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FNWの37話です。

「いつまで先峰様に逆らうつもりだ。」
塚本由呉が光宮波乃を押さえ付けて聞く。
「真っ白にするのは良くないと思います。」
「貴様、先峰様に気に入られているからと…!」
光宮波乃を殴ろうとした塚本由呉を哀然楓花が止める。
「待ちなさいよ。先峰様のお気に入りだし、女の子だし…!」
「ぐ…しかし…!」
緋柱烈火も塚本由呉を止める。
「そうそう。女を殴るのは感心しねぇな。脆いし。」
塚本由呉は拳をおろし、光宮波乃から離れた。
「先峰様を裏切るのなら、殺す…。」
そして、先に歩き始めてしまう。
「…大丈夫か、先峰様のお気に入り。」
緋柱烈火が光宮波乃に手を伸ばす。
「ありがとうございます。」
彼の手を取り、立ち上がる。
「そういえば彼の探し人よね、この子。」
「はい。幽夜ですか?」
「知り合いみたいね。」
酔苛凍弥は、悪戯に笑う。
「知り合い以上かもしれないよ?」
波乃は何の反応もせず答える。
「はい、友達です。」
その答えに酔苛凍弥と哀然楓花は顔を見合わせる。
「彼女は気付いてないみたいだね。」
「みたいね。」
緋柱烈火は二人を呼ぶ。
「おい、行くぞ。」
「はい、さよなら。」
塚本由呉を追い掛けるために歩き始めたが、哀然楓花が止まり光宮波乃に向けて笑う。
「存原幽夜は、私が切り刻んで遊んであげるからね。」
「僕も彼には何をするか分からないなあ。」
「俺は正々堂々殴り飛ばしてやるよ。」
哀然楓花に続いて、二人も笑顔で不安にさせようと言う。
だが、光宮波乃は変わらない反応だった。
「幽夜を馬鹿にしないほうがいいかもしれませんよ?」
最初に大笑いしたのは緋柱烈火だった。
「あははは!あいつは楽しませてくれる奴だと思ってるよ!馬鹿に出来るかよ、あんな面白そうな奴!」
「それなら良かった。では、戻りますね。」
光宮波乃はスキップして長い廊下を歩く。
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