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チェックメイトな氷河。


魔術勝負に勝ち目なし。


・チェックメイト二夜
※瀬戸氷河
金棒が凪ぎ払われる。
森の木々が崩れ落ちる。
「ありえねぇ……っ!」
「これが力の一族だ!」
鬼の一族の長男である奥祇がさらに金棒で凪ぎ払う。
邪魔な木々が崩れ落ちる。
「は……っ、もう、無理だ!」
鬼に勝つだなんて、無謀だ。
銃は全て奥祇に壊され、手持ちは島原さんから借りた棒術用の棒のみ。
逃げ回っていたが、崩れ落ちていく木々に追い詰められていた。
「どうした、人間?もう鬼ごっこは終わりか?」
「っ、本物じゃねぇか……」
「そうだったな。」
奥祇が、金棒を振り上げる。
「終わりだ、人間!」
まっすぐに振り下ろす。
それをバックステップで回避し、棒を地面に突き立てる。
「凍れッ!」
俺の周りを氷柱が囲む。
もう逃げられない。
戦うしかない。
鬼は楽しげに笑う。
「その程度では溶けるぞ」
奥祇が火を吐く。
そんなのは予測済みで、火が氷柱を溶かす前に後ろの氷柱を消して逃げる。
「分かってんだよ!」
奥祇が火を吹き終わる前に、小さな氷柱を飛ばす。
「甘いわ!」
金棒の一振りで氷柱が砕け散る。
「うそ、だろ……っ!どんだけ、めちゃくちゃなんだよっ!」
奥祇が距離を詰め、金棒を振り下ろす。
咄嗟に棒でガードするが、抑え切れる力じゃない。
「ぐ……っ!」
「それが人間の限界だろう?」
押し切られる前に弾く。
そして、奥祇に凍り付かせる程の冷気を浴びせる。
殴る時に魔力を込めたものと同一の力を。
「ほう……!」
奥祇の半身が凍り付く。
魔力の限界が来たのか、疲れが襲う。
しかし、奥祇の足も腕も凍り付いた。
「っ、はぁ……、どう、する……?」
奥祇が嘲笑う。
「こうするな」
力業だけで凍り付いた身体を溶かした。
ここまでされると乾いた笑いが漏れる。
「鬼、ってのは、ここまでめちゃくちゃなのかよ……!」
「これが力を与えられたものの役目だ。絶対的な暴力。鬼京が負うべき役目だ。」
俺は膝を着く。
もう魔力がない。逃げられない。
「……っ、はは、絶対的な暴力、か。」
「人間、それが貴様の限界か」
「そーだよ、もう、限界だ……っ!」
棒を手放す。
「そうか」
奥祇がゆっくりとこちらに近付く。
そして、俺の胸倉を掴み、持ち上げられる。
「綾柏様がお呼びだ。殺さない程度に動けなくしておいてやる。」
完全にチェックメイト。

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鬼ってのは卑怯さ。
なんて話。
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