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こちらは逃げ出した二人の顛末。

かつてのハードスクラップショー25です。

・縛り逃げ
※大浦丙
氷河と恭二を一まとめにしてから、俺たちは逃げるようにあの部屋を出た。
大体、芳示に気付かれる程ぼーっと氷河を見てる恭二が悪い。
何だか空気を読まされたみたいだ。
それすらも彼らは自覚しないだろう。

「「助けて下さい」」
「え、いや、何の話かな?」
俺と芳示は、食堂のテーブルに座ってぐだっとテーブルに寄り掛かる。
目の前にいた緑茶を啜る小浜さんが、ぎょっとした表情で俺たちを見ていた。
芳示が顔だけあげて、小浜さんに話始める。
「あいつらだよ。あの馬鹿共」
「あ、ああ、氷河と恭二かな?」
「そうですよ」
困惑しながらも、小浜さんは話を聞いてくれていた。
「あいつら、本当何処でもイチャつくんですから。俺らの居場所がねーんだよ」
「お似合いだよねー、あの二人」
「そんなもんじゃないでしょ。見せられるこっちは苛立つだけだからな」
「苛立つのか……ふーん。」
何か不味い事を話してしまったのか、小浜さんが怪しく笑う。
「キミはどうなの?」
「俺は、別に。ただまぁ少しはいらつきますよ。」
「成る程ねぇ……」
小浜さんがくすりと笑う。
嫌な予感がした。
が、それは壊された。
「お?何してんだお前等。」
先程の撃ちあいで最も盛り上がっていた人物、遥が上機嫌でこちらにやってきた。
遥はスーツをかなり着崩していた。早いと思う。
「なんだよ、そんなにぐったりしやがって。楽しかったろ?あの撃ちあいは」
「そりゃー、撃ちあいは楽しかったよ」
「何なら今、気分いいから、悩み聞いてやろうか?」
遥が、小浜さんの隣に座る。
芳示が意地悪く笑う。
「おー、聞いてくれるかー?実はな、氷河と恭二ってバカップルの事なんだけどさー」
すぐに遥が立ち上がる。
「わりぃ、その話は聞けねぇわ!じゃあな!」
そして、逃げるように食堂から出た。
小浜さんがくすりと笑うと、芳示がしてやったなんて表情で出ていく遥を見ていた。
「だろうとは思ったけど、予想以上に早かったなー……」
遥は、恋愛話の良さが分からないタイプの人間だ。
芳示もそれを知ってて、からかったんだろう。
「あのさ、戻らなくていいの?」
小浜さんが、俺たちに聞く。
「「戻りたくない」」
と、同時に答えると小浜さんは、困ったように笑う。
「だよねー……」
「戻らなくても良いだろ。忘れてるって俺らのこと。」
「忘れてる、って事はないだろうけど……戻らなくてもいいと思う。」
はぁ、と同時に溜め息を吐く。
「君達が不憫でならないかも」
と、小浜さんが呟いた。

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残された奴らは愚痴るだけ。

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