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コラボ第三弾。
学園パロディで、恋と盲目の愛にどん引きしてみる!
新入生編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

幼い大人な一年生
末沢 針弥
まつざわ しんや

※瀬戸氷河
生物部で宣戦布告をしてから、葉菊さんに連れられて時計塔に戻る。
時計塔へは、職員室の隣の空き教室の扉を開けるとすぐにその空間に出た。
「こんなとこから行けるのかよ……」
「魔術師に頼んで用意してもらったんだ。他の生徒に気付かれないような場所を探していたのでな。」
「……魔術師が、こんなとこまで関わりやがって」
「お前からしたら気になるかもしれないが、私の目的の為だ。悪く思うなよ」
「分かってる」
時計塔の空間は、独特なものだ。
時間と空間を象徴するかのような大きな歯車。
きっと大きな時計塔なのだろうが、俺にはその全景を見ることはないだろう。
小さなテーブルに置かれた装飾銃を手に取る。
フィンブル&ルミエール。
俺の世界での愛銃だ。
「……やはり、あそこの世界が恋しいか?」
「そうだな、ここでしばらく過ごしてみたが、窮屈だ。授業だって退屈だし、あいつらと話してても……」
あそこにいる連中が、丙に芳示に恭二が。
どうしても昔を思い出しちまう。
葉菊さんが、そんな思いつめた俺を見てある提案をする。
「お前の世界の奴、もう一人ぐらい編入させてやるよ」
「いいのか?」
「ああ、そのぐらいここは受け入れてやれるさ」
「そうだな……あいつらの怪異を調査するのに、俺一人じゃ苦しいからな……」
誰がいいのか、考える。
葉菊さんがにやにや笑いながら、聞く。
「お前よりもてたって噂のやつはどうだ?」
「恭二か?あいつはダメだ。すぐに女が集まってくるから」
「へぇ、随分もてるようだな」
「あいつはそういう所は完璧だよ。それなのに……」
俺の事ばかりだから。
先の言葉は口に出せず、しまいこむ。
「お前、そんな表情も出来たんだな」
「え?」
「そういう誰かを気にしてる乙女チックな表情だよ」
「……別に、いいだろ」
「認めてるのかよ、普段のお前なら吠えてるとこだぞ。」
「そこまでガキじゃねぇよ。」
「ほんとに、そうかな」
葉菊さんに見透かされていそうだ。
葉菊さんが扉を開ける。
魔術師が残していったものだろうか。
「一度、向こうに返してやるよ。お前があいつらの怪異を調査しようと宣言したんだ。戻るよな?」
と、シニカルに笑う。
その笑顔は俺を脅しているようにも見えるが。
「ああ、戻る。」
俺も答えて扉に入る。

入った先は俺の部屋だった。
……扉の前に紙が張り付けてある。
『また学園生活したくなったら、私を呼んで!すぐ行くから!  巫斗ちゃんより』
紙を破り、ぐしゃりと潰す。
ふざけんな、魔術師。
何も考えずに、俺の部屋から出る。
同じ扉を通ったはずなのに、今度はちゃんと見慣れた本部の廊下に出られた。
「お、氷河じゃねぇか」
「芳示!」
出てすぐに通りかかった芳示と再会する。
「聞いたぞ、お前あの学園にいるんだろ」
「そう。あそこの怪異の調査をしようと思っているんだが……」
「……俺の部屋、来い。そういう話はここでするべきじゃないだろ」
芳示が俺を手を引き、部屋に入れる。
懐かしい芳示の部屋だ。
「で、あそこでどうするつもりだ?」
「調査をするんだよ。核たちのような異能力者があそこにはまだいる。」
「……なるほど。敵を知る必要があるってのには、同意するぜ」
釣木学園とは同盟を組んだってわけでもない。
ただ、繋がっているだけだ。
その繋がりはいつしか魔術師によって悪用されかねない。
柊さんは、常にそれを警戒しているのだから。
「それで、俺以外にもあそこで学生をして監視をしてくれる奴を考えてるんだけど……」
「小城リリスの監視か?」
「そう。あの子は一年生らしいから、潜り込むのは難しいか……。」
「……いるじゃねぇか」
芳示がにやりと笑う。
それは悪巧みをしたときの笑みだ。
「末沢なら、背が低いし高校一年だとしてもばれやしねぇだろ」
「……いいな、それ」
俺のつられて笑う。
すぐに末沢さんの部屋に二人で向かう。
「末沢さん!」
「な、なに?」
末沢さんは、驚いている。
まぁ俺達がこの人の部屋に来るのは珍しいことだからな。
「末沢さんに、頼みがあるんです」
俺は真面目に話を切りだし、今回の話をした。
末沢さんはそれほど迷いなく簡単に答えた。
「いいよ、氷河の頼み聞いてあげるよー。潜入すればいいんでしょ?」
「ありがとうございます。末沢さん」
「でもー、その代わりにー」
と、末沢さんがくすりと笑う。
「今度、遺跡行くときに氷河も来てね?」
「……しょうがねぇな」
「ありがとー」
末沢さんと共に俺の部屋に戻る。
部屋の前に来て、芳示が足を止める。
「氷河、俺はどうした方がいい?」
「恭二もあそこに行かせたくないんだ。芳示も……待っててくれねぇかな」
「あれだろ。恭二が女の子とイチャついてるのが嫌なんだろ?嫉妬しちゃって」
「うるせぇよ!」
「ああー、なるほどねー」
末沢さんまでにやにや笑ってやがる。
いつまでも俺でからかいやがって。
「じゃ、行きますよ?」
「いいよー」
「芳賀!そこにいるんだろ?」
俺が芳賀を呼び出すと、俺の後ろから肩を叩かれた。
「はいはい?ここにいるよ?」
「うわっ!?」
驚いて手にしていた銃を突きつけてしまう。
芳賀が不快そうに顔をしかめる。
「ちょっ、やーめーてーよー、そういうの」
「……お前のせいだろ!自業自得だ!」
「まぁ、それはさておき」
ロッドをくるりと回し、俺の部屋のドアを叩く。
「はい、オッケー」
「……じゃ、行きますよ。覚悟してください。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
新たに巻き添えを増やす。
また新たな展開が始まる。

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