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ロストメモリーズの一話です。

※篝祇亜須磨
俺たちは大盗賊である二人を捕まえた。
警察のような仕事はあまりしないはずだが、神崎さんや鹿屋さんが二人を捕まえたので、俺と白河さんと小浜さんが事情聴取みたいな事をしている。
「で、名前は?」
「赤塚理堂です…」
「そちらは?」
「古川宇美です…」
二人が俯いたまま答える。
「で、どうやって盗んでいたんだ?」
「簡単ですよ、人を騙すだけですから。ほら、『ね、簡単だろ?』」
ほら、と彼が言った後からの声が俺と全く一緒だった。
白河さんがほう、と感嘆の声を上げる。
「こうやってれば、簡単に物が盗めるんだよ。」
「そりゃ、簡単だろうね。彼らは変装もうまいと言いますから。」
小浜さんも頷いて答える。
「で、古川さんは?」
「私はお手伝いをしただけです。理堂もさすがに女声は出せないので…」
「まさかの弱点ですね…」
俺が呟くと、小浜さんがいや、と首を振る。
「赤塚理堂なら出せたはずだよ。リスクが大きいだけでしょ。」
見破られた赤塚は、ははっ、と軽く笑った。
「さすが騙し屋。人を騙し騙されないための情報は有り余ってますね」
「それ、誉めてるかな?」
小浜さんも皮肉で返す。
「まぁいい。俺たちはこいつらをどうするかが問題なんだよ…」
白河さんが頭を抱えた。
「やっぱり警察の真似事なんざ出来るわけねぇ!お前等、監獄が嫌ならここで働け!」
二人は揃って嫌な顔をする。
「本部って魔物退治専門だろ?俺等には向いてねぇよ。」
「そ、そうですよ!」
しかし、白河さんは屈せずにやりと笑う。
「いーや、こっちでなんか鍛えさせてやるから安心しろ。さぁ、どうすんだ?」
「「断ります!」」
後で引き取らせる予定でここにいた後ろの警察の方から声がした。
俺たちが気付いて、振り返る頃には二人は逃げ出していた。
今まで答えていたのは、すり替えられていた警察だった。
「もう、聞くもん聞いたろ?俺たちも収穫があったからよ!」
「さよならですー!」
「やられた…っ!」
小浜さんが咄嗟に投剣を投げた。
二人はするりと避ける。
「声を記憶されたって事ですか…」
「ああ、またあいつらに絡む時は俺たち三人に化ける可能性がある。」
白河さんも舌打ちをする。
「ここまでやり手だとは、思わなかったね…。」
小浜さんも、口惜しそうにしていた。
「お、もう終わったんすか?」
そこに島原さんが通りかかる。
「あ、洋斗。」
小浜さんは先程の口惜しそうな表情から、一変して軽く笑う。
「なんすか、さっきの取り逃がしたんすか」
「ああ、さすがにあそこまで似せられてはな…」
島原さんも溜め息を吐く。
「黒葉がいながら、情けねぇ…」
「ちょっと待って。僕のせいなの?」
小浜さんが島原さんに問い返す。
「当たり前だろ。お前、疑り深さは一流なんだから」
「言われようひどくない?」
島原さんと小浜さんは、仲が良い。
島原さんが言うには、殺されかけ続けてたまったもんじゃねぇというが、それでも彼の表情は楽しそうだった。
「まぁ、取りのがした事は忘れるか。」
白河さんが、思い切り伸びをして、自分の部屋へと戻った。
「僕も帰るかな」
「そんなら、行くぞ。黒葉。」
二人も部屋へ戻った。
…俺もかえろ。

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大盗賊は今後出せるのか?
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