺めながら去っていった。
バカどもってのは、恭二たちのことだろう。
彼らは氷河に対しては真剣だから。
眠っていた氷河から声が聞こえる。
柊さんの言う通り、氷河が目を覚ました。
「あ……俺、なにしてたんだっけ……」
天井をぼんやりと見つめる氷河に声をかける。
「おはよう、氷河」
「……丙?」
「まだぼんやりしてるの?」
俺はトラップとして仕掛けた糸を戻しながら、話す。
氷河は頭を抱えながら、思い返すように聞く。
「俺、花畑で、眠らされてから……どのぐらい経った?」
「ええと……8時間ぐらい?」
「ただ寝てただけかよ……。魔術師は?」
「恭二たちが殺したよ」
「そうか……。丙はずっと見ててくれたのか?」
「心配だったからね」
「ありがと、な」
氷河が微笑んでくれた。
それだけでも、俺は嬉しい。
俺が立ち上がると、氷河もすぐにベッドから出て机の上に置いたハンドガンを取る。
「ちょっと、どこ行くの?」
「下行って、身体を動かすだけだよ!」
と言いつつ、氷河は部屋を出てしまった。
無理をさせまいと、氷河をおいかけて練習場に下りてみると、氷河は体術の練習をしていた。
芳示のを真似た徒手空拳の構えから、流れるように蹴る。
俺に気づいた氷河は、軽くため息をついた。
「なんだよ、そんなに心配だったのか?」
「寝起きで喧嘩の練習してるからだよ」
「なんだか暴れたい気分だったんだよ。今回は、俺寝てただけだったしな」
「その間も大変だったんだよ。恭二たちが眠り姫って騒ぐし、茅野も……」
茅野の話が俺にはできなかった。
すぐにキスをした茅野が浮かんでしまうから。
「茅野?」
「そう、茅野にも聖書の魔術で氷河を治してもらおうとしたんだけど、ダメだったんだよ」
「……茅野、が……」
「どうしたの?」
わざと聞いてみても、氷河は誤魔化すように笑うだけだった。
「いや、なんでもねぇ。なぁ丙、暇なら付き合ってくれよ?」
「ええ……。氷河、実力あるからやだよ」
「丙だって出来るだろ?」
再び氷河は徒手空拳の構えをとる。
戦うことにノリノリなんだから、氷河は。
反省してもらわないとかな。
「いいよ。軽くだからな」
「おう、分かってるって!」
嬉しそうに笑った氷河は、すぐにハイキックを俺に向けて放った。

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もうちょっとつづかんかもしれん。



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