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閑話休題。

休みと癒しを下され。


・ワンダーワイルドドリーム
※瀬戸氷河
「おい、氷河」
芳示が俺の部屋に入ってきた。
珍しくもなんともないので、報告書を書きつつ答える。
「んだよ」
「こっち向けって」
芳示が珍しく上機嫌だ。
くるりと椅子を回す。
最近のキャスター付きの椅子は便利だよなー。
振り返ると、芳示が何かを俺に押しつけた。
よく見ると、大きいぬいぐるみのようだった。
なんかキャラクター?丸い猫みたいなぬいぐるみだ。
「なにこれ」
「やるよ、UFOキャッチャーで取ってきたから。」
「へー……」
なんとなくぬいぐるみを抱いてみる。
柔らかい。ぬいぐるみとか久しぶりに触れたな。
「んでさー、聞いてくれよー」
芳示が勝手に俺のベッドに座る。
文句は言わずに、黙って続きを促す。
「今日、最悪な悪夢見ちまってさー。気分悪かったから、今日の任務、全部そこにいた井是に押しつけちまった。」
井是さんが可哀相だ。
「んで、その悪夢ってのが本当に嫌な夢でさー。俺が魔術師に殺される夢だったわけよ。しかも、お前の目の前で」
「うわ、想像出来ねぇ」
「だろー?しかも、かなり無惨に殺されたからな、俺。俺、何かしたかよ、ってくらいに。肉削られて、目抉られて……後、忘れた」
「……そりゃありえねぇくらい最悪な悪夢だな」
想像したくねぇ。
「本当、そのせいで寝覚め最悪。誰かに八つ当たりした気がすんだよなー……。神谷さんだったかなー……。」
神谷さんが可哀相だ。
「ところで、氷河。」
「なんだよ」
芳示がにやにやと笑う。
「随分気に入ったみたいだな、それ」
そして、芳示が指差したのは貰ったぬいぐるみだ。
「いや、まさかそんなにぎゅっと抱いてくれるとは思わなかったわー」
芳示の言い方が悪いはずなんだが、なんだか恥ずかしくなった。
「ち、違うからな!これは、手があいてんのが嫌だから、抱いてたわけでだな!なんか、こう、手を動かしたかったから、持ってただけで!」
「言い訳下手だな」
「う、うるせぇな!そもそも芳示が俺に渡すから!」
「置きゃよかったんじゃねぇの?」
芳示がしてやったりと笑う。
「――ッ!」
逃げられなくしてしまったようで、言葉に詰まった。
「あのさ氷河」
「なんだよ!」
「さっきから、顔を赤らめながら、更に強くそれ抱いてるけど?」
芳示に指摘されると、更に恥ずかしくなった。
「にゃー!うるせぇ、馬鹿芳示!」
ぬいぐるみを芳示に投げる。
それをなんともないようにキャッチされると、更ににやにやと笑う。
「お前、本当馬鹿だな。」
「恥ずかしいんだよ、馬鹿!」
「いいんじゃねぇのー、ヒロインらしいぜー?」
「嫌だっつってんだろ!」

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コメディ。
可愛い氷河。

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