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コラボ第三弾。
学園パロディで、世界を知った気になってみる。
池崎藤夏編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

見えないふりした異端
池崎 藤夏
いけざき ふじか

※瀬戸氷河
池崎の案内で、薄暗い森を歩く。
俺達の知る森と違うのは、まだこちらの方が明るいということかな。
池崎は振り返ることもなく語りながら歩く。
「本当はそれぞれの人に案内してもらうのが、いいんだがな。『世界』には全てを明かすなと言われている。それは、おまえも全てを知ることはないという事だ。」
「全部知りたいわけじゃねぇよ。ただの調査だって言っただろ」
池崎がくつくつと笑う。
いちいち腹立たしい奴だ。
伊勢の友人でなかったら、手を出していそうだ。
「それすらも出来ないと言っているんだよ」
「そりゃ全てを知ることは出来ねぇよ。けど、何も知らないよりはマシだろ?」
俺自身のことだって何も知らないんだ。
全てを知ることは出来ないと、自身から学んだ、
「そういう考えか。理解出来ないな」
池崎は、興味もなさそうに答える。
俺は手に持っていたカッターをくるりと回す。
「全知全能なんてのは、幻想なんだよ。」
「『世界』は全知全能だ。」
「気に入らねぇな。その『世界』ってのは」
「そういうことが言えるのは、瀬戸だけだろうな。」
その言葉を嘲笑う。
「嫌いなんだよ。俺が俺自身のことを何も知らないってのに、知った風な事ばかりほざく奴とか。本当に全知全能の存在がいたとしても、俺はそいつを殴るな」
「……おかしなやつだ。踊らされているだけなのに」
いつの間に森を抜け、地下の街のような場所を歩いていた。
針山やら血の池やら本で見たような地獄を模した場所だ。
「なぁ、『世界』ってのは何がしたいんだよ」
「そんなの俺が知ることではない」
「……そんな答えしか返ってこないだろうとは思ってた」
「なら、何故聞いた」
「気になったから」
「分からないやつだ。」
「……うるせぇな。どうしても気になることがいくつかあるんだよ。探って悪いか。」
ここで初めて池崎が興味を示したのかピクリと反応した。
「ん?聞こうか?」
「『世界』ってのが、こんな異変を起こしているなら、何が目的なんだろうと思ってな」
「こんな異変とは?」
「本来俺はここにいるべき人間じゃない。なのに、俺はここで学生生活なんてしてるだろ。この矛盾というかなんというかの理由、とか。」
「そんなもの考えなくても分かる。赤空葉菊だ。彼女ならこの程度のこと造作もない」
「葉菊さん、か。」
リリスちゃんと閉じ込められた時に割って入ってきた謎の女性。
気づけば、魔術師と結託して俺を閉じ込めた張本人。
赤空ってのが……やはり鍵なのか。
この事件を解決するのも、混沌に陥れるも。
「目をつけられたお前が不幸なだけなんだよ。」
「……わかんない、んだよな。どうして彼女は俺に目を付けたんだろう」
俺の神血が欲しいわけでもない。研究したいわけでも、ましてや俺に恨みがあるわけでもない。
魔術師が欲しいなら未熟な俺でなくても他にいくらでもいるし、治癒術師だって茅野の方が上だ。
……茅野には、関わらせないけど。
池崎がくすりと笑う。
初めての柔らかい表情かもしれない。
「人を気に入るのに、理由がいるのか?」
「理由、か……」
そういえば核だって俺を無条件に気に入ったと言っていた。
恭二が煩かったけど、最初の事件の際はずっと核が俺の側にいた。
そんな純粋な好意は、恭二たちや本部メンバー以来で。
「どうした?」
池崎が不思議そうに声をかける。
「……慣れてない、だけなんだ。そういう気に入られ方に。」
「零一だってそういう理由だと思うが?」
「だよなー……。」
「もう、終わりだな」
「ん?」
景色が見慣れた学校の廊下に戻る。
ちゃんと学生が廊下で話しているのが見える。
「どうだった?」
「お前の事は大体分かった。」
カッターをしまう。
「ありがとな。本当に話してくれるとは思ってなかった」
「『世界』の命令だったからな。お前がどれほど本気か試しただけだ。」
「言っとくけど、大真面目だからな。俺達の世界は俺が守るんだから」
俺が、ってのは言い過ぎだと後から後悔したが。

池崎藤夏。
釣木という世界の部下であり、ファンタジーへの案内役。
現在は警戒の必要なし。『世界』の意思によっては、敵に回る可能性あり。
なんとなく、分かってる。
あいつらに悪い奴はいないってことぐらい。
けど、警戒する癖が抜けないんだよなぁ……。
ペンをおいて、ため息をつく。
「分かってるんだよ……。ここで心配することは何もないんだって」
けど、それを疑って信じきれない俺もいるんだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シリアル一個目終わり!
藤夏は話が少ないので、これ120%妄想です。
キャラがずっとつかめないままだった。
いつか零雨による補完話が欲しいぐらいです。

私からは基本的に氷河の話しかかけないんですけどもね。
氷河は偉そうな人とか貴族のようなプライドだけの人間とか神気取りのラスボスっぽい人間が嫌いです。
だから『世界』なんて如何にも偉そうなものを嫌っています。
教師も似た理由で嫌いだったりします。
逆に好きなのは、零一とかある程度馬鹿に付き合ってくれる人ですね。
恭二や核ぐらい引っ張ってくれたら尚更。
本当はバカ騒ぎとか暴れたりしたいんだけど、自分の特異な血を気にして出来なくなってる。
自分の血を過剰に気にしてるから、常に警戒気味で態度がそっけない。

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