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完璧で完全。



※瀬戸氷河
「なぁ、血溜りにいて、気持ち悪くなんねーの?」
ふいに魔術師がからかうように話始めた。
「そんな色の混じった所にいてさ、お前の白さが際立つだけじゃね?」
確かに俺の足元には、自分の血と先ほどの黒スーツの男の血が混ざった血溜りができている。
しかし、だからといって先ほどのダメージが残っているせいで、動けないでいた。
「てめぇらの、せいだろ……!」
そう怒りを込めても、魔術師はさらに笑うだけだ。
「ああ、あと眼鏡も。俺、コンタクト派なんだけど」
「俺は眼鏡派なの。つか、人のこだわりとやかく言うな」
「えー、でもさ、眼鏡されてると迂闊に手が出せないんだよー。壊れたら嫌じゃん?」
「そりゃ親切だな」
「だろー?だからさー……」
魔術師が、俺に歩み寄る。
「うわ、やっぱ気持ち悪い。後で掃除しよ、俺のために」
そして、眼鏡を取られた。
「あ、てめ!」
「へへーん、ゲットー」
子供のように笑う魔術師。
「いやー、無いほうが似合う奴とかたまにいるよねー。さて、と」
魔術師が指を鳴らす。
天井から棘が伸びる。
「……っ!」
捕まらないように、起き上がって逃げようとすると、魔術師が腹に軽く蹴りを入れる。
「動くな、って」
「うぁっ……!」
そのまま棘に両腕を捕らわれ、吊りあげられる。
「へへへ、まずはこうだよなー……。俺的には鎖を使わない所がポイントね。」
「いい趣味してんな……」
こんな風に捕われたことなら、何度もある。
そう皮肉を言うと、魔術師は不敵に笑う。
「だろ?一応古い拷問みたく、棘で鞭とか作ってみたんだけどさー、どう?」
するりとその鞭を取り出し、俺に見せる。
「それは俺に、何を求めてんの?」
「いや、どう苛められるのが好みかな、って」
「苛められるのが、好きじゃねぇよ!」
「だーよなー……。」
魔術師は困ったように笑う。
そして嫌な独り言を呟き始める。
「うーん……触手?いやいや、エロいじゃん……鞭打ちも古いしな……電撃……も古い……薬は……駄目だ、怒られるな。媚薬ならまだしも。もうリンチみたく蹴りまくるか……いやいや、人間かよ……。どう弄ればいいかな……?」
「ほっとくって選択肢はねぇの?」
「ない。」
「……あ、そう」
「ああー!思い付かねぇからいいやー!その血溜り掃除すっから!」
忙しなく出ていった魔術師。
「なにされるかな、俺……。」
やるなら俺が傷付くだけにしてくれ。
開発とかやめてほしいな。と祈る事しか出来ない。


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魔術師可愛いな、なんか。
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