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リクエストより。

暗殺者と探検家。

・内緒の謀
※末沢針弥
最近、鹿屋さんの様子がおかしい。
僕に内緒で街の裏路地に来ては、藤野となにかを話している。
話の内容までは分からなかったが、藤野が嫌な笑みを見せていた事を覚えている。
次におかしいのは、明らかになにかの情報を隠している事だ。
僕が遺跡探検で怪我したから、氷河に治癒を頼んだときだ。
治癒術をかけ終えた氷河が真剣な表情で僕に遺跡を探検するのをやめろといった。
当然理由は聞いた。
「最近、遺跡を調査する一団が、末沢さんを--ッ!?」
話が無理に途切れて、急に氷河が倒れた。
その後ろで手刀の構えをしていたのが、鹿屋さんだった。
「ったく、どこでそんな情報を得たのでしょうね。」
「え、なになに?」
気絶した氷河を抱え、鹿屋さんは相変わらずの張り付いた笑みで答えた。
「末沢は知らなくていいことです」

鹿屋さんが僕に隠し事をするのが、嫌だった。
なんでだろう、別に言いたくないことは誰にだってあるのに。
鹿屋さんが僕にいってない事があるって事実が嫌だった。
「気になる……」
「どうしたんですか、末沢」
いつの間に僕の部屋に入ってきていた鹿屋さんが、独り言を拾う。
「鹿屋さん、なにか隠してるでしょ?」
「隠してませんよ」
当然の対応だ。
鹿屋さんは、ポーカーフェイスがうまいから、一筋縄ではいかないぞ。
慎重にいこう。
「じゃ、なんで氷河に手刀あてたの?」
「余計なガセを言おうとしたからですよ。大丈夫、彼なら何しても死にませんって」
氷河だって不死身じゃないと思うんだけどなぁ……。
って、そうじゃなくて。
ガセってなんだろう。
これが鹿屋さんの隠していたことかな。
「ガセってなに?」
「末沢は知らなくていいことです」
「それが気になるのっ」
鹿屋さんが、くすりと笑ったまま僕にデコピンをする。
「末沢は能天気に遺跡を探検してりゃいいんですよ。秋夜や氷河や神谷さんに頼ることなく、ね。」
「いたいし、いみわかんないよ……」
額をおさえて呟くと、鹿屋さんはまたくすりと笑う。
「そのままでいてください、末沢は」
そう言い残して、部屋を去った。

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久々のかのまつはシリアルな予感。

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