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ひゃっはー、SS楽だぜー!

治癒術師を作ろう、という話。

元はハードスクラップショー5でしたが、めでたく?本編入り。

※瀬戸氷河
「俺たちには治癒術師(ヒーラー)が必要だ」
白河さんのいる司令室。
何故か俺だけが呼び出されていた。
「治癒術師……ですか」
「そうだ。治癒術師だ。」
「――まさか、俺が治癒術師になれとか言わないですよね?」
恐る恐る聞くと、白河さんは感心するかのように言った。
「お、話が早いな。その通りだ。」
「分かりやすすぎなんですよ……」
これは、呆れるしかない。
すると、癇に触ったのか白河さんは淡々と話始めた。
「お前の神血という力が必要だ。元々それは巫女や治癒術師に多いもんなんだろ?だったらちょうどいいじゃねぇか。やれ。」
「拒否権は!?」
「ねぇよ。理論で論破しろ。」
白河さんが横暴だとは聞いていたが、これは酷すぎんだろ……。
しかし、理論で論破なら少し自信がある。
俺は、軽く咳をして話始めた。
「まず、莱桃さんって完璧な魔術師がいるでしょう。それが駄目なら柊さん。柊神社の力があるでしょう。
それも駄目なら弓ヶ浜の一族。妖怪に治癒の力があるかもしれないですから。――それも駄目なら科学。流転や神崎さんが何か用意してくれてるでしょ!」
これだけ駄目押ししたんだ。
突破口が一つくらい……。
と、思ったら白河さんに軽く鼻で笑われた。
「よし、じゃそいつらに論破されてこい。それで決意が固まったらまたここに来い。」
「論破されてこいって……分かりました。行きますよ。」
白河さんに言われるがまま、とりあえず莱桃さんの所に向かった。

「あー、無理やな」
莱桃さんに事情を説明すると、一蹴された。
「何でですか!?」
「確かに回復魔術はあるけどな?俺にその魔力がないんだよ。やっぱ神血じゃないとあかんわ。」
「んで、俺を押す!?」
「大丈夫、君が覚悟決めたら、ちゃんと教えるからなー。」
「何ですか、もう……」
莱桃さんは性格も悪過ぎる。
完全に論破された気がしないのが、腹立つが莱桃さんはこれ以上言っても無駄なので次に行くことにした。

「嫌だ」
柊さんに事情を説明すると、何故か断られた。
「んなことまでしたら、完全に柊神社継いじまうだろ。」
「いや、継いでくださいよ」
「継ぎたくないから、ここにいんだよ。」
「どういうことですか」
頑なに拒む柊さんの代わりに、榛原さんが話してくれた。
「柊はあの神社に利用されてたから、嫌いなんだよ。神主さん――柊の父親も厳格な人でね、あいつは和解する事なく、神社を捨てたんだ。だから、神血の君がやるしかないよ。」
「んで、また俺を押すんだ!?」
榛原さんにああまで言われたら、仕方ない。
諦めて次に行くことにした。

「ないよ、うちには」
弓ヶ浜の一族である雄飛さんに事情を話すと、ないと言われた。
「……ないんですか」
「回復出来る妖怪の血は無かったからねぇ。」
またあっさりとしている。
詳しい話を雨境さんがしてくれた。
「えっと、雄飛兄さんは詳しくないから俺が話すけど、俺たちの妖術は攻撃や幻惑に特化しているんだ。東火兄さんは、未来を見る預言者だから、あまり妖術を使えないし、猫又の血を持つ俺は、妖火の妖術が一番得意で、他も全部傷つける事しか出来ない。――神血である氷河しか出来ないんだよ」
「言わされてんだろ、それ!」
雨境さんに丁寧に説明されては仕方ない。
最後の希望に縋る事にした。

「んなの回復薬だけじゃ駄目なの?」
神崎さんに事情を説明すると、逆に疑問をぶつけられた。
「ああ、そういう事か」
何を納得したのか分からないけど、高曇さんが説明してくれた。
「うちで作れるような回復薬ってのは、治りが遅いんだ。それに腕とかもげたら終わりだ。だから、あまり優秀じゃない。白河は迅速で強い治癒術に目を付けたんだ。――神血である君にね」
「決め台詞じゃねぇからな、それ!」
なんだよここ、みんなボケですか。
でも、高曇さんの説明が一番効いた。
骨折とか傷とかそんなのは薬でもいい。
でも、確かに薬には限界がある。
腕や足が切り落とされたら、それは治せない。
……もしも、恭二がそうなったら、俺は後悔するだろう。
「――分かりました。ありがとうございます。」
高曇さんに一礼して、司令室に戻る事にした。

「決めたのか?」
「はい。俺が治癒術師になりますよ。」
白河さんが不適に笑う。
「……榎本のためか?」
「そう、ですね。今までの俺は、恭二に血を捧げることしか出来なかったから。」
「それも充分だと思うが……まぁいい。莱桃さんか柊に教わってくれ。」
「はい。」

莱桃さんと柊さんの指導は、二週間続いた。
それから、魔術の扱い方を神谷さんと鹿屋さんに教わった。
俺は今まで、銃しか扱わなかったからな。
神血ってのが、いかに俺を狂わせているのかが分かった。

「おいおい氷河。マジで治癒術師やってんのかよ」
芳示が茶化しにきやがった。
「……悪いかよ」
「あ、やっぱ嫌だったんだな。」
「当たり前だろ。治癒術師なんて、ヒロインみたいじゃんか」
芳示が笑いを堪えるようにくく、と笑う。
「恭二やあの吸血鬼からしたら、お前は王道ヒロインだろ」
「それが嫌だったのに!ますます近づいちまったじゃねぇかよ!」
「ざまぁねぇな!」
「慰める気ゼロか!」
ついに笑いを堪える気を無くしたのか、芳示が腹を抱えて笑いだした。
しばらく笑っていると、真面目な表情で言う。
「――ま、俺が変わらず守ってやるよ。お前、銃使うの下手くそだし」
「馬鹿にしてんな、おい」
「違ぇよ。ヒロインとしてじゃなくて、馬鹿な幼なじみとして、だ。」
芳示の言葉に、頷く。
「……頼む」
「任された」

-----------
こうして本部の唯一治癒術師を作った。

やっぱり氷河が美味しすぎる。
そのうち魔弾も撃てるようになります。
主に光と氷。

この設定は4の続きを書くときには全く生かされませんがな!


ちなみに
・榎本恭二
半吸血鬼。レイゼーに殺されようとしている。自分が吸血鬼となった記憶がない。

・瀬戸氷河
神血。唯一の治癒術師。神血だとばれてから、各所から狙われるようになる。恭二に血を吸わせている。

・天城芳示
痛ましく身を削る氷河を心配している。軍に入り力を得ようとした。

・大浦丙
壊れていく三人を守るために、対人対処方を学ぶ。一番心優しい。


……こいつら、美味しすぎるだろ。
痛ましい連鎖。

藤野達もこんな感じですがね。

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