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今日はなんの妄想ふっふーん。

氷河を苛めたい。


・バッドナイトシグナル
※レイゼー・グレツァイト
素朴な赤いカーペットに変えて正解だった。
血塗れで横たわる彼の紅が映えるから。
何故、こんなに美しい紅を彼は嫌うのだろうか。
僕には全く理解できない。
「姫君は、何故その色を嫌うのかな」
彼が 、ぴくりと反応する。
荒い呼吸の中、彼は答えた。
「んなの……決まって、る。違う……から、どんな赤にも、勝つこの色が……っ、嫌い、なんだよ……。」
「なかなか詩的な理由だが、どうも似合わないね。」
「う、るせぇよ……っ」
僕は、椅子に座り彼を見下す。
なかなか不様で美しい。
「やはり、美しい。いや、可愛らしくもあるよ。」
「ぐ、うっ……。」
腹の傷口を押さえる。
切り裂いた傷から、絶えず血が流れる。
爪についた血をなめる。
「ふふ……、神血は貴重だと言うのにな。見られたら姉さんに怒られるな。」
けど、まだ足りない。
僕はまだ姫君を傷付けたい。
『秩序と混沌を!』
頭のなかに二人ぶんの声が響く。
窓の向こうに、狂気めいた修道女がいた。
「くく、くっ……ははははは!人間ごときが、僕を狂わせようとしているのかい!?」
姫君は、恐怖と困惑の混ざった目で僕を見る。
「僕は、とっくに姫君に狂わされているというのに!あはは、はははははは!」
突然の高笑いに、姫君は逃げ出そうと立ち上がる。
瞬時に僕は、姫君のそばに動く。
「逃げるなよ、寂しいじゃないか」
「いかれてんだよ、てめぇ……っ」
「だとしたら、あんな壊れた女のせいじゃない。」
姫君の腹を貫くように突き刺す。
姫君は、また赤いカーペットに横たわる。
「姫君のせいじゃないか」
見上げた彼の目は、怒りに満ちていた。
「ふざけ、んな……っ」
前よりも激しく流れる紅。
姫君は、腹をおさえながら呻く。
押さえるのは、血を止めたいからかな。
「姫君、ふふふ……治癒するにも意識が定まらないか。」
「っは…… 、その、魔力は、どの段階で……っ、誰が、奪ったんだ?」
「そうだったね。忘れていた。」
なんとなく姫君の腹を爪先で蹴る。
「ぐ、ぁっ……!」
「あははは!姫君、もっと鳴いてくれよ!僕のためだけに!」
僕は、姫君の手首を押さえ込み、押し倒す。
カーペットの赤と紅がよく見える。
姫君は、体を震わせる。
どうも僕に体を預けるのが嫌なようだ。
「ふふふ、くっ……あはははは!」
僕の理性が壊れてきた。
窓の向こうの修道女が笑う。
「姫君、痛いかい?なぁ、傷が痛むかい?ふふふ、姫君だって人間だもんなぁ、痛いよなぁ。だったら、昨日は?僕が姫君を犯したあの日は?どうだったんだい、痛かったのかい?ふふふ……」
手首は魔術で押さえ込み、僕の指は、僕が裂いた傷に触れる。
触れるたびに声を殺して呻くから、たまに強く触る。
それだけでも、姫君は鳴いてくれた。
「いっ……やめ……ろよ……」
姫君が、目尻に涙をためる。
「なんで、こんな……っ。」
「姫君--」
腹から流れる血を舐めとる。
「ああ、好きだよ、本当に好きだ、愛してる!何もかも僕のものだ!好きだから、泣かせて、啼かせて、鳴かせたいのさ!」

----------------
狂った愛。
人外で貴族な愛。




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