忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

何物にも捕われないジャンルこそSSだ。


BLじゃない!ギャグだ!
かつてのハードスクラップショー3です。

・神風天城
※大浦丙
「よっしゃ、やるぞ丙」
「あーもー……なんで俺なの?」
芳示が俺を呼び出して、魔物討伐に付き合えと言われた。
暇だったので、それを引き受けるとすぐに本部を出た。
芳示が氷河と恭二を誘わない理由は、実に想像しやすい。
うざいからだ。
あいつら二人揃うと、ずっとイチャイチャしてるからな……。

「で、何処なのさ、それ」
芳示の持つ依頼書類を覗き見て聞く。
「ああ、荒野あたりの屋敷の三流魔術師だとよ」
「最近、多いね。魔術師が魔術の制御に失敗して魔物になる依頼」
最近は人が魔物に成り果てたものを討伐する依頼が多い。
純粋に凶暴化した魔物を退治する依頼もあるが、数が圧倒的に多いのは魔術師が魔物になる依頼だ。
「確かにな。何で魔物になりたがんのか分かんねぇもんな。」
「なりたがってるわけじゃないはずだけど……。今度、神谷さんに魔術講座でもしてもらおうか。」
「何で、神谷さんなんだよ。本職は莱桃さんだろ?」
芳示が疑問をぶつける。
確かに神谷さんは、魔族で魔術の扱いにも長けているけど、魔術師ではない。
「莱桃さんが、素直に教えてくれると思う?」
「……悪かった。」
性格までは考え切れてなかったみたいだ。
莱桃さんは、偉大な魔術師でありながら癖のある人だから、素直に教えてくれるとは思えなかった。

荒野の外れに半壊の館があった。
「あれ、もう魔物になりやがったか?」
芳示が嬉しそうに呟き、マグナムを構える。
そう、彼は戦闘狂です。
「魔物になられたら俺不利だなー……」
俺は人間から身を守る武器しかない。
だから、本当は氷河や恭二がいてくれると嬉しいんだけど、芳示が嫌がるだろうな。
「大丈夫だって、そしたら俺がなんとかすっからさ!」
芳示が楽しそうに館の中に入っていった。
「……どうして荒野に館があるんだろ」
魔術師は自然と共存だとかいって、森に建てるのが普通なんだけど――
「かかったな、本部の狩人が!」
討伐対象の魔術師が、芳示に魔術を放つ。
「ほら丙、まだ人間じゃねぇか!さっさと構えろ!」
先ほどの魔術を回避した芳示が、狂戦士として楽しそうに盛り上がっていた。
「あ、うん、分かった」
俺も武器である毒針を構える。
人間相手ならまだこの毒は通じるはずだ。
「さぁ、かかってきやがれ!」
芳示が挑発すると、魔術師はすぐに襲い掛かってきた。
「ちょっ、と、芳示!挑発しないでよ」
「何だよ、相手にやる気がねぇと面白くないだろ?」
「そんなの芳示だけだよ……」
魔術師の攻撃を躱しながら、針を刺す。
刺されば動けなくなるはずなんだけど、魔術師にその様子はない。
「丙!あれだ!――なんか機械がある!あの野郎、科学に頼りやがって!」
芳示が指差したのは、箱のようなものだった。
……俺、機械詳しくないから。
そしてすぐに芳示が壊してしまった。
すると、魔術師の動きが止まった。
「き、さまら……ぬぬぬぬ……ああああああ!」
魔術師が魔物と化す。
理性をなくしたようで、凶暴化している。
俺たちは魔物と化していく魔術師を見て呆然とする。
「「……やっちまった」」
同時に後悔した。

「よし、逃げんぞ、丙!」
芳示が全速力で逃げ出した。
「え、逃げたらまずいって!」
それを追い掛けるように魔術師から逃げる。
「――分かってるよ!くそっ!」
芳示が一番気にしていたみたいで、珍しく焦っていた。
「そこに俺、参上!」
突然、魔物が切り裂かれる。
そして、かっこいいのか分からない謎のポーズをとる。
芳示は、その救世主を叩いた。
「――なに邪魔してくれんだ、こら!」
「いってぇ!?何で!?助けてやったんじゃん!」
救世主――もとい恭二は、騒がしくこの不条理を訴えていた。
「うっせぇ、こっから俺の快進撃だったってのによ!」
「何処がだよ!どう見たって打ち止めって雰囲気だったっしょ!?」
「雰囲気に惑わされるな!」
ぎゃーぎゃーと騒いでもめる二人を見ていると、後ろから軽く肩を叩かれる。
「あ、氷河。任務終わり?」
「まー、そんなとこだな。」
「お疲れ」
氷河は、あの二人を見て苦笑いしていた。
「あいつら……よくやるよ」
「芳示、ああ言ってるけど、本当は助かったって思ってんだろうな」
「だろうな。芳示はあんまそゆこと言わないし。」
恭二曰く、芳示は滅多にデレない。らしい。
でもそこが面白いと言っていたので、あの子供みたいなやり取りも楽しんでいるんだろうな。

-----------
天城芳示は特攻野郎です。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]