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受け入れた話。


・唯一の治癒術師
※瀬戸氷河
治癒術師として呼ばれたので、ラウンジに向かう。
ラウンジには、血塗れの才臥が倒れていた。
「才臥!?」
すぐに駆け寄り、治癒術をかける。
集中すればそれなりに怪我は治せる。
「氷河さ……」
「なんだよ……?」
「なんで、そんな泣きそうな表情すんの?」
才臥が、不思議そうに尋ねる。
「……お前らが、そうやって無理してくるからだろ」
「氷河のが無理してんじゃん」
「でも、お前らが傷付く方が見てらんねぇんだよ……」
才臥の傷はもう回復した。
すぐに立ち上がり、才臥は言った。
「そうやって他人のことばっか考えるの、やめた方がいいぜ?いつか、利用されちまうかもしれないから。」
「そうだな……。弱くなったよな、俺」
誰かがいなくなることに怯え、傷付く姿を見ていられなくなっている。
こんなんじゃ、この感情を利用して俺を傷つける事なんかたやすいだろう。
誰かを利用すればいいんだから。
「いや、氷河は強くなったよ。それはいえる。」
才臥が真剣に答える。
「けど、それって脆い強さなんだよね。悪意に利用されやすくて崩れやすい強さ。俺、そういう氷河を心配してんだよ?」
「才臥……」
「皆同じでしょ。氷河が心配なんだよ。」
へへ、と照れ臭そうに才臥は笑う。
俺も立ち上がり、くすりと笑う。
「もー、俺、こんなキャラじゃねぇのに。」
「そうだな、真剣な才臥は慣れない」
「だろー?」
才臥も同意するってどうなんだか。
ふざけている方が似合っているとでも自覚してんのだろうか。
「じゃあさ!遊ぼうぜ、氷河!」
「悪いけど、俺、恭二に呼ばれてるから」
「また恭二かよ……。」
手をひらりと振って、恭二のもとに戻る。
才臥は、何故か頭を抱えていた。

「恭二、待たせたな」
恭二の部屋に入ると、恭二は椅子に座って伸びをしていた。
すぐに不満を口にして、立ち上がる。
「おっそーい!氷河!」
「悪かったって。」
「もう、氷河は狙われてるんだから、自覚して!」
「自覚……?」
「いいよ、もう!氷河だって気づいててあしらってるんでしょ?」
「雨境とかのことか。狙うっていうかからかってるだけだろ……。」
「そこには好意が詰まってるの!俺にはわかる。」
「はぁ……」
「ま、いいや。出掛けよ、氷河」
「ああ。いいぜ、恭二」

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なんなんだよ、これ。
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