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氷河苛め祭。

フローズンアビス編。

氷魔王の魔術師。

・フローズンアビスの魔術師
※杜矢上月
塔の最上階を目指す。
幸いか最初の広間と、僕の探している部屋しかフロアはないようだ。
あの魔術師は、神谷さんが押さえている。
「杜矢さん!」
鹿屋さんが、氷河を抱えながら僕を呼ぶ。
きっと確認をしたいのかもしれない。
察して僕は答える。
「上に闇魔術の魔方陣があるはずです!それさえ壊せば、氷河が目覚めるかもしれません!」
鹿屋さんは、無言で納得して上る。
氷河は氷で光で、闇は光に弱いのだから。
パワーバランスさえ壊せば、いい。
最上階にたどり着くと、予想通り魔方陣があった。
外周に紫の炎が点されている。
「杜矢さん、どこで気づいたんです?」
「そうですねぇ……塔の構造からですかね。」
塔をつくるということは、天に近い場所になにかが必要だからだ。
のぼってから分かったが、氷河が浸けられていた氷柱は、この魔方陣の中央だった。
恐らく魔術師は、氷特化の魔術師なのだろう。
闇属性は彼の本分じゃない。
鹿屋さんが、氷河を安全そうな所に置いてから、小刀を抜く。
「……火を消せばいいですかね」
と、いいつつすでに鹿屋さんは、動いていた。
火消しは彼に任せて、僕は氷河の腕をとる。
「そうですね、後は……」
ごめん、と小さく謝り、彼の腕に軽くナイフを入れる。
神血。パワーバランス変更の鍵はやはりこれだ。
その紅い血をナイフに付ける。
「うーん、僕にも治癒できたらバレないのに」
治癒術がない代わりに僕には人を騙す術がある。
魔術師がやりましたーとかいえばいい。
「杜矢さん!」
鹿屋さんが、僕を呼ぶ。
魔方陣の中央に神血のついたナイフを突き立てる。
これでパワーバランスが変更されただろう。
光の力が上回ることだろう。
「ふん、その程度か」
背後から声がした。
魔術師が氷河を人質にとるかのように、抱えていた。
腕で首を絞めるかのように。
「上月!」
遅れて神谷さんがやってくる。
「私の塔の魔方陣に気付き、破壊するとはな。驚いた。」
「そうですか……。」
僕はナイフを構える。
氷河がとられている以上動けない。
「私は、この通り凍らせることしか出来ない。」
そう言いつつ、氷河を凍らせ始めた。
「お前!?」
「神谷さん!」
神谷さんが、斧できりかかろうとするが僕が、僕が止めた。
「う……」
小さな呻き声がした。
氷河が目を覚ました。
「……んだよ、まだ凍らせたりねぇ、のか?」
氷河が魔術師の腕を掴む。
その腕が凍り始める。
「氷河!なにしてんですか!」
呪われた身に魔術師を凍らせるほどの魔力があるとは思えない。
呼び止められた氷河は、僕らを見て驚く。
「なんで杜矢さんと鹿屋さんが!?」
「そんな余裕が貴様にあるのか」
魔術師が氷河を凍らせる速度が早まる。
「……ッ!」
「そこに伏兵、参上!」
神谷さんが、魔術師の横から突き飛ばす。
耐性を崩し、氷河を手放した所に、僕が氷河を抱える。
「恐ろしいほど冷たっ!」
「凍らせられてたんだから、当たり前だろ……」
氷河が僕の首に回すように手を伸ばす。
「体温、貰うからな……」
「ひいいっ!?首だめです、冷たい冷たい冷たい!」
ひたりと氷河の腕が僕の首筋に当たる。
氷をつけられているかのように冷たい。
「氷河!僕になにか恨みでもあります!?」
「杜矢さんはー、特にないけど。」
「だったら、なにこの嫌がらせ?」
「あったけぇ……生き返るー……」
「そりゃそうでしょうね!」

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氷河が 、かわいい……?
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