一次創作ファンタジー小説中心サイト。
このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ミッドナイト。
・吸血後悔
※瀬戸氷河
深夜、恭二が食事をしに俺の部屋に来る。
いつものように俺は押し倒されて、恭二に血を捧げる。
首筋に牙を向けた恭二は、そこで動きを止めた。
「ねぇ氷河。俺が血を吸うのをやめるって言ったらどうする?」
「血を吸わせるに決まってんだろ。血を吸わなきゃ恭二が死ぬかもしれないだろ」
「大丈夫だよ、俺、半分人間だしさ」
「半分吸血鬼だろ」
恭二は浮かない表情のまま、俺を見つめる。
それが俺には許せなくて、言葉を重ねる。
「吸血鬼にされたんだから、恭二は血を吸わなきゃなんない。そうでもしなきゃ死ななかったとしても狂ってしまうかもしれない。俺は、恭二が死ぬのも狂うのも嫌だ」
恭二は、なんだか泣きそうになっている。
「氷河が、その血のせいでひどい目にあってるって思ったらさ、俺の吸血も氷河にとってひどい目になるのかな、って思って。そしたら、俺は、氷河に酷いこと、してたかもって……」
ひどい目にあったのは、事実だけど。
俺が神血を受け入れたのは、恭二が求めてくれるからだ。
そんな風に遠慮なんかされたくない。
というか、恭二らしくなさすぎてイラついてくる。
気付けば恭二を殴っていた。
「ふざけんなよ、恭二!そんな風に遠慮なんかされたくねぇんだよ!」
「ひょうが……?」
恭二は、呆けたまま動かない。
俺に殴られたことに、驚いたままのようだ。
「俺は、恭二が俺の血を求めてくれるから、この血を受け入れたんだ!恭二がいなきゃ、意味ねぇんだよ……。恭二が吸ってくれなきゃいらねぇんだよ……神血なんて……!」
「氷河……」
「だから、俺を、この血を、求めてほしい……」
恭二は、軽く吹き出した。
けらけら笑いながら、再び俺を押し倒す。
「氷河、ほんと可愛いなぁ……。求めてほしいだなんて!誘ってるとしか思えないよ!」
「--誘ってるだろ、どう考えても」
俺は、さっきの言葉が恥ずかしくなって目を伏せる。
調子を戻した恭二は、勢いよく俺の首筋に噛みついた。
鋭い痛みが走る。
「い、っ……!?」
「んー、さっきはよくも殴ってくれたなー?激しく血を貰っちゃうからな、覚悟しとけよー!」
「……っ、いいぜ。やれるもんならやってみな」
「痛かったんだからなー!もー!」
-------------------
かっこいい氷河が書きたくて、さ。
PR
この記事にコメントする
最新記事
(11/10)
(05/05)
(10/08)
(06/09)
(03/26)
カテゴリー
アーカイブ
最古記事
(05/19)
(05/19)
(08/14)
(11/10)
(11/10)