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氷河苛め祭。
カースオリオン編。
カースオリオン編。
・カースオリオンの魔術師
※瀬戸氷河
「う、っ……」
目をさますと真っ暗な洞窟のなかに倒れていた。
地面には魔方陣が描かれ、囲むように蝋燭の火が灯っている。
俺はその中央に倒れていたようだ。
起き上がり、魔方陣を見る。
この魔方陣は、所々が書き足りていない。
これでは、なにも発動しない。
それに安心して、ここを出ようと立ち上がる。
「芳示は……!」
俺を庇って、魔術師の黒い炎に焼かれた芳示。
その姿は痛々しく、呪いの影響で何も出来ない俺に苛立ちを覚えた。
「彼なら、もとの場所に返した」
「ぐぁっ……!」
魔術師の声がしたと同時に呪いの痛みが、襲いかかる。
耐えきれずに膝をつき、胸を押さえる。
「魔術師……ッ!」
俺は黒フードの魔術師を睨む。
表情すらもよく見えない魔術師は、そんな俺をみて嘲笑う。
「神血……いい眺めだな。過去、魔術師を苦しめた神の使いが、今は、私の目の前で這いつくばっている。ふふ……時代とは流れるものだな」
「また、その話かよ……!」
ハンドガンを魔術師に向ける。
「いい加減に、しろ……。俺はそんな昔の人間じゃない。恨むのは筋違いだろ……!」
「そう思うかね?」
「ぐぁああっ!」
魔術師が手を伸ばす。
それだけで、呪いの痛みが加速する。
銃弾を外し、ハンドガンを手放してしまう。
「呪術というのものは、簡単に人を殺すことが出来る魔術だ。だが、呪術は全て禁術とされている。何故か分かるか?」
「しら、ねぇよ……」
「代償が必要だからだ。人間を簡単に呪い殺す魔術だ。相応の対価を払わなければなるまい。」
そう言って、魔術師がフードを取り、コートを脱ぐ。
「……ッ!」
その中はおぞましいものだった。
髪はなく、目玉もない。
皮膚はしわがれていて、腕も足もそこにはない。
生きている方が不思議なぐらいだ。
「これが代償だ。中の気管も払って失った。」
吐き気を堪える。
意識を手放してしまいそうだ。
「やめろ……!俺に、見せるなぁっ!」
恐怖を叩き付けるように叫ぶ。
すぐにコートを着てフードを被る魔術師。
だが、見てしまったものは脳裏に焼き付いてしまう。
震える身体を自分で抱き締める。
「繊細なのだな」
魔術師が笑う。
「はっ……苦手なんだよ……そういうの」
強がって自嘲する。
だんだんと落ち着くことなく息が荒くなる。
怖くてパニックを起こしそうだ。
いや、かなり壊れているのかもしれない。
身体の震えが止まらない。
「どうして……そんな、姿に……なるまで……」
「これが私の魔術師としての生きざまだからな」
「意味、わかんねぇ……」
「だろうな」
魔術師が上を見上げる。
ちょうど開けた空間だったのか、何故か夜空がよく見える。
「もうすぐだな」
「何が……」
「私の呪術は星の力を借りている。天体、星座……。それら星の力を利用した呪術は時期がくれば強力な呪術として、起動する。」
「だから、欠けていたのか……」
「察しがいいな。それまでに逃げられても面倒だ。寝ていろ、神血」
魔術師がフードを脱いで、俺のもとに歩く。
震える身体を無理に動かして逃げようとすると、呪いの痛みが襲う。
それに耐えきれずに踞る俺に、魔術師はしゃがんで目を見せる。
失われた瞳の奥の紅い色を見た途端に、ぷつりと意識が途切れた。
-------------------
氷河の苦手なものは、グロです。
今思えば、友人が拷問ネタを書いていて芳示がひどい目にあっていたときも、氷河はぶっ壊れる寸前だったのかもしれない。
※瀬戸氷河
「う、っ……」
目をさますと真っ暗な洞窟のなかに倒れていた。
地面には魔方陣が描かれ、囲むように蝋燭の火が灯っている。
俺はその中央に倒れていたようだ。
起き上がり、魔方陣を見る。
この魔方陣は、所々が書き足りていない。
これでは、なにも発動しない。
それに安心して、ここを出ようと立ち上がる。
「芳示は……!」
俺を庇って、魔術師の黒い炎に焼かれた芳示。
その姿は痛々しく、呪いの影響で何も出来ない俺に苛立ちを覚えた。
「彼なら、もとの場所に返した」
「ぐぁっ……!」
魔術師の声がしたと同時に呪いの痛みが、襲いかかる。
耐えきれずに膝をつき、胸を押さえる。
「魔術師……ッ!」
俺は黒フードの魔術師を睨む。
表情すらもよく見えない魔術師は、そんな俺をみて嘲笑う。
「神血……いい眺めだな。過去、魔術師を苦しめた神の使いが、今は、私の目の前で這いつくばっている。ふふ……時代とは流れるものだな」
「また、その話かよ……!」
ハンドガンを魔術師に向ける。
「いい加減に、しろ……。俺はそんな昔の人間じゃない。恨むのは筋違いだろ……!」
「そう思うかね?」
「ぐぁああっ!」
魔術師が手を伸ばす。
それだけで、呪いの痛みが加速する。
銃弾を外し、ハンドガンを手放してしまう。
「呪術というのものは、簡単に人を殺すことが出来る魔術だ。だが、呪術は全て禁術とされている。何故か分かるか?」
「しら、ねぇよ……」
「代償が必要だからだ。人間を簡単に呪い殺す魔術だ。相応の対価を払わなければなるまい。」
そう言って、魔術師がフードを取り、コートを脱ぐ。
「……ッ!」
その中はおぞましいものだった。
髪はなく、目玉もない。
皮膚はしわがれていて、腕も足もそこにはない。
生きている方が不思議なぐらいだ。
「これが代償だ。中の気管も払って失った。」
吐き気を堪える。
意識を手放してしまいそうだ。
「やめろ……!俺に、見せるなぁっ!」
恐怖を叩き付けるように叫ぶ。
すぐにコートを着てフードを被る魔術師。
だが、見てしまったものは脳裏に焼き付いてしまう。
震える身体を自分で抱き締める。
「繊細なのだな」
魔術師が笑う。
「はっ……苦手なんだよ……そういうの」
強がって自嘲する。
だんだんと落ち着くことなく息が荒くなる。
怖くてパニックを起こしそうだ。
いや、かなり壊れているのかもしれない。
身体の震えが止まらない。
「どうして……そんな、姿に……なるまで……」
「これが私の魔術師としての生きざまだからな」
「意味、わかんねぇ……」
「だろうな」
魔術師が上を見上げる。
ちょうど開けた空間だったのか、何故か夜空がよく見える。
「もうすぐだな」
「何が……」
「私の呪術は星の力を借りている。天体、星座……。それら星の力を利用した呪術は時期がくれば強力な呪術として、起動する。」
「だから、欠けていたのか……」
「察しがいいな。それまでに逃げられても面倒だ。寝ていろ、神血」
魔術師がフードを脱いで、俺のもとに歩く。
震える身体を無理に動かして逃げようとすると、呪いの痛みが襲う。
それに耐えきれずに踞る俺に、魔術師はしゃがんで目を見せる。
失われた瞳の奥の紅い色を見た途端に、ぷつりと意識が途切れた。
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氷河の苦手なものは、グロです。
今思えば、友人が拷問ネタを書いていて芳示がひどい目にあっていたときも、氷河はぶっ壊れる寸前だったのかもしれない。
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