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猫は気ままな裏切り者。


人を出し抜くのが好きな二人。



・卑怯者が笑う
※弓ヶ浜東火
目の前にあからさまな落し穴があったとしよう。
落ちればなかなかはい上がれず、魔物の餌食となるだろう。
しかし、器用な二人は、一人を犠牲にする事で軽々と飛び越えてしまった。
私と純也君を穴につき押して、落ちるまでの間に、軽く私達に飛び乗り、落とし穴を飛び越える。
「うわっ!?」
「いたっ!」
どさり、と落とし穴に落ちる。
上を見上げると、非常に憎たらしい笑顔を浮かべる二人がいた。
「悪いな、兄貴!」
「ざまぁみやがれ、純也!」
雨境と才臥君が、ハイタッチをしてから、奥へ走りだす。
今回は、流転君からの依頼で、奥の石版かなにかを取ってくればいいだけなんだがね。
「ちょっ、才臥ー!」
純也君は情けなく手を伸ばす。
「ったく、困った弟だ……」
あの猫め。
痛い目にあえばいい。
雨境の未来を垣間見る。
『無事に石版を取った所で、その石版の一室から、凶暴な魔物が現れる……。』
それならば、逃げる時にこちらに来るだろう。
「お仕置きが必要だな……あの猫には」
「東火さん、怖いんだけどー」
純也君が、辺りの魔物を蹴散らしていた。
「ああ、すまない。」
いつもの営業スマイルに戻す。
「東火さん、下がってて下さい、ここは俺がなんとかしますから」
純也君が、大剣を構える。
なんとも頼りないなあ。

「「うわあああああっ!」」
上から叫び声が聞こえた。
そろそろ反撃のチャンスかな。
妖術の火を壁のように広げる。
「さて、そろそろかな」
「ちょっと、東火兄さん!?」
落とし穴から伸びる炎を見て、立ち止まる雨境。
「よくも兄を足場にしたねぇ……」
「いや、だって、あれは、そうでもしないと、届かない、じゃん……?」
段々と声に力がなくなる雨境。
「って、魔物来てる!やべぇよ、どうすんの?……って!?」
才臥君が雨境を突き落とし、背中を足蹴にして、飛び越える。
「ってぇ!?」
どさり、と雨境も穴に落ちる。
妖火はさすがに消した。
「わりぃな、雨境!今度なんか奢るからさ!500円以内で!」
「全然奢る気ねぇじゃん、才臥ー!」
「じ、じゃーな!」
才臥が走っていく。
私はつい笑ってしまった。
「ちょ、兄貴?」
「いや、すっきりしたからいいや。ここから脱出しよう。」
まさか憂さ晴らしを才臥君がしてくれるとは。

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眠かった。
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