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武器名決定記念。
末沢針弥編。
末沢針弥編。
・ミステリーヴェリタス
※末沢針弥
僕はあまり戦いは得意じゃない。
専門は探検だから、銃は護身用に持っているだけだ。
今、僕の銃を弄っている彼--氷河ほど、詳しくはない。
「そういや、井是さんとかに頼めばよかったじゃないですか」
銃を解体しながら氷河が聞く。
手先が器用なのか簡単に解体されていく。
「井是さんとかはねー、詳しくないんだよ。あの人たちも護身で持ってるだけだから。」
「だからここに来たのか……」
「正直こういうの頼めるの神崎さんしかいないんだよね。」
武器の保管は皆神がしてくれるけど、改造だとかメンテナンスは神崎さんしか出来ない。
留川さんや芳示は、自己流の改造をしているらしい。
今、僕の銃を見てくれている氷河は詳しいだけで改造だとかは出来ないらしい。
「鹿屋さんとかは、頼らなくていいんですか?」
「鹿屋さんは、そこまでなんでも出来る訳じゃないよ。」
「あの人ならこのぐらい覚えてしまいそうだけどな……」
鹿屋さんにしてもらったのは、この武器の名前を貰ったぐらいだ。
それは何だか武器の名前をつけようなんて風潮が流行った時のことだ。
僕の部屋に来た鹿屋さんが、僕の小銃を手に取った。
「そういえば、末沢は何か付けないんですか?」
「全然思い付かなくてさ……鹿屋さん、いいアイデアない?」
僕が聞くと鹿屋さんは、しばらく考え込む。
やがて単語を口に出す。
「ミステリー・ヴェリタス、なんてどうです?」
「ミステリー・ヴェリタス?」
「ええ。不思議の真理だとかそんな意味だと思ってください。」
「へー……」
ミステリー・ヴェリタス。
僕には鹿屋さんに名付けて貰えるだけでも嬉しいのに。
意味までも僕らしくて、鹿屋さんは、僕のことを本当に分かってるって思えて更に嬉しくなる。
「じゃ、それにします!鹿屋さんが付けてくれた名前だから!」
「それはよかった。大事にしてくださいよ?」
「はい!」
という昔話を思い出してしまった。
「末沢さん、急ににやついてどうしたんです?」
いつの間に銃を組み立て直していた氷河に聞かれる。
「それね、ミステリー・ヴェリタスって言うんだ。鹿屋さんが付けてくれたんだよー」
「へぇー。鹿屋さんが付けたのかー……」
氷河が悪戯っぽく笑う。
「なら、大事なもんだな、これは」
「そ、そうだよ!」
ミステリー・ヴェリタスを返される。
氷河がくすりと笑う。
「俺より使う場面ないんだから、大事にしてくださいよ」
「そういや氷河はうまいんだよね。銃使うの」
「俺は、魔術に助けられてるだけですよ」
氷河の武器であるフィンブル&ルミエールは、装飾魔銃だ。
でも、そんな特殊能力がなくても氷河は強い。
撃つのに迷いがないから。
僕はまだ引き金を引くのに迷いがある。
人を殺せるか殺せないか。
覚悟があるのかないのか。
これだけの差にすぎない。
「末沢さんは、気ままな探検家でいいんですよ。俺みたいに人殺しになることないんだ。」
でも、それだと鹿屋さんに人殺しを押し付けることになる。
僕はずっとそれでいいとは思えない。
「僕だって強くなりたいんだよ」
「鹿屋さんの為にか?」
「……氷河だって恭二の為だけに無茶してるくせに」
「俺は、そう決めたからな」
氷河の意思が強い。
何だか気ままな僕がみじめだ。
「なんかずるいよ。僕の後輩の癖に」
「守られてるのが似合う人だっているでしょう」
「氷河のことだね?」
「俺じゃないです」
「実際危なっかしいけどね」
「……分かってる」
「分かってないのに」
-------------------
受けトーク、武器トーク、銃トークを満たしている?
※末沢針弥
僕はあまり戦いは得意じゃない。
専門は探検だから、銃は護身用に持っているだけだ。
今、僕の銃を弄っている彼--氷河ほど、詳しくはない。
「そういや、井是さんとかに頼めばよかったじゃないですか」
銃を解体しながら氷河が聞く。
手先が器用なのか簡単に解体されていく。
「井是さんとかはねー、詳しくないんだよ。あの人たちも護身で持ってるだけだから。」
「だからここに来たのか……」
「正直こういうの頼めるの神崎さんしかいないんだよね。」
武器の保管は皆神がしてくれるけど、改造だとかメンテナンスは神崎さんしか出来ない。
留川さんや芳示は、自己流の改造をしているらしい。
今、僕の銃を見てくれている氷河は詳しいだけで改造だとかは出来ないらしい。
「鹿屋さんとかは、頼らなくていいんですか?」
「鹿屋さんは、そこまでなんでも出来る訳じゃないよ。」
「あの人ならこのぐらい覚えてしまいそうだけどな……」
鹿屋さんにしてもらったのは、この武器の名前を貰ったぐらいだ。
それは何だか武器の名前をつけようなんて風潮が流行った時のことだ。
僕の部屋に来た鹿屋さんが、僕の小銃を手に取った。
「そういえば、末沢は何か付けないんですか?」
「全然思い付かなくてさ……鹿屋さん、いいアイデアない?」
僕が聞くと鹿屋さんは、しばらく考え込む。
やがて単語を口に出す。
「ミステリー・ヴェリタス、なんてどうです?」
「ミステリー・ヴェリタス?」
「ええ。不思議の真理だとかそんな意味だと思ってください。」
「へー……」
ミステリー・ヴェリタス。
僕には鹿屋さんに名付けて貰えるだけでも嬉しいのに。
意味までも僕らしくて、鹿屋さんは、僕のことを本当に分かってるって思えて更に嬉しくなる。
「じゃ、それにします!鹿屋さんが付けてくれた名前だから!」
「それはよかった。大事にしてくださいよ?」
「はい!」
という昔話を思い出してしまった。
「末沢さん、急ににやついてどうしたんです?」
いつの間に銃を組み立て直していた氷河に聞かれる。
「それね、ミステリー・ヴェリタスって言うんだ。鹿屋さんが付けてくれたんだよー」
「へぇー。鹿屋さんが付けたのかー……」
氷河が悪戯っぽく笑う。
「なら、大事なもんだな、これは」
「そ、そうだよ!」
ミステリー・ヴェリタスを返される。
氷河がくすりと笑う。
「俺より使う場面ないんだから、大事にしてくださいよ」
「そういや氷河はうまいんだよね。銃使うの」
「俺は、魔術に助けられてるだけですよ」
氷河の武器であるフィンブル&ルミエールは、装飾魔銃だ。
でも、そんな特殊能力がなくても氷河は強い。
撃つのに迷いがないから。
僕はまだ引き金を引くのに迷いがある。
人を殺せるか殺せないか。
覚悟があるのかないのか。
これだけの差にすぎない。
「末沢さんは、気ままな探検家でいいんですよ。俺みたいに人殺しになることないんだ。」
でも、それだと鹿屋さんに人殺しを押し付けることになる。
僕はずっとそれでいいとは思えない。
「僕だって強くなりたいんだよ」
「鹿屋さんの為にか?」
「……氷河だって恭二の為だけに無茶してるくせに」
「俺は、そう決めたからな」
氷河の意思が強い。
何だか気ままな僕がみじめだ。
「なんかずるいよ。僕の後輩の癖に」
「守られてるのが似合う人だっているでしょう」
「氷河のことだね?」
「俺じゃないです」
「実際危なっかしいけどね」
「……分かってる」
「分かってないのに」
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受けトーク、武器トーク、銃トークを満たしている?
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