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謝られる話。




・リミットオーバー
※瀬戸氷河
翌朝、俺の部屋に白河さんと高曇さんが入ってきた。
白河さんが、真剣な表情で言う。
「傷、見せろ」
俺は黙って、少し服を脱いで鞭の痕を見せる。
白河さんは、触れずに見つめながら聞く。
「瀬戸、平気か?」
「大丈夫、です。まだ、痛むけれど……治癒術ぐらいなら扱えるようなので……」
「今の氷河に治癒術を使わせようとは思えないよ。」
と、高曇さんが微笑む。
でも、俺は納得行かずに自分の意見を言おうとすると、白河さんに止められてしまった。
「いい、休め」
「ですが……!」
「お前をここまで追い詰めちまったのは、気づけなかった俺たちの責任だ。悪かったな、瀬戸」
「いいんですよ……。白河さん達が追い詰めた訳じゃない。俺が弱かったから、こうなっちまっただけなんだから……!」
俺が、魔術師に勝てなかった。
だからいいようにされた。
それだけなんだよ。
違う、と言ったのは、高曇さんだ。
「違うよ。氷河の抱えてるものに気づけなかった事をこいつは気にしてんの。」
「俺の……?」
「白河は滅茶苦茶なやつに見えるだろうけど、結構君らメンバーの事を気にしてるんだよ。報告書を読みながらね。」
ここからは、白河さんが続ける。
「瀬戸は、怪我をして帰ってくることが多かったからな。気を付けていたはずなのに、こんなことになっちまった。」
「白河さん……。」
「だから、今ぐらいは休め。その傷を全部治してから、また頼む」
白河さんにそう言われると敵わない。
俺は俺なりにこの人を尊敬しているのだから。
「分かりました。」
俺は微笑んで答える。
高曇さんが、安心したのか笑ってくれた。
「また様子見に来るよ。氷河、退屈だろうけど、じっとしててね。」
「分かってますよ。」
「治ったら、祝杯でもどうだ?」
「いいです、俺、酒は強くないんで」
白河さんが、飲みたいだけだろうに。
この人は酒が大好きなんだから。
「白河に付き合ったら、寝れないよ?」
「そんなことはしねーよ」
「でも、島原とか真城には容赦ないよね」
「あいつらはいいんだよ。分かるから。」
二人のやり取りに笑ってしまった。
「じゃ、ゆっくりしてね」
高曇さんがそう言って、二人は部屋から出た。

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心配される氷河。





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