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あせる氷河。

追われてる。

・犠牲のはて
※瀬戸氷河
俺はまだまだ未熟で弱い。
そんなの分かってることだ。
本部の地下にある練習場。
そこで一人魔術の練習をする。
弱いままじゃいられねぇ。
もっと強くならないと、力が、技があれば……。
「っ……」
焦っていたせいか俺のまわりの氷柱が割れてしまった。
落ち着かせろ、冷静にイメージをしろ。
鋭い氷柱。何者も触れられない冷たい氷。
「わっ……!?」
またしても魔力の制御がうまくいかず、壊れてしまった。
仕方ない、もう一度……。
「なにしてんだ、氷河」
上から声がした。
見上げると芳示がいた。
「芳示」
芳示は階段を降りながら、苛立たしげな口調で話す。
「また魔術の練習ってやつか?お前はいつだってそうだ。一人でなんでも抱えてやがる。」
「そ……んなことねぇだろ」
「嘘だろ、ふざけんな」
芳示がハンドガンを抜いて俺の額に向ける。
「一回試してみるか?お前がどれだけ弱いか教えてやる」
「……っ、後悔すんなよ、芳示」
俺も装飾銃を抜いて構える。
先に動いたのは芳示だった。
さっさと終わらせようとしたのか、ハンドガンの柄で殴ろうとした後に蹴りがくる。
それをガードし、上段蹴りで反撃しようとすると、足元を引っ掛けられて倒された。
起き上がろうとするも芳示が馬乗りになったせいで出来ない。
「な?お前は隙が多い。」
「……油断しただけだっての」
「言い訳すんな。今のままだとお前、死んでるぜ?」
「わかってんだよ……!」
弱いのは分かっているが、改めて言われると腹が立ってしまい、悔しさに唇を噛む。
「なぁ、いえよ。お前がそこまであせる理由をさ」
芳示の口調は柔らかいが、きっと俺が言わなかったら、殴ってでも吐かせるつもりだろう。
「俺が、一人で魔術師を返り討ちに出来るほど強くなりてぇんだよ……。俺のせいで、誰かが傷つく前に……!」
「まだ、気にしてんのかよ」
芳示がため息をつく。
「確かにお前が中心の事件ってのは、多いよな。けど、そんとき一番傷ついてんのは、てめぇだろ!」
「俺は……いいだろ……」
「よかねぇだろ!強くなんならてめぇのためにやれ!そんなときまで他人気にしてんなよ!」
散々怒鳴った後に、俺の肩を強く掴む。
「イライラすんだよ……そういうの……」
「芳示……俺はさ、お前だって傷つけたくねぇんだよ……」
「俺はそういうお前を守りたいんだよ」
「……噛み合わないな」
「俺は俺で勝手にさせてもらうぜ」
「だったら俺も俺で勝手にする。」
「決まり、だな」

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ただのいつもの話。




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