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愛故の苛めってありだよね?

完璧で欠けた魔術師編。

※後半書き直しました。

※瀬戸氷河
この魔封の洞窟に捕まってから、何時間経ったのだろうか。
苦しくなってきた。
身体に力が入らない。
対して鉄格子の外で、呑気に調べものをしている二人は余裕そうだ。
「ぅ……っ」
立つことも出来なくなるほど、苦しい。
「どう、なってんだよ、これ……」
息も切れ切れに聞くと、魔術師が答えた。
「あの鉱石が魔力を吸い取ってんだよ。なんだ、お前本当に魔術使えたのか」
「この洞窟は魔術を使うものに、特に負荷がかかるらしい。ここは過去に魔術師を殺すために使われた洞窟だそうだ。」
と、黒スーツの男が続ける。
「なるほど、ね。つまり――」
無理やり力を入れて、ふらりと立ち上がる。
そして、鉄格子の扉を蹴り飛ばした。
まさか鍵がかかってないとは。
「今のうちに逃げ出せって事だろ!」
かつて殺された魔術師が置いたのであろう杖を広い、魔術師に振り下ろす。
だが、それは黒スーツの男にガードされる。
「魔術師を封じようとしたか……だが、甘い!」
黒スーツの男に素手で杖を弾かれる。
杖を握っていた両腕に痺れが走る。
「くぅっ……!」
その動けない隙を、男が見逃すはずもなかった。
「残念だったな」
真直ぐな中段蹴りが、腹に入る。
威力が凄まじく、俺は簡単に牢屋に戻された。
棘の壁に叩きつけられて、倒れこむ。
棘の壁が背中に深く刺さり、痛む。
「ぐッ……っ、ぅ……」
蹴られた痛みと叩きつけられた痛みと刺の痛みが混ざる。
ただ呻くことしか出来ない。
「あーあ、だから気を付けろよ、って言ったのにな。神血ってのは、輸血とか出来んの?」
魔術師がからかうように挑発する。
黒スーツの男は、興味深く俺から流れる血を見ていた。
そして、鉄格子の中に入り、俺に歩み寄る。
警戒して黒スーツの男から離れようとするも、身体が動かない。
「そう睨むな。今のお前は痛々しいだけだぞ」
「だれの、せいだよ……?」
「ふん、減らず口が」
男が俺の目の前で屈み、ナイフを取り出す。
「……っ、おまえ」
「だからそう警戒するな、殴りたくなるだろう。これは貴様を刻むわけではない。」
そして、男は自身の腕をナイフで裂く。
俺の血だまりの上に、男の血が混ざる。
「ほう、やはり色が違うな。神血の方が色がいい。」
「な、に、してんだよ、おい」
男は楽しそうに笑う。
「貴様がそれほど揺らぐ事か?いや、いい。治療しろ。」
俺の目の前に腕を差し出す。
今も男の腕から血が流れている。
「治療、ったって……魔力がなけりゃ、できねぇ、よ。」
「今ならまだ間に合うだろう」
「そういう、ことかよ……!」
男の腕を治癒術で治す。
大した傷ではなかったので、なんとか今の魔力で足りた。
「神血の実験、捗りそうだ。感謝するぞ。」
男はくつくつと笑う。

-----------
魔術師は馬鹿っぽく明るい男で、黒スーツの男は、固い性格の科学者です。

ただどちらもサディストです。

さー、どうやって氷河を苛めようか!
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