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SSなら、自由に萌がかけるじゃーん。



瀬戸氷河は困る表情が多い。

かつてのハードスクラップショー4です。

・唯一の苦労人
※瀬戸氷河
昔馴染みで魔物討伐に行くと、大体ろくなことにならない。
恭二と芳示がどんどん事態を大きくして、丙は俺を見捨てる。
結局俺一人で、どうにか落ち着かせている。

そんな俺たちを見て、藤野さんは興味深そうに聞いた。
「ねぇ、君がいなかったら彼らはどうするんだろうね」
「それ、きっと大惨事だぞ……。」
「そうなのかな?ふむ、気になるな……。」
藤野さんが何かを思いついたのか、怪しく笑う。
「そうだ。君が捕まっちゃえばいいんだ。吸血鬼にお姫様扱いされてるし。」
「はぁ!?何いってんですか、藤野さ――!?」
背後から口を布で塞がれる。
「よーし、善は急げだ!」
毒が塗られていたみたいで、意識が遠ざかる。
「――お姫様かぁ。意外と似合ってんじゃないの?」

気が付くと、俺は遺跡のうす暗い部屋で両手両足を紐で縛られていた。
まだ身体がうまく動かせない。
目の前には藤野さんと謎の男がいた。
「――本当にこいつが神血なんだろうな?」
「気になるなら、どっか切って血でも見たらいい。神血は綺麗な紅色だから、分かりやすいはずだ。」
男は、ナイフを取り出してにやりと笑う。
「くく――そうか。だが、いいのか藤野。こいつはお前の同僚なんだろ?」
「いいさ。僕は誰の味方でもないから。」
「ふじ、の……てめぇ……っ!」
なんとか声を出すと、藤野さんがくすりと笑う。
「あ、起きたかい。氷河君。君はしばらく動かないでいて欲しいから、強めの毒にしたんだけど――凄いね。もう、目覚めるのか。」
「ふざけ、んなよ……何がしてぇんだよ……?」
「敵意を向けるとそんな話し方になるんだ。なんか新鮮だな。」
何を言っても藤野さんは、楽しんでいるかのように笑うだけだ。
「何がしたいのか、ってのは最初に言ったよ。君のいない彼らがどうするのか、って興味本位の実験。だから大丈夫。この話は依頼として彼らに出しといた。」
今度は男が反応する。
「何だとてめぇ!本部が来るとは聞いてねぇぞ!?」
「言ってないからね。でも、大丈夫。君にはこの遺跡を動かす鍵を与えたじゃないか。この遺跡のトラップがあれば、本部なんか追い返せるさ。」
遺跡の鍵が俺の血かよ……。
藤野さんの言葉に、安心したのか男が平静を取り戻した。
「ふん、そういう事か。お前はこの遺跡と本部の力比べが見たいんだな?」
「そうだよ。じゃ、僕は行くよ。頑張ってね、魔術師さん。」
「待てよ!くそ……っ!」
藤野さんは、部屋から出てしまった。

魔術師と呼ばれた男は、俺の両手両足を縛っていた紐を切った。
「もう立てるくらいには回復したんだろ?」
だが、完全には回復していない。
おぼつかない足でなんとか立ち上がると、魔術師は俺を壁に突き飛ばす。
「な――っ!?」
今度は壁についていた枷が俺を縛る。
魔術師は近くにあった機械をいじりながら自慢気に語り始めた。
「お前にこの遺跡の話をしてやろう。今、お前が捕われているのはかつて電流を流す拷問をしていた所だ。今は電力が死んでいるから流せないがな。――口惜しいものだよ。電力があると言う事から分かると思うが、これは科学で作られた遺跡なのだよ。しかし、科学と言ってもただの科学ではない。魔術を操る王族による魔術を動力としている。お前の足元に魔方陣があるだろう。それは貴様からその王族たる魔力を奪うものだ。神血という純粋な力を奪うためのな。」
「ふん……悪趣味だな。」
俺が挑発すると、男がナイフで俺の頬を切る。
流れる血を見て、興味深そうに言う。
「ほう……本当のようだな。これなら、この遺跡も動きだすだろう。」
「そりゃどーも。」
次に何を思ったのか、頬から流れる血を舐められる。
「なに、すんだよ!」
嫌がる俺の反応すらも楽しむかのように男は笑う。
「いや、私には吸血鬼の友人がいてね。神血は極上に旨いと聞いていたから、舐めてみたのだよ。――どうやら人間には分からないものらしいな。」
「そりゃそうだろ……。」
芳示にも同じことされたし。
その時は「駄目だ、鉄の味しかしねぇ!意味わかんね!」と散々言われた。
「それから、これは藤野の話だがな――」
かけていた眼鏡を奪われる。
男はまじまじと俺を見つめる。
「――姫様、ねぇ。似合ってるよ、お前。少し気の強い性格なんだと思えば可愛いぜ?眼鏡もあれだろう?眼鏡を取ったら可愛いとかそんな演出だろ?」
「あのさ……頭、大丈夫か?」
俺を神血の姫君とよぶ吸血鬼程ではないが、男にここまで誉められても嬉しくない。
「さて、無駄話は終わりにしようか。――動け、我が古代の秘宝よ。」
男が魔術を唱え始める。
魔力が吸い上げられ始める。
「ぐ……っ、ああああああ!」

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瀬戸氷河を苛めるのが楽しすぎて長くなりました。

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