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零雨様より、鹿屋と末沢の話を頂きました!




・赤い秘め事
深夜に目が覚めた。用を足して部屋に戻ると、同居人であり、恋人の針弥の姿が目に入る。
「……針弥」
それは、出来心だった。彼の枕元にそっと腰掛け、答えは無いと分かっていながら名前を呼び、その柔らかい髪に触れてみる。眠りが深いのか、微動だにしない。答えが返ってこなくても俺は落ち着いて頭を撫でていた。求めていた物が今この手の中にあるという安心感、そして起きていても好意を向けてくれるだろうという確信。ただ、一人でこの幸せを噛み締めたいだけの一人遊びに過ぎなかった。
そっと前髪を退かし、額に口付けてみる。次は頬に。耳に。
「ん……っ」
耳に口付けた時、針弥は小さく唸って身動ぎした。俺はピタリと動きを止め、相手の様子を伺う。起きる様子はない。針弥は耳が弱いから無意識に反応してしまったんだろう、可愛いヤツだ。
「針弥……好き、ですよ」
耳元でボソボソと囁いてあげると、またもやくすぐったそうに身動ぎした。
サイズの大きな寝間着のせいで首元が寒そうだ。陽に焼けていない、華奢な細い首。昔俺がつけた痣はとっくに残っていない。これでは吸血鬼でなくても噛み付きたくなってしまいそうだ。俺は首筋に口付け、強めに吸って赤い跡を残した。肩の近く、鎖骨、胸の上。途中針弥が唸り声をあげたりしたが、つい我を忘れて跡を残してしまった。
服が捲れているのを直し、布団を寒くないように掛け直す。もう秋だというのに、目の前の恋人は子供の様に寝相が悪く、腹を出して寝る。風邪を引かないか毎日心配してしまう。
「ん……がろー……さん……」
ぽんぽん、と布団を掛け直すと軽く叩くという、反射的にやってしまう癖をすると針弥が声を出す。起こしたかと身構えるも、どうやらただの寝言らしく、それ以降は何も呟かなかった。だが、彼のその行動だけで俺の顔は真っ赤になっていた。
「寝言で言うとか……ずるいですよ」
相手の頭の両サイドに手をついて体重を掛けるとギシ、とベッドが軋む。ゆっくりと顔を近付けて、最後は唇に口付けた。
「おやすみなさい、針弥」
そうして俺は自分のベッドに戻り、顔の火照りを静めてから再び眠りについたのであった。


「牙狼さぁん!」
「何です?」
「昨日俺が寝てるときに悪戯したでしょ!」
「そんなことしてませんよ」
「嘘だ!首元にこんなに……きっ、キスマークがっ!」
「虫刺されでしょう」
「首元狙いすぎでしょ!とにかく、どうしてくれるんですか!」
「責任はもう取ってるじゃないですか」
「え?」
「ちゃんと俺の嫁にしてあげますから。頼まれても他の人には絶対に譲りませんがね」
「ん、ん?」
「それに虫除けになっていい」
「話ズレてない?」
「責任取るなら跡つけて良いんでしょう?」
「ちがーう!」

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ちょっぴりえろいはなし。

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