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氷河苛め祭。


いい役を演じる吸血鬼。

・吸血鬼の気まぐれ
※瀬戸氷河
「姫君……」
深夜、部屋で寝ていると吸血鬼が部屋に入る。
静かに音をたてずに入る吸血鬼。
しかし、気配に気づかない俺じゃない。
吸血鬼が、俺に馬乗りになった所で銃を額に向ける。
「ほう……」
吸血鬼が感嘆の声を出す。
「……脅しにもならねぇか」
「ああ、そんなものでは死なないからね……。」
吸血鬼が、俺の首筋にまで迫る。
しかし、そこで止まる。
「姫君、呪われているね」
「な……!」
吸血鬼、レイゼーが指摘する。
「神血とはいえ、呪われた血を吸うのは、こちらにも呪いが移りかねない。しばらく半吸血鬼に血を吸わせるのは控えたまえ。」
「あ、ああ……分かった」
レイゼーに指摘されるなんて、珍しい。
「しかし、醜悪な呪いだ。姫君を呪う輩なんて直ぐ様殺してやるのだがな……!」
レイゼーが珍しく苛立ちを見せる。
「レイゼー、お前……」
「私は姫君を愛しているからね。姫君になにかをしたと言うなら殺してやるさ」
そういいつつも、レイゼーは俺の身体に触れる。
「だから、今日は……姫君の身体を頂こうかな」
「レイゼー、おい……!」
レイゼーがじわりと俺の素肌に触れる。
そうやって俺に触れるのは、こいつと恭二ぐらいのものだ。
「ふふ……いつも思うが美しい白い肌だな……」
「やめ……っ!」
「血が吸えないんだ……このぐらいのことはさせてくれ」
「おまえに、血をやった覚えはねぇよ!」
「……そうだったかな。ああ、このような美しい身体が呪われているなんて……!」
「く……っ」
声を殺す。
またレイゼーに弄ばれる。
いい役の振りした吸血鬼。
------------------
ちょっといいやつレイゼー。
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