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世界は急に蘇生する。


治癒術師の証明。
マジカル氷河。
あっさりと。
の三本柱でお送りします。

かつてのハードスクラップショー18です。

・Silentmoon
※瀬戸氷河
「うーん……」
ペンをくるりと回す。
文が、言葉が、思いつかない。
眼鏡って知性的に見えんのかね。
俺には全く分かんない。
あ、月が綺麗。満月だ。
「やめだ、やめ!」
ペンを机に置き、杖を手に取り部屋を出た。

魔力ってのは、常に使っていないと使い物にならないらしい。
それは治癒術にも同じ事が言えるみたいで、たまには使わないといざというときに役に立たなくなるそうだ。
何もない荒野に一人立つ。
意識を集中させろ、弱くていい。ばれなきゃいい。
杖を手に魔術をイメージする。
俺の周囲に氷柱が連なる。
「っう……!」
集中が乱れる。魔力を使い過ぎて魔術が派手になってやがる。
氷柱で鏡みたいに映りこむ。
「あーあ、溶けないよな、これ……」
氷柱に手を触れる。
冷たい。当たり前だ。
「やっばいな……バレたらからかわれる……」
氷柱に囲まれたまま蹲る。
「あ、火の魔術とか使えないかな、俺」
杖を強く握る。
どうにかしてみよう、よし。
火をイメージする。
強くなくていい。ばれなきゃいい。
杖から出る小さな火は、一つの氷柱を溶かす。
「……よしっ」

魔術師も嫌ではなくなってきた。
島原さんにでも、棒術を教われば前線立てそうだしな。
でも、強い魔術を使うには魔方陣を書かなきゃならなくなる。
魔術師やるなら、舞うように戦うしかない。無理だ。
俺は、銃持ってる方が楽しいんだよな。
弾切れでも起こしたらやろう。
別に杖でなくとも棒ならいけるはずだ。

「帰ろ」
氷柱を全て消して本部に戻る事にした。

「氷河ー……どこ行ってたんだよー」
部屋に戻ると何故か恭二が俺のベッドに座っていた。
「お前こそなんでいるんだよ」
「分かるだろ?」
恭二が悪戯な笑みを浮かべると、俺をこちらに引き寄せてベッドに押し倒す。
「ああ、また血が欲しいのな」
「夜は吸血鬼の時間なんだよ。さぁ、貰うぜ?」
「どーぞ」
恭二が俺の首筋に歯を立てる。
ちくりと痛みが走る。
恭二が夢中で血を吸う。
慣れてしまったのか、気恥ずかしさはない。
「やっぱ氷河うまいよ」
「そりゃどーも」
「あのさ」
「ん?」
「一緒に寝ていい?」
「なんで」
「……なんとなく」
「狭くなるからやだ」
「じゃ、抱きつくからさ。そしたらスペース減るじゃん」
「……それなら、いい」
「よーし、ぎゅー」
ああ、何してんだろ俺。

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次回こそ騙し屋集会を。

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