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SSというジャンルが一番楽だ。

ハードスクラップショーは気楽なギャグを書きたいがためにやってます。
かつてのハードスクラップショー2です。

・猫猫雨境
「あ、あつっ…」
注がれたばかりの緑茶を飲もうとしたら、熱かったのでつい舌を出す。
「あー、ごめん。――熱かったよな。雨境」
緑茶を入れてくれた雄飛が困ったように笑う。
「雨境は猫だもんなー」
にやにやと笑い、東火がからかう。
俺には猫又の血が流れている。
だから当然、猫舌であるし、猫背である。
雄飛が俺に再び緑茶を手渡す。
「今度は大丈夫だから」
「あ、ありがと……」
それを受け取り、慎重に緑茶を啜る。
適度な熱さでうまい。
「雨境は大変だよねー」
文弥がだらりと寝転がりながら、他人事のように笑う。
「文弥が一番楽な立場にいるからだよ。」
唯一の妖怪の血が濃く継がれなかった文弥。
俺たちは、そんな文弥を庇うように弓ヶ浜から離している。
「雄飛兄さんは楽しそうだけどねー。雪の日なんか真っ先に外に出てたし」
「んで、雨境はこたつで丸くなる、と」
「まるで童謡の犬と猫だよね」
「「う……」」
文弥と東火が重ねるように、雄飛と俺に言葉の針を突き刺す。
「あ、あれはだな……楽しそうだったから……じゃなくてっ」
わたわたと雄飛が言い訳を始める。
「だって、雪なんか寒いじゃん。――つか、はしゃいでたのは文弥もだからな」
「そんな事言ったら、東火兄さんだって寒そうにこたつでうずくまってたし!」
「なっ!?」
俺のカウンターにむっとした文弥は、東火まで巻き込んだ。
「……なんだよ、寒いんだから仕方ないだろ!――ああ、もう雨境で遊んでやる!」
苛立った東火が、俺に術をかける。
人間状態で保っていた術を消したのだ。
「ああっ!何すんだ東火!」
「兄を呼び捨てとはいい度胸だ!」
「ひいい、悪かった、ごめんなさいー!」
パシャリ。
猫耳と猫尻尾が生えた俺をカメラで撮影された。
東火が悪い顔でわざとらしく言う。
「さて、これを加工して本部にばらまいてやろうかなー!」
「ああああー!やめてー!それだけはやめろー!」
ただでさえ猫だと弄られているのに!
さらに苛められかねない!
「東火兄さん、その加工やりたいなー!」
「俺も俺も!」
文弥と雄飛が東火の撮影した画像を覗き込む。
そして、すぐに吹き出した。
「マジでやめろーー!!」

-----------
いじられ雨境。
三男って苦労人ポジションだろう?
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