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フルーツタルトラブストーリーの四話です。

※井是黒束
高崎さんがまた怖い屋敷調査の依頼を持ってくる。
一体いくつの怖い屋敷があって、どうして高崎さんはピンポイントでそれを拾ってくるのか。
菅谷さんも巻き込まれていたようで、二人で溜め息を吐いた。
「どーしてまたこんな依頼なんですかね」
「高崎さんってば、俺たちをビビらせるのだけはうまいんだから」
「何か言いましたかね?」
高崎さんが満面の笑みで俺たちを見る。
「ああ、準備出来たんですね」
「すっごい嫌そうですねー。強引にでも連れていきますけど。」
高崎さんが俺たちを引っ張ろうと腕を掴む。
「ふーん、ここ行くんかー」
「うわっ、莱桃さん!?」
高崎さんがしまったはずの依頼の書類を、莱桃さんが奪ってみていた。
一番驚いたのは高崎さんで、なかなかいいリアクションを見せてくれた。
「ここは、この前才臥が魔物を退治し損ねた洋館やな。」
「え、マジですか。」
菅谷さんが固まる。
「それ、俺たちも危ないじゃないですかー…」
如月君は実力のある剣士だ。
それが油断していたとはいえ、返り討ちにあったという事件はまだ記憶に新しい。
依頼を持ってきた高崎さんも知らなかったらしく、真っ青な顔をしていた。
そんな俺たちを楽しんだかのように莱桃さんがくすくす笑う。
「大丈夫、大丈夫。その魔物はちゃんと才臥と康司が片付けたんやから」
「あ、そうでしたか、よかった。」
安堵する高崎さんと菅谷さん。
「っつーことは、その魔物の残した何かがホラーにみせてるだけだろ?なら、余裕じゃねぇか。」
菅谷さんが高崎さん側にまわる。
「ええー…危ないと思うな…」
「大丈夫ですよ。ほら、行きましょう。」
二人に引っ張られるように、本部を出る。
「…いってらっしゃい」
莱桃さんが妖しく微笑んだ気がした。

「随分、綺麗じゃないですか。」
「あ、魔術を作り出すには綺麗な環境がいるって神谷さんが言ってましたよ。」
菅谷さんと高崎さんが、楽しげに話しながら、洋館を見る。
俺は綺麗な洋館の嫌な雰囲気にびびっていた。
「ちょっと二人とも…」
「どうしました井是さん?」
高崎さんがきょとんとした表情で振り向く。
「ここ、やばいですって。まだなんかいますって」
「大丈夫ですよ、井是さん。何があっても俺が守りますから!」
菅谷さんが俺の手を取る。
高崎さんは菅谷さんに呆れつつも、洋館の扉を開けた。
「さぁ、さっさと終わらせますよっ!」
菅谷さんは意気揚々と洋館に入っていった。

「まだ血がついてるな…」
菅谷さんが足元の血を調べる。
足元には緑と赤の血が残されていた。
「…二人がここまで苦戦してたとはね」
「本当に無事で良かったよ」
高崎さんと俺は血の後を避けて進む。
「地下に行きましょうか。」
高崎さんが地下への階段を降りる。
「どうして地下なんですか?」
俺が聞くと高崎さんは答えた。
「神谷さんに、魔術についていろいろ聞いたんです。きっとここの魔物が残した魔術が異変の原因でしょうから。」
「で、それが地下だと」
「魔術を作るには静かで綺麗な環境がいるんだそうです。それを満たすのは大体地下なんですよ。」
階段を深く降りると、確かに魔方陣が描かれた怪しい部屋があった。
「開きませんね…どいてください、斬りますから」
高崎さんが両手剣を構える。
「高崎さんも強引になりましたねー」
「誰のせいですかねっ!」
高崎さんが魔方陣を斬るように扉を斬る。
「うわ…っ」
部屋の中は、大量の薬品とぶちまけられていた緑の血だらけだった。
「気持ち悪いですね…この部屋は」
嫌悪を抱きながらも、部屋を調べる。
「多分、これでしょうかね」
高崎さんが一つのビンを手にする。
「それは…?」
「多分未完成の魔術ですよ。如月君曰くここは三流魔術士の屋敷みたいですから。」
と、高崎さんがくすりと笑う。
「…っ、井是さん!」
いきなり菅谷さんが俺を突き飛ばす。
そして何かにショットガンをうちこむ。
「菅谷さん…?」
「どうやらそれは外れみたいですよ…!」
「…みたいですね」
高崎さんもビンを捨て、両手剣を構える。
遅れて二人が見たものを見ると、緑の血にまみれたものが動きだしていた。
慌てて銃を構える。
「三流魔術士が実験で失敗したものか…?」
「そんなのどうでもいいだろ…。井是さんに手を出そうとしたことを後悔させてやるよ!」
菅谷さんが、再びショットガンを打ち込む。
だが反応はなく、菅谷さんに向かってガラスの破片のようなもので切り掛かる。
「…つっ!」
高崎さんが庇い、少し血が流れる。
「大丈夫ですか…?」
「このぐらいならいつもの事だろ…っ!」
俺もライフルを構える。
頭でも狙えばどうにかなるだろ…!
「…当たれっ!」
頭を狙い撃つ。
頭を吹き飛ばしたら、さすがに動かなくなった。
「考えましたね、井是さん」
「いや、勘ですよ…」
高崎さんが、俺の肩を叩く。
「さて、きっとこいつだし帰りますか。」
高崎さんが身体だけの死体を踏み越える。
菅谷さんもあえて踏み付けるように越える。
俺も死体を踏み越え、階段を上がろうとすると背後から死体が起き上がっていた。
「てめぇっ!」
いち早く気付いた菅谷さんは、蹴りで死体を倒すとそこにショットガンを打ち込んだ。
そして、本当に動かなくなった死体に舌打ちする。
「…ったく、井是さんに手を出すなっつったのに」
「あんなのが聞くわけないでしょう…」
高崎さんが呆れ気味に答えた。

-----------
ちょっと長くなりましたが、一本にしましたよ。
菅谷の井是好き具合が加速した。
これは井是&菅谷&高崎の部類です。
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