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零雨様より、氷河と芳示の話を頂きました!

バットエンドシリーズの続編ですねー。

※グロいのとバットエンド注意!

※瀬戸氷河
「ッ、ハァ……ハァ……」
息の荒い芳示を少しだけ見ると冷たい顔で魔術師は俺を見下ろす。
「早く治して」
俺は重い体を無理矢理動かして芳示に近付く。無数の傷が刻まれた体は赤く染まり、もはや傷の無い所を探す方が難しい。俺は芳示に治癒術を掛けるが、俺の疲労と残り少ない魔力ではもう傷を塞ぐのがやっとだった。
「完全に治ってないけどー、もう限界なのお?」
声を出すのも億劫で俺は沈黙で答える。芳示の服穴だらけでボロボロだな、なんてどうでもいいことを思った。
「ふーん」
魔術師は芳示の首輪に繋がっている鎖を引っ張って芳示を引き寄せた。芳示は諦めたのか、律儀に約束を守っているのか、抵抗せずに床を引き摺られている。傷が開いてしまったのか、引き摺られた床には赤い跡が残っていた。
「もう今日は神血君は休んでて良いよー」
その台詞に不覚にも安堵してしまったのと同時に、明日もあるのかとゾッとする。……芳示がまだ傷付けられるというのに、そう思ってしまった自分に苛立ちがつのる。
「実験体君はまだだよー」
芳示は無反応である。俯いた顔を上げようとすらしない。
「火傷なら死なないんだぜー。止血にもなるし良かったじゃーん」
魔術師の手にいつの間にか握られていたのは金属の棒であった。見ているとみるみるうちに棒の先が赤くなる。
「やめろっ……!」
俺がそんなことを言ったって無意味なのは分かっているが、言わずにはいられない。
魔術師の手が素早く動き、真っ赤な棒が芳示の腹部に当てられた。ジュウッ!と音がして肉の焼ける嫌な臭いがし始める。
「ああああああああああああっっ!!!」
「芳示っ!!」
獣のように叫ぶ芳示の顔は苦痛に歪み、両手は宙を掻いて床をのたうち回る。
「ふふ。実験体君は相変わらずイイ反応するねー。ちゅーしちゃお」
魔術師の手から棒が消えたかと思うと、その空いた手で芳示の髪の毛を掴んで顔を上げさせた。魔術師の顔が芳示に近付き――唇が、重なっていた。
「――ッ!!」
まるで見せ付けるかのようなキスに、目が離せない。嫌だ、こんなの、見たくない。
「いやだ、やめてくれよ……こんなの……」
俺はどういう顔をしたらいいのか分からなくて、体育座りで自分の膝に顔を埋めた。唇が離れる所までしっかり見てしまってから、だ。じわりと目から涙が溢れてきて、服に吸われていく。
「神血くーん、どうして泣いてるのー?」
ハッと顔を上げると、嫌な笑顔をした魔術師が屈んで同じ目線にいる。芳示はさっきの場所に倒れていた。気絶しているのだろうか。
「泣かないでよう、悲しくなっちゃうよー」
魔術師の両手が俺の顔を挟む。逃げようとするが、ガッチリと掴まれて動けない。そのまま俺も魔術師にキスされた。
「――ッ!」
ザラリとした舌が歯の形を一つ一つ確かめるように這い回る。段々と息が苦しくなってきて、俺は無意識に口を開けてしまった。
「んッ、は……ッ!」
その隙間を突いて長い舌が侵入してくる。舌で押し返そうとするが、逆に絡み合い弄ばれるだけだった。
「ぷはー」
俺の息が粗いのとは裏腹に彼は余裕な顔であった。息を整える暇もなく、魔術師の手が何かを掴みそれを俺の口の中に捻り込んで来る。
「ん……ッ!?」
「出しちゃ駄目だよー」
つるんとしたゴルフボールよりも小さめの球体で、結構弾力がある。そして何故か、鉄臭い味がする。
「飲んでー」
飲み込むにはやや大きい塊なので首を振って拒否を示すが、魔術師は手で口を塞いで笑顔で無視した。おそるおそる球体を噛み潰してみると、ゼリー状の物が中から出てきてなんとか飲み込むことが出てきた。
「良くできました!じゃあ答えあわせ!」
魔術師はパチパチと拍手をすると、芳示の首輪に繋がる鎖を引っ張ってこちらへ引き寄せる。やはり芳示は気絶しているようだ。芳示の顔がよく見える。顔も傷だらけだ。右目なんて血の涙を流して……。
「……え?」
芳示の右目が、無い。
「う、あ……」
まさか。さっき俺が食べた物は。球体は。
「神血君が食べた物は実験体君の眼球だったのでーす!」
「うわあああああああああ!!」
込み上げてくる嘔吐感を抑えようとも思わず、俺は床に胃の内容物を吐き出した。その中に芳示の眼球らしき物を見つけてしまい、俺はまた吐いた。
「アハハ!君達は絶対に殺さないよ!」
魔術師は楽しそうに笑った。
「死ぬより辛い生き様、見せてよねー」
―――――――――――――――――――――――――――――――
リアリティも突き詰めれば恐怖。
まさかここまで拷問にかけてくれるとは思いませんでしたねぇ。
痛いの好きなので、にやにやしながら見てますけどね!

次回で最終回だそうです。
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