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氷河ヒロイン化企画。
恋愛かどうかはさておき、絡まれるのはヒロインの特権。

今回は茅野。


・神血
※瀬戸氷河
壊された町の壊された教会。
屋根は半壊で、ステンドグラスに月光が入る。
扉も壊され、残るのは広い広間と乱雑に並べられた少しの長椅子にグランドピアノ。
それは、俺の故郷に似た教会だった。
けれどここは、俺の故郷ではない。
似てるだけだ。
屋根の残る端にあるグランドピアノに手を掛ける。
きっとこいつは音を鳴らさないだろう。
「何をしているのです!」
怒鳴り声がした。
声のした方を見ると、茅野がいた。
茅野も俺に気付いたようで、あら、ととぼけた声を出す。
「貴方は氷河さん?」
「何しに来たんだよ」
「それはこちらのセリフよ。」
茅野は何やら大荷物を抱えていた。
それをステンドグラスの下に置く。
「俺は、任務だからな。」
「また人殺しなのね」
茅野が冷たい声音で呟く。
「私は、教会の巡礼なの。」
「こんな教会でもか?」
「ここは、魔物に襲われる前は、立派な教会だったそうなの。後学の為にも見てみたくてね。」
確かにここは広い。
俺の故郷よりも、街の教会よりも。
茅野が、ステンドグラスを見る。
彼女にしか分からない何かがあるのか、彼女は圧倒されていた。
「さすが、大教会……綺麗だわ……」
ピアノの近くの長椅子に座る。
「貴方は、教会に来ないの?」
「恭二が駄目なら無理だ」
「貴方は貴重な人間なのよ。神血、というのは神に愛された血。神に与えられた治癒術と光属性。ねぇ、貴方は神に愛されているのよ。だからこそ、神へこのご恩を返さなくては」
「いいんだよ。俺は愛されてるなんて思わない。」
「そう」
茅野が悲しそうに、呟いた。

ふいに足音がした。
同時に扉の方に振り返ると、男がいた。
「……あれあれ、こんな所に人がいますよー?しかも嫌な匂いの人間が二人も!これは殺すしかねぇですな!」
男は、暴風を起こす。
かつての小さな破片が、全てこちらに襲い掛かる。
「魔術師……っ!」
茅野が、一歩後ずさる。
教会に保護された修道女は、戦う術をもたない。
天使に保護されている限り必要ないからだ。
教壇の傍に立て掛けてある杖を取り、茅野の前に出る。
「貴方……っ!」
「いいから下がってろ!」
魔術師がナイフを抜いて、こちらに斬り掛かる。
杖でそれをガードする。
そのナイフを見た途端に、茅野が叫ぶ。
「そのナイフは、教会の聖なるナイフよ!彼は、教会の人間なんだわ!」
魔術師はさらに怒りを顕にする。
「教会、教会なぁ……俺を裏切った教会の事かっ!」
「裏切った!?教会がそんなことするはず無いわ!」
「っるせぇ!」
魔術師が俺から茅野に狙いを変える。
「きゃ……っ!」
躱そうとするも、茅野は石につまづいて転んでいた。
「ひゃははははっ!死ね!」
魔術師がナイフを茅野に突き刺そうとする。
その前に庇う。
「ぐ、ぅっ……!」
脇腹にナイフが刺さる。
「氷河さん!?」
茅野が驚いて駆け寄ろうとする。
その前に魔術師を蹴り飛ばす。
その衝撃にも耐え切れず、腹を抱えてうずくまる。
「なんで……!なんで、私を!」
「お前は、俺だからかな」
「時々貴方は分からないわよ……っ!」
何故か怒られた気がする。
-----------
前後にしますよ!

かっこいい氷河。
唯一のノマカプ。
しかし、彼が恋するのは吸血鬼。

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