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刻印編とはまた違う魔術師。


・チェインドレインの魔術師
※瀬戸氷河
俺は、鎖で手足を縛られていた。
罪人のように手首を上に吊るされて。
腕を動かそうとすると鎖の金属音がする。
「……この後が容易に想像できるな」
わざと魔術師を挑発するように言った。
どうせ俺はまた血をぶちまけるんだろう。
「十字に磔にするか、今みたいに立たせて上で縛るか、椅子に座らせて手首だけ縛るか、立たせずに手足を縛るか。悩んだんだよね」
魔術師の話は、俺の言葉とは全く関係がなかった。
「けどさ、最後に勝ったのは羞恥心なんだよね。なんかエロいじゃん。脇くすぐれるし、頭下がるし、高さ調節すれば膝たちとかさせられるし。そう、今の君はエロいんだよ。憎いねぇー」
「嬉しくねぇけどな」
にやにやと笑いながら、俺に近づく魔術師。
俺の肩に手をかけ、妖しく笑う。
「後は疲れさせれば最高かな。しかし、僕はあまり荒っぽい魔術は得意じゃないんだ。僕が得意なのは、吸収だけだからね」
魔術師がそう言った途端、体に力が入らなくなった。
魔力が吸収され始めている。
少しでも暴れて、魔術師から離れようとする。
「離せ……ッ!」
「わっ、ダメだよ……」
魔術師は、俺の腹に膝蹴りを入れた。
想像していなかった威力だ。
「ぐ、ぁ……っ!?」
「やめてよ、抵抗は」
痛みに腹を曲げる。
すぐに顔をあげ、魔術師を睨む。
「てめぇ……なにが……荒っぽいのは、得意じゃねぇ……だよ……」
俺の肩に手をのせたまま、魔術師は言う。
「荒っぽい魔術は得意じゃないんだ。別に物事とは言ってない。」
屁理屈だろ、と毒づいても魔術師は、笑うだけだった。
ようやく魔術師が俺から離れた。
「魔力はもらったよ。後は、細工をして……」
そして魔方陣を描く。
何の魔方陣だかは、容易く想像できる。
まだなにかを吸い上げる気だろう。
「んじゃーねー」
ひらひらと手を振って、魔術師は牢を出る。
いなくなってからも、魔力がゆっくり奪われていくのが分かる。
このままでは、体力まで奪われる。
早く、逃げ出さねぇと。

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束縛好きだ。





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