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怒られる話。



・リミットオーバー
※瀬戸氷河
白河さんたちが去った後、俺の部屋に恭二たちが入ってきた。
「氷河、目が覚めたんだね」
丙が最初に安心して、笑う。
「ああ……。悪いな、心配させて」
「ほんとだよ、氷河のバカ!」
「全くだ、変な無茶しやがって」
恭二と芳示が、まだ怒っている。
こいつらには、散々心配させてしまっただろう。
ずっと、俺を気にしてくれているのだから。
「氷河、もうこんな無茶しないで。一人でなんとかしようだなんて思わないで。一人でふらふらしないでよ……」
恭二が俺に抱き付く。
俺も恭二を抱き締める。
「悪い……ごめん、恭二」
「お前、まだ神血のことでうだうだ悩んでんのか?」
芳示が俺に聞く。
しかし、答えを返すことはできなかった。
「お前は、一人じゃねぇだろ。お前がいなきゃ困るやつがたくさんいるんだ。安心しろよ」
「……でも、俺が……」
「俺がいるからお前らも傷付く、とか言うな。くそ、そんな状態でなきゃぶん殴ってやるのに」
舌打ちをする芳示。
芳示にも心配させてんだよな。
けれど、俺はこいつらを傷つけたくないから。
「……芳示」
「なんだ」
「俺は、俺の血のせいで巻き込むのが嫌なんだ。けど、俺は……っ」
「はぁ、やっぱ俺らが氷河を守るしかねぇな」
「そーだよ!」
恭二が俺の目を見つめる。
いつもの恭二ではない真剣な表情。
「絶対に氷河は俺が守るから。誰にも傷つけたりなんかさせない」
「恭二……」
「氷河は俺のものだから」
俺は頷いて、恭二に囁く。
「頼むぜ、恭二」
恭二はまた俺に抱き付く。
芳示が呆れてため息をつく。
「ったく……恭二、氷河は怪我してんだからほどほどにな」
「大丈夫だって!ね、氷河?」
「ああ……大丈夫だって」
「ちょっと恭二、氷河いたそうだから離れて」
丙が恭二を引き剥がす。
恭二はまだまだ氷河に触れたい、と駄々をこねる。
「ダメだよ、怪我人なんだから」
「うぅ……氷河ー……」
「すぐ治すから、待っててくれよ……」
またベッドに潜る。
ベッドの中であいつらの話を聞いていた。
なにも変わんない彼らの話を。

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リミットオーバー終わり。


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