忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

小休止な話。


・自炊ウォーカー
※瀬戸氷河
「そういや、氷河って料理うまいのか?」
食堂で宮代さんに聞かれた。
宮代さんは、器用になにか料理を作っている。
「自炊レベルだけど」
「なら、俺のが上だな」
「宮代さんには、勝てないだろ」
「ははは、そりゃそうかもな」
コップにあった水を飲み干す。
「んで、急にどうしてそんなことを?」
聞いてみると、宮代さんはくすりと笑った。
「なんとなく、だよ。でも、自炊できるに越したことはねーだろ。」
「そりゃ、そーだけど」
宮代さんが、キッチンから出てくる。
そして、俺の目の前にオムライスを置いた。
「これは?」
「たまには愛のあるものを。ま、治療費ってとこだな」
宮代さんが、ケチャップでハートを描く。
「反省してたのか……」
「当たり前だろ。俺が来る度に呆れたようにため息つかれちゃな。」
宮代さんは、暴れるのが好きな人だ。
そのせいで、毎回無茶をしては大怪我をして帰ってくる。
それを治癒する身になってみろと何度思ったか。
「そりゃ、毎回体に穴を開けてくるからだ。治癒術ってのは疲れるんだからな」
「だから、愛のあるものをってわけで、飯つくってやったんだろ」
「ありがたくもらうけど」
あえてハートを崩してから、一口食べる。
「……やっぱりうまいな。宮代さん、シェフになったら?」
「シェフじゃ暴れらんねぇだろ」
この病気がなければいい人なのに。
宮代さんのオムライスは、すぐに完食した。
一息つくと、宮代さんが俺を呼ぶ。
「あのさー、氷河」
「なんだよ」
「手料理ってのは、モテる要素らしいぜ?」
「はぁ?」
宮代さんが、ニヤニヤ笑いながら続ける。
「だからー、お前が料理を作ってやりたいなー、って思うことはないわけ?」
「ねーよ!だいたい俺、自炊レベルだけどって言っただろ!」
「人を殺すほどじゃないだろ?なら、一回くらい作ってやったらどーよ?恭二とか芳示あたりに。」
人を殺す料理ってなんだよ……。
宮代さんの珍しいボケか?
「なんでチョイスがその二人なんだよ」
「一番喜びそうだから」
「そうか……?」
「気になんならやってみろって」
「んー……考えとくわ」
「それでいい」

------------------
小休止。
宮代さんといったら料理話。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]