氷河ヒロイン化企画。

吾野編。
それと教会の話がしたい。

・気まぐれな騎士
※瀬戸氷河
「あれ、氷河じゃん」
「吾野さん……」
教会から吾野さんが、出てきた。
優衣ちゃんの一件以来、騎士を辞めたはずなのに。
「ん？ああ、顔出しに来ただけだ。」
「辞めたのに、用があるのか？」
「そーなんだよ、後輩が気になってさ」
「ふーん……」
たいして興味がないので、適当に呟く。
吾野さんが、騎士というのはあまり信じられない。
騎士にしては、適当でやたら行動力がある。
そのせいで、大事にしてしまった事もあるらしい。
火種を求め、飛び込む吾野さんに騎士は向いてないと思う。
「どうしたんだ？ぼーっとしちゃって」
「……吾野さんに騎士は似合わねぇなと思って。」
「似合ってなかったみたいだな。」
吾野さんは、肯定した。
「やっぱさ、なんかあったら関わりたい。俺の手で変えてやりたいと思うじゃん。きっと、俺は俺中心で物事が動いてほしいと思ってたんだ」
「優衣ちゃんの時は、吾野さんが中心だっただろ」
「優衣が堕ちてきた時は、とりあえず助けなきゃと思ってさ。その後すぐに匿わないと思ったんだ。んで、あんたらに頼んだんだ。」
「その時は俺も来たばっかりでしたけどね」
「そーだった。氷河も隠し事してたんだった。」
あの時の事はよく覚えてる。
白河さんに連れられた組織で、恭二を守って。
結局、秘密は明かされ俺が知らないでいたことも明かされてしまった。
「俺は、魔物にたいして恨みはないけど、本部にこれてよかったって思うよ。」
「俺もです」
ここで俺達はあることを忘れていた。
ここが教会の目の前で、俺達は全く移動していないことに。
「何をしてるんですか！」
茅野が、俺たちを睨む。
「ごめんごめん。さ、氷河、続きはなかでしようか」
吾野さんが、茅野をすり抜けて教会に入る。
茅野は、呆然と吾野さんを見る。
「……入る、ぜ？」
「もう！勝手にしてください！」
そして、扉を思いきり閉めた。
「ちょーっと吾野君、なにしてんの？」
中には天使であるセリティナがいた。
「あ、挨拶に来たんだよ。セリティナちゃん。」
「自由な騎士は、君だけだよ……吾野君。」
セリティナは、呆れるようにため息をついた。
「何を言うのです、貴女もでしょう、セリティナ」
さらに上から呆れたような声がした。
セリティナの上司であるミシア。
俺は、警戒してホルダーに手をかける。
「はぁ……。これだからあなたたちは。奔放すぎるのも困ります」
ミシアは、翼で聖堂に降りると俺に声をかける。
「今日はあなたもお客様よ。懺悔があるなら聞くわ」
「懺悔……？」
俺が聞き返すと、セリティナが答える。
「何か罪をおかしたのなら聞いてあげるってことですよ！」
「やったじゃん」
「なにが？」
吾野さんの適当なボケにつっこむ。
やっぱこの人わかんねぇ。
吾野さんが、唐突に聞いてきた。
「氷河は、騎士って何するか知ってる？」
「いいや、敵のことなんてあまり」
「騎士ってのは、修道女や町の人を助けるのが役目。優先順位は修道女－－つまり神血のが上だけど。」
「そりゃーそうでしょ。神血は貴重なんだよー？」
セリティナが吾野さんにあわせる。
「なるほど、な……」
「やっぱりここは嫌い？」
俺が苦い顔をしているのを、気にしていたのか吾野さんが聞く。
「嫌い、だよ。教会はどうも好きになれねぇ」
その言葉で何より傷ついていたのは、茅野だった。
吾野さんやセリティナは、分かっていたようで寂しそうに笑うだけだ。
「別に信仰がないのなら、それでいいのですよ。宗教はどこでも強制じゃないわ。」
ミシアが、言う。
「でも、我々天使はあなたの神血が欲しい。」
「天使なんかにやらねぇ。俺の血は吸血鬼のものだ」
「ここで、にらみ合いしなくていいだろー！」
吾野さんとセリティナが間に入る。
「互いに殺気を感じたから！怖いから！」
「それはそれは……」
「悪かったな」
「まだ怖い！」
やはり教会は俺の敵だ。
それは変わらない。
「吾野君は、どっちの味方なの？」
セリティナが吾野さんに問いかける。
答えは早かった。
「本部だな」
「だよねー、辞めたもんね、ここ」
「そう、今の俺は、本部の隊員なんだぜ」

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吾野は自由奔放が似合う。
風来人とか。
事件を求めているので、ダメですが。

天使は、メガテン意識しているのでいいやつなわけがありません。