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ザ・ショートショート

・暴力姫様
※弓ヶ浜雨境
瀬戸氷河。
顔よしスタイルよしで戦っても強いし治癒術も魔術も扱えて性格は不良じみてるという多重属性持ちだ。
そんな彼のどこに惹かれたか、氷河を好きだっていうやつはたくさんいる。
俺だってそうだ。
今日はそんな氷河とショッピングを楽しんでいたんだ。
ほんとは本部連中の買い物なんだけどね。
「はぁ、こいつらは本部の金で何買ってんだろうな。」
「いいじゃん、いいじゃん。酒とかは大事だよー」
氷河が呆れながら買い物メモを見つめている。
氷河に酒瓶持たせるのが怖かったから、俺が荷物持ちを引き受けた。
氷河は短気だから、すぐに暴れそうだったし。
「だからって、こんなに買う必要はないだろ」
「それだけお金があるってことでしょー。」
「羨ましい限りだな。俺は恭二のせいで金がねぇってのに……」
さりげなく恭二に貢いでるってことだよな。
体だけじゃなく金まで貢いでんのかよ。
氷河の恭二好きっぷりには、毎回驚かされる。
むしろ狂ってるぐらいだ。
ため息をついた氷河の腕に触れる男がいた。
「お兄さん、お金ないの?だったらいいバイトあるんだけどさー……」
「成敗ッ!」
男は氷河の綺麗な回し蹴りによって、店の柱まで吹っ飛ばされていた。
足だすの早いって。まだそいつ一瞬しかふれてねーよ。あと、何が成敗だよ。
容赦ねぇな、氷河。
あ、一瞬氷河がゴミを見るような目であの男を見たぞ。
怖っ。
「行くぞ、雨境!」
「え、あ、ちょっと氷河ー!?」
俺の腕をとり強引に引っ張られる。
ズルズルと引きずられたまま、俺は町の外れまで出てしまった。
人通りのないとこまで行くと、氷河がようやく立ち止まってくれた。
「ったく、気持ち悪ぃ奴だったな。気安くさわってんじゃねーっての」
「氷河、容赦なさすぎ」
「あんなやつ、蹴られて当然だろ」
顔だけはいいんだから、おとなしく断ればいいのに。
こういうことを言っちゃうから氷河なんだ。
「あー、気分変えて帽子被らねぇで来たのは、失敗だったか?」
「氷河、今度は俺が守ってあげるよ」
胸を張って言うと、氷河が怪訝そうな顔をする。
「雨境が?」
信用されてないな、これ。
「俺は妖怪だし、氷河より年上だよ?」
「別に年上は関係ねぇだろ」
「冷たいなー。いいでしょ、俺のが強いんだから!」
実力で言うなら、俺のが氷河より上だ。
だって氷河は隙が多すぎるんだもん。
……氷河の超反応センスには勝てないけど。
あの人、まだそっと触れただけだったのに、肘打ち入れてから、蹴り飛ばしたからね。
「雨境」
「ん?」
「頼んでいいか?怪我したら治してやるから」
「もちろん。あ、氷河の負担になるようなことはしないよ」
「……ありがとう、ございます」
氷河が少し恥ずかしそうに微笑む。
なんてこった、かわいい。

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やりたいことだけやった!

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