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※瀬戸氷河
「お前中途半端だよなー」
俺の魔術の練習を見ていた芳示がそう言った。
「拳も使うし銃も使えんのに俺よりも下手。魔術もまだ人並みだし、治癒術もお前しか使えねーってだけ」
「うるせぇよ!何が言いたいんだ!」
煽ってくる芳示にイラッとして俺は練習を中断して怒った。
「なんか、こう……もっと上手く使えんじゃねぇの?」
こちらに近付いてジロジロ見たかと思うと、芳示は徒手空拳の構えを取る。
「例えばさ」
ビュッと素早い右パンチ。空気を切るかのような鋭い動きだ。
「これ、氷属性付与させてやってみ。魔力はあんま込めないで」
俺は言われた通りに魔術を手に薄く付与させ、空を殴る。何も起こらない。
「わかんねぇだろうけど、物質的な物に触れたら凍る。次は中くらいな」
「中くらいって難しいな……」
「黙ってやれ、下手くそが」
舌打ちされ更に罵られたので、俺は中くらいに魔術を付与した拳をイメージする。そして仕返しに芳示を殴ろうとした。が、難なく避けられてしまう。
「あぶねーだろ!これシャレになんないからな!」
冷静な行動とは裏腹に声は結構焦っていた。見ると、俺の拳の通った周りがキラキラと光っている。
「何だこれ……?」
「水分が凍ってんだ、当たると痛い」
曖昧な答えである。
「じゃ、思いっきり魔力込めてみろ」
俺はゆっくりとイメージして魔術を込める。芳示がさりげなく数歩下がったので、その方向へ空を切るように殴った。
「食らえ!」
「ちょ、お前、止めろよ!」
芳示は焦った顔になる。俺の殴った跡は氷の塊のようになり、俺の軌跡を越え、芳示を追い掛けていく。そうして、芳示の左二の腕辺りを凍らせると体を侵食し始めた。
「え」
「いってぇ!」
込めた魔力が尽きたのだろう、途中で侵食は止まったが、芳示の左上半身は、正確に言うと左腕と左肩から腹部にかけて、綺麗に凍りついていた。
「何やってんだよ、クソが」
「す、すまん……大丈夫か!?」
「さっさと治せ」
自分の魔術だからか、治すのは魔力をあまり使わず楽に出来た。左肩をぐるぐる回しながら、芳示はさっきの解説をしてくれた。
「魔術は空気さえも凍らせることができる、らしい」
らしいというのは芳示自身は使ったことが無いからか。
「足に付与出来れば、理論上は空も歩くことが出来るんだぜ」
「ふーん……」
重火器や徒手空拳がメインの芳示が何故そんなことを知っているのだろうか。
「軍部に居たときに氷炎魔術を使える特殊なヤツがいてさ、教えてもらった」
懐かしむような顔をしながら、芳示は心を読んだかのように答えてくれた。……俺の知らない芳示の顔を見たような気がした。
「もちろん、その対処法もな!」
だが、その知らない顔は霞の様に消え、いつもの鬼のような笑顔に戻り俺を指差した。
「氷河、ちゃんとマスターしとけよ。俺がそれをブチのめしてやっから」
「なっ、んな簡単にはやられっかよ!」
「どうかな、この前も俺に負けたし」
「じゃんけんは運の問題だっ!」
一通り口喧嘩して、俺たちは笑った。もちろんいつものように、だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
魔拳士氷河。
本編だと恐らく実現しません。そこまで私も氷河も器用じゃない。
こういう戦い方のアイディアは思いつかないので、ありがたいです。
というか格闘が好きになりすぎた気がする。
さて、芳示の上司と今、私が考えている軍部の人間と一致するのでしょうか。
「お前中途半端だよなー」
俺の魔術の練習を見ていた芳示がそう言った。
「拳も使うし銃も使えんのに俺よりも下手。魔術もまだ人並みだし、治癒術もお前しか使えねーってだけ」
「うるせぇよ!何が言いたいんだ!」
煽ってくる芳示にイラッとして俺は練習を中断して怒った。
「なんか、こう……もっと上手く使えんじゃねぇの?」
こちらに近付いてジロジロ見たかと思うと、芳示は徒手空拳の構えを取る。
「例えばさ」
ビュッと素早い右パンチ。空気を切るかのような鋭い動きだ。
「これ、氷属性付与させてやってみ。魔力はあんま込めないで」
俺は言われた通りに魔術を手に薄く付与させ、空を殴る。何も起こらない。
「わかんねぇだろうけど、物質的な物に触れたら凍る。次は中くらいな」
「中くらいって難しいな……」
「黙ってやれ、下手くそが」
舌打ちされ更に罵られたので、俺は中くらいに魔術を付与した拳をイメージする。そして仕返しに芳示を殴ろうとした。が、難なく避けられてしまう。
「あぶねーだろ!これシャレになんないからな!」
冷静な行動とは裏腹に声は結構焦っていた。見ると、俺の拳の通った周りがキラキラと光っている。
「何だこれ……?」
「水分が凍ってんだ、当たると痛い」
曖昧な答えである。
「じゃ、思いっきり魔力込めてみろ」
俺はゆっくりとイメージして魔術を込める。芳示がさりげなく数歩下がったので、その方向へ空を切るように殴った。
「食らえ!」
「ちょ、お前、止めろよ!」
芳示は焦った顔になる。俺の殴った跡は氷の塊のようになり、俺の軌跡を越え、芳示を追い掛けていく。そうして、芳示の左二の腕辺りを凍らせると体を侵食し始めた。
「え」
「いってぇ!」
込めた魔力が尽きたのだろう、途中で侵食は止まったが、芳示の左上半身は、正確に言うと左腕と左肩から腹部にかけて、綺麗に凍りついていた。
「何やってんだよ、クソが」
「す、すまん……大丈夫か!?」
「さっさと治せ」
自分の魔術だからか、治すのは魔力をあまり使わず楽に出来た。左肩をぐるぐる回しながら、芳示はさっきの解説をしてくれた。
「魔術は空気さえも凍らせることができる、らしい」
らしいというのは芳示自身は使ったことが無いからか。
「足に付与出来れば、理論上は空も歩くことが出来るんだぜ」
「ふーん……」
重火器や徒手空拳がメインの芳示が何故そんなことを知っているのだろうか。
「軍部に居たときに氷炎魔術を使える特殊なヤツがいてさ、教えてもらった」
懐かしむような顔をしながら、芳示は心を読んだかのように答えてくれた。……俺の知らない芳示の顔を見たような気がした。
「もちろん、その対処法もな!」
だが、その知らない顔は霞の様に消え、いつもの鬼のような笑顔に戻り俺を指差した。
「氷河、ちゃんとマスターしとけよ。俺がそれをブチのめしてやっから」
「なっ、んな簡単にはやられっかよ!」
「どうかな、この前も俺に負けたし」
「じゃんけんは運の問題だっ!」
一通り口喧嘩して、俺たちは笑った。もちろんいつものように、だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
魔拳士氷河。
本編だと恐らく実現しません。そこまで私も氷河も器用じゃない。
こういう戦い方のアイディアは思いつかないので、ありがたいです。
というか格闘が好きになりすぎた気がする。
さて、芳示の上司と今、私が考えている軍部の人間と一致するのでしょうか。
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