ボツリヌスミステリー。

本編は、呪われた遊園地を目指していますが、こちらはマイペース。

これは、こちらで、連載されていますコラボ小説のシリーズであります。
先に本編を読まれる事をお勧めします。

キャスト
榎本恭二(えのもときょうじ)
子供心の吸血鬼。
瀬戸氷河(せとひょうが)
凍てつく光の魔弾。
天城芳示(あまぎほうじ)
特攻鬼軍曹ガンナー。
大浦丙(おおうらひのえ)
微睡みのトラップ。
赤空核(あかぞらさね)
反面常識人。
多々角円(ほぼまるまどか)
ノンストップ重力。
一一哉(にのまえかずや)
計算の策師。
多々角環(ほぼまるたまき)
筒抜けの仲間想い。

※瀬戸氷河
超密室に捕われて、俺と芳示は途方にくれていた。
教室の机に座る。
椅子じゃないところが、俺たちらしい、かな。
「懐かしい、かも」
「そーいや、昔のお前はこんなことしないやつだったな」
「そういや、そうだな。」
二人して穏やかに笑う。

ガラリと教室の扉が開かれた。
芳賀巫斗が、騒がしく入ってきた。
「ほらほら、そんな雰囲気になってないで！巫斗さんが悲しくなるから！」
俺たちは、黙って先程の教室の扉を開く。
やはり壁だった。
「「はぁ……」」
「何二人して溜め息吐いてんの？」
芳賀がくすくすと笑う。
「お前、殴るぞ」
芳示が呟く。
「いやー、それは怖いわー。」
芳賀はスキップしながら、教壇に座る。
「んで、目的はなんだよ？」
俺は諦めて再び机に座る。
そして、芳賀に問い掛けた。
「キミ達を助けにきたんだよ。」
「本当か？」
芳示が聞く。
芳賀は、偉そうに胸を張る。
「私を誰だと思ってんの。空間魔術については、エキスパートよ。もうあの洞窟については、調べ終わったの。白河さんの依頼でね」
「白河さんが……」
さすが白河さんだ。
やっぱり俺たちを気遣ってくれてるんだな。
「んで、大変な事が起きたから、こっちに来たの。」
「いやいや、それよりあの洞窟と神隠しの真相をだな」
「それは、このルートじゃ語りませーん。」
と、舌を出す芳賀。
俺は低い声で呟いた。
「殺すぞ、魔術師風情が」
「そんな怒らないでよ、冗談なのに」
芳賀は、気にもせずに話続ける。
「あのね、神隠しには最初の被害者がいるのよ。」
「被害者だ？」
芳示が口を挟む。
「被害者がいるから、神隠しは噂になったわけでしょ？そんな噂が現実になるわけあるまいし。」
「そりゃそうだな。んで、その被害者っては？」
芳賀は、ロッドを回す。
「私らと同じ魔術師。」
「なら、殺せば終わりだな。」
芳示がハンドガンに弾を詰める。
「ふふふ、それは出来ないのよ、天城君。」
「なんでだよ？」
「この世界には強いルールがあるの。『人はどうあっても殺せない』という強いルールがね。それは被害者の魔術師であっても例外じゃない。」
「……だから、か」
俺は煤軒に殺されかけた。
服は焼けても救われているのは。
「そう。何かしらの偶然が発生して、死を回避する。ちなみに氷河君が助かった理由は私のおかげよん」
ロッドをくるりと回した。
「貸し一とか言わねぇぞ」
「そんなのいらないわよ。」
芳賀がぴょんと教壇から飛び降りる。
「じゃ、丁度いいから、配役伝えとこうかな。キミ達は被害者役ね。」
さらにロッドをこちらに向ける。
「被害者？」
「被害者の魔術師は、訳も分からないまま、キミ達を殺そうとしている。だから、キミ達は被害者役。」
どっちが被害者だ、それ。
つっこむのも疲れたから、溜め息だけ吐いた。
「ま、死にはしないからだいじょーぶ。さて、と。」
「シーン３行きますか！」
芳賀の来た教室の扉から、デジカメを構えた黒海が割り込んでくる。
また無言で先程の扉を開ける。
やっぱり壁だった。
「「はぁ……」」

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思ったより長くなった。
そろそろ謎を解かなければ！