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氷河苛め祭。

カースオリオン編。

・カースオリオンの魔術師
※篝祇亜須磨
本部の入り口に、俺たちは集まっていた。
目の前には、黒いフードの魔術師。
氷河さんと芳示さんを抱えている。
どちらも気絶しているのかぴくりとも動かない。
「何の用だ」
白河さんが、黒フードに尋ねる。
全員武器を抜く準備はできている。
「我が名はカースオリオン。魔術師だ。」
「カースオリオン……って!」
「聞いたことありますね……。」
雨境さんと杜矢さんが、動揺する。
柊さんが、扇を手に前に出る。
「氷河の呪いの元凶だ。まさかそっちから出てきてくれるとはな……」
「私の名を知るものは、恐らく私が依頼した魔術師に出会ったものだろうな。」
「依頼……。あれ全部氷河を苦しめるためにやったの?」
丙さんも針を構える。
カースオリオンの魔術師はくつくつ笑う。
「この呪いは、神血の魔力に作用するものだからな。神血を陥れ魔力を使わせなければここまで進行しなかった。」
「……ッ!」
丙さんの表情が強張る。
「まずはこれを返そう。邪魔なのでな。」
カースオリオンの魔術師は、芳示さんを投げ捨てる。
全身を黒い炎で焼けただれたような跡がある。
「芳示ッ!」
丙さんが、芳示さんに駆け寄る。
軽く揺するが目覚めない。
「天城を治療しろ!早く!」
白河さんの命令で、柊さんと高雲さんが芳示さんを抱えて本部に戻る。
「さて、それも俺のものなんだが」
白河さんが、氷河さんを指差す。
カースオリオンの魔術師は、嘲笑う。
「神血は貰っていく!さらばだ!」
そして、バックステップで飛んで逃げ出した。
「待ちやがれ!」
緋月さんが銃を構えるが、井是さんに制される 。
そのまま逃げられてしまった。
「氷河……っ」
丙さんが、ぼんやりと呟く。
ふらふらと本部へ戻る。
木津樹さんが、俺の肩を叩く。
「亜須磨君、大浦君を止めた方がいいよ?」
「どういう意味ですか」
木津樹さんが、くすりと笑う。
「親友が三人もひどい目にあったんだよ?何をするかわかったもんじゃないと思うけど?」
「……気を付けておきます。」

氷河さんの呪いを受けた恭二さんに、先程のことを報告する。
「氷河が!?」
恭二さんがすぐに起き上がろうとするが、呪いの痛みのせいか、半身で留まる。
「ぐっ……氷河を……取り戻さなきゃ……!」
「恭二さんは、寝ててください!」
「でも!氷河は!」
「……俺が行きますから。恭二さんは、ちゃんと安静にしてください」
悔しそうに唇を噛む恭二さん。
なにも答えることなく再び寝てしまった。

芳示さんの部屋に入ると、丙さんと言い争いをしていた。
「どけ、丙!俺はあいつを……!」
「無茶だよ、芳示!やめてよ!」
目覚めた芳示さんが、また出ていこうとしてるのだ。
「うるせぇ!あの魔術師はやばい。今度こそ氷河が殺されちまうかもしれねぇだろ!」
「だからって、今の芳示じゃ無茶だ!寝ててよ!」
「ここで横たわってる場合じゃ、ねぇんだよ!」
「やめてください!」
俺が二人に割って入る。
芳示さんの傷は、まだ回復していない。
この状態の芳示さんにいかせるのはまずい。
「俺が氷河さんを助けますから。だから……芳示さんは自分を大事にしてください。」
「亜須磨なら……くそっ!」
芳示さんが、大人しく横になる。
部屋を出ようとすると、丙さんが俺を呼ぶ。
「亜須磨、俺も行く」
「丙さん……」
「行く、から。」
それは強い口調だった。

-------------------
氷河苛め最終章。

荒れてきた本部。




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