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前回のはめんどくさくなったので、そのままにしました。


瀬戸氷河は気に入られてしまった。
だから、こうなるんだよなー……。

かつてのハードスクラップショー13です。

・ポイズンミラージュの魔術師
※瀬戸氷河
涙が溢れる。嗚咽が洩れる。
「ぐ……ぅっ……」
首を絞められてるから苦しいはずなのに、感覚がなくなっていく。
謝りたい、違う、悲しい、違う……。
なんで、泣いてんだろ俺。
「ぐああああああああ!」
突然、首が締まる感覚がなくなる。
恭二の腕が切り落とされていた。
痛みに悲鳴を上げる声は、恭二の物じゃなかった。
「氷河!」
誰かに名前を呼ばれて、目覚めると拷問所の光景が見える。
そして、目の前には魔術師ではなく、雨境がいた。
「え……?」
「今、幻覚魔法見せられてたんだよ。っつーか、何見てたの?泣いちゃってさ」
意識が戻る。毒の痛みが全部戻る。
「ぐぁあ……っ!くっ……!」
「え、ちょっとどしたの?顔色悪いよ?」
雨境が俺の額に手を伸ばす。
「熱っ!?ちょ、毒蜘蛛?いや、土蜘蛛の仕業、それとも蛇!?」
触れるとすぐに手を引く。
「いや……わか、んね……くぅ……っ」
「あ、ごめん。突っ込み期待してごめん。喋んないでいいから。」
咳き込む。口から血が流れる。
まずい……な。
「何してんだ!さっさと鎖切れ!」
草薙が雨境に怒鳴る。
「ああ!すみません!ごめん、ごめんね、氷河!辛いのに無理させちまった!」
何度も謝りながら、雨境が妖術で鎖を焼き払う。
吊されていた身体が急にがくりと崩れ落ちる。
雨境がそれを支えてくれた。
「……幻覚見てないんだよね?」
雨境が俺の目の前で手を振る。
理由は、まだ俺が泣いてるからだ。
「あ、ああ……み、てな、い……」
「良かった、だったらなんか別の薬盛られてんだな。まさに薬付け。――よし。眼鏡とろっか」
雨境が俺の眼鏡を取る。
そして雨境に涙を拭われた。
まだ俺の身体は動きそうにないからだ。
「わり、ぃ……がはっ……ぐっ……ぅ……!」
「喋んないで。痛々しいから。」
丙と芳示も、それぞれ雄飛さんと草薙さんが助けてくれていた。
「大丈夫、絶対どうにかするから。だから、今はこれで我慢してよ」
流転が芳示に解毒注射を刺していた。
「はぁ……、はぁ……っ、どうにか、なったな……。」
芳示は落ち着いたようで、口元の血を拭う。
だが、立ち上がれないようだ。
「神血……殺してやる……ヒヒヒ……死ねぇ!」
片腕を落とされた魔術師が、毒刀蛇烏を握り、振り上げる。
「雨境!」
雄飛が叫ぶ。だが、すぐにそれは雨境に振り落とされる。
雨境は咄嗟に俺をかばい、浅いが毒刀に背中を斬られた。
「くっ……!けど、毒は効かないんだよねぇ……!」
雨境がすぐに振り返り、魔術師に火を放つ。
「あああ……!ああ……貴様……!」
毒刀を捨てて、よろめく魔術師に近付き、草薙さんが口端を釣り上げ笑う。
「――ジ・エンド、だな」
そして、魔術師の首を跳ねとばした。
「……どうした、流転?」
固まっていた流転に草薙さんが声を掛けると、あははと乾いた笑いを洩らす。
「いや、容赦ないんだね……草薙さんって」
「「当たり前だろ」」
何故か芳示も答えた。
「おい、毒って時間の問題なんだろ?急ぐぞ!」
雄飛さんが声を荒げる。
抱えられている丙は気絶していた。
雨境が、困ったように呟く。
「これじゃ治癒術も出来ないし、何より恭二が困っちゃうな」
-----------
まだ続きます。
雨境がアホっぽくて、なんだかなー。

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