武器名決定記念SS

瀬戸氷河編。

・フィンブル＆ルミエール
※瀬戸氷河
莱桃さんに呼ばれて、研究室に入る。
そこには、満足気な表情をした神崎さんと二丁の装飾銃が用意されていた。
「魔弾が撃てる銃作ってやるって言うたやろ？出来上がったから、持っていきや」
「ありがとう、ございます」
青い装飾銃を手に取る。
軽い。俺好みの軽さだ。
「あ、氷河好みに調整しといたから、使いやすいはずだ。魔弾以外は全て科学仕様だからな！」
どや顔で科学の部分を強調する神崎さん。
もう一丁も手に取り、見つめる。
「……これが新しい技術、か」
恭二を守るための、力。
魔術を得たとも言えるだろう。
「『フィンブル＆ルミエール』ってどや？」
「え？」
「その銃の名前や。氷河はあんまりそういう愛着わかんと思うけどな、一応名前付けといたろと思って。」
「そーだなー。ただの銃器って簡略された英単語しかないからなー。」
装飾銃『フィンブル＆ルミエール』。
フィンブルは、氷のなんかの意味で、ルミエールは確か光という意味だ。
呆れるぐらい単純だが、分かりやすい。
「フィンブルとルミエール、か……。気に入った。」
「じゃー、決まりやなー」
「メンテとか改造は俺に任せてくれよ！」
「じゃ、貰っていきますよ」
二丁を手に取ると、莱桃さんが弾を俺に渡す。
「魔術仕様のせいで、マガジンにするとかできなかったんよ。堪忍な。」
その弾を見つめる。
普通の弾と変わりがあるようには見えない。
神崎さんが付け加える。
「魔弾で魔術を発動するにも集中力がいるようだから、マガジンでなくて正解だったと思うけどな。連射性能は引いてあるからなー」
「分かりました、覚えときます。」
神崎さんに魔弾の詰まった小箱を貰い、二丁を手に、研究室を出る。

という昔話を思い出してしまった。
いまや愛銃となるぐらいの活躍を見せている。
「フィンブル＆ルミエール……か。」
フィンブルに弾を込める。
俺の探す連中の銃声が響く。
詰め終えると、隠れていた壁から飛び出し、足元に氷の魔弾を撃ち込む。
「どこ探してんだよ！」
「ぐっ！？足が！」
一味の足を凍らせる。
すぐに普通のハンドガンを両手に持ち、二丁同時に連射する。
「おい！ここ、やべぇぞ！魔物がいやがる！」
一味の一人がアサルトライフルを投げ出して、逃げ出した。
そいつを追いかけるように狼のような魔物が現れる。
「お、おい、逃げるぞ！」
俺を殺すつもりでやってきた連中は、皆逃げ出してしまった。
「やべぇ、な……」
俺は、投げ出されたアサルトライフルを拾い、魔物に向けて撃ち込む。
魔物には大したダメージになっていないようで、そのまま突進してくる。
「ちっ、使えねぇ！」
アサルトライフルを魔物に投げつけ、すぐに隠れる。
そして、ルミエールに弾を込め、フィンブルも構える。
「止まれッ！」
魔物の足に向けて氷の魔弾を撃ち込む。
動きを止めた。
後は集中するだけだ。
フィンブルをホルダーにしまい、ルミエールの銃身に魔力を込める。
「ルミエール！」
魔物の頭に向けて光の魔弾を撃ち込む。
光の魔術となったそれは、魔物を貫通し消し去った。
ルミエールをくるりと回し、ホルダーに戻す。
「やっぱこうじゃなきゃ面白くねぇな」

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「ライト・ルミエール」とか「フリーズ・フィンブル」なんて必殺技どうよ、みたいな話。

氷河には装飾銃と弾丸が似合ってる。
原点に立ち返ったかのように。
フィンブル＆ルミエールを同時に構えてるだけでもかっこいい。
やっぱりガンナー。