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さて、覚悟してもらおう。

・仕返し恥らい
※弓ヶ浜雨境
恭二たちと解散したあと、俺は弓ヶ浜兄弟全員が入りやすい雄飛兄さんの部屋に入った。
兄弟は兄の部屋に集うって言うじゃん。
後、和室で俺たちには過ごしやすいんだよねー。
先程、氷河にかるーく捻られた腕を押さえる。
必死だったのは見てて面白かったけどさぁ、ひどいよね、容赦なく捻るのは。
どういじめてやろうか。
とか悶々考えていると、ドアが勢いよく開かれた。
氷河だ。何故か息を切らせている。
「雨境!なんで雄飛さんの部屋にいるんだか……。まぁいいや、探したんだからな!」
「んんー、なんのようなのさー?」
「さっきの。痛み直すから腕出してくれ」
なんだ、気にしてたのか。
それならそうと安心して腕を出す。
氷河が集中して治癒術をかける。
治癒術の魔力だけは凄まじく、一瞬で治った。
「悪かったな、雨境……」
申し訳なさそうに捻った腕に触れる。
そんなしおらしい氷河も可愛いのに、一瞬で終わった。
「でも、あんなこと言い出す雨境も悪いんだからな!恭二にもばらそうとしやがって……。」
「あ、浮気の自覚あるんだ」
と、言うと氷河は、考え込むように腕を組む。
「恭二の前で、他のやつとキスとか出来ねぇから……浮気か、これ」
「ビッチだ」
「……ッ!」
「ちょっとぉ!?」
無言で右ストレートがきました。
ほんとに氷河は、俺に対して容赦ないよなー。
「悪い、イラッとした」
「全然目が謝ってない!」
まだ俺を狙ってる獣の目だよ!
しかし、やられっぱなしの雨境さまじゃない。
「氷河、さっきいったこと覚えてる?」
「ご褒美の話か?」
「そ、『恥ずかしがるようなキスしていい?』って言ったでしょ?」
正直、あんなに顔を真っ赤にする氷河を見て、可愛すぎると思ってしまった。
同時に恭二がずるいってどす黒い感情も浮かんだ。
俺の嫉妬心を氷河にぶつけるってのは、可愛そうなことかもしれないけど。
仕方ないよね、氷河だし。
「今から--するよ?」
「言ったからな。いいぜ。」
「あ、氷河からしてもらおっかなー?」
「な、俺から!?」
動揺する氷河。やっぱ可愛いなぁ。
いやまてよ。
氷河は175で俺は178。
微妙にだけど俺のが勝ってる。
ってか、違うんだよ。
俺の身長は猫背補正もあるんだって。
背伸びすれば圧倒的だと思うんだよね。
「やっぱ、いいや」
「え、な?」
氷河の両肩を掴む。
なにがなんだかわけがわかってなさそうな氷河。
「ご褒美、貰います」
そのまま俺から唇を合わせた。
「ん、む……!?」
どす黒い嫉妬心をぶつけるように、舌先をいれて氷河を感じさせるようにキスをする。
こういうのは絶対俺のが勝ってる。
確信はないけど。
さて、そろそろ頃合いだろう。
俺は氷河を逃がさないように強く抱き締める。
扉が開けられ、遠慮なく部屋に上がる男が一人。
「雨境、なんの話ですかね……?」
東火兄さんだ。
こちらを見るとすぐに固まった。
それは氷河も同じだ。
顔を真っ赤にして俺から離れようとし始めた。
だが、突き放されまいと抱き締める俺。
氷河が人に見られる羞恥心で悶えるところを堪能する。
これが、俺のご褒美だ。
「雨境、勝手に人を呼んでどうし……た、んだ……?」
雄飛兄さんも入ってきてすぐに止まった。
さらに暴れだす氷河。
なんか叫んでると思うんだけど、声なんか出させない。
出させるならあえぎ声だよね。
ずーっと抱き締めていると、涙目になってきた。
可愛い。
「ちょっと雨境、離してあげなさい。可愛そうでしょ、瀬戸くんが。」
ようやく冷静になった東火兄さんが、声をかける。
ここらで潮時かと諦めて、抱き締める力を緩めると氷河が思いきり突き飛ばしやがった。
彼自身も倒れて尻餅ついてたけど、飛ばされた俺のが背中うって痛い。
氷河は手の甲で口元を拭って、裏返りかけた声で言う。
「なにしてんだ雨境ッ!」
「ぷはー。もー最高のご褒美だわ、ありがとー」
対して俺は満面の笑顔だよ。
「ふざけんなよ!てめ、人呼ぶとか、卑怯だろ!」
「だって、見られてる方がいいんでしょ?」
「んなわけねぇよッ!」
「でも、感じてたじゃん?」
「う……、そんなこと、ねぇよ……。」
今度はしおらしく崩れ落ちた。
真っ赤な顔を隠して踞る。
「最悪だ……東火さんにも、雄飛さんにもみられる、なんて……っ。」
生きていけないとでも、呟きそうな氷河だ。
兄貴たちがため息をつく。
東火兄さんが、口を開く。
「雨境、私らを騙しましたね?」
「でも、いいもんみれたっしょ?」
「いくらなんでも、氷河がかわいそすぎるでしょ。羞恥心につけこまれてとはいえ、こんなに落ち込む氷河、初めてですよ」
「そうだね。さすがにいじめすぎたかな」
全部、恭二が悪いんだから。
思いを隠して、立ち上がる。
氷河はまだ落ち込んでる。
「氷河、ごめんな。苛めすぎた。」
「雨境……もう、満足したか?」
顔を伏せながら、氷河が問いかける。
「うん。もう満足したした。」
「そうか……なら」
氷河が即座に銃口を俺の肩に当てる。
「撃ち抜かれる覚悟も出来てんだよな?」
「え」
先程の羞恥に崩れる姿から一転、本気で怒ってる氷河だ。
目が据わっててマジで俺の体撃ち抜きかねない。
「大丈夫だよ、すぐに治してやるからさ」
「え、いや、でも、痛いじゃん?」
雄飛兄さんが、ため息をついてから言う。
「今日は、雨境が反省しろ」
氷河がすぐに俺に襲いかかり、馬乗りになる。
銃口はそのままに、口端をつり上げる。
「じゃ、遠慮なく!」
銃声。
叫ぶ俺。
ほんとにやりやがったよ、氷河の馬鹿。

------------------
ケージインラブ、終わり。

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