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久々に再開。

アンハッピーシリーズ第二段。

※瀬戸氷河
目をさますと、身体が軽い。
魔術師の毒が消えたのだろうか。
「目が覚めたのかい」
白衣の魔術師の声がした。
ベッドから起き上がり、腕を高く伸ばす。
「ああ、なんか気分いい。毒を抜いてくれたんだろ?」
「そうでなくては、私の実験が出来ないからな。」
魔術師がくすりと笑うと、注射器を取り出す。
「さっそくだがその神血を貰うぞ」
そして、その注射器を俺の腕に指す。
「--っ!」
最初は痛みを感じたが、すぐに魔術師は針を抜いた。
注射器の中には、紅い血が見える。
「では、準備が整い次第呼ぶので、そこから逃げるなよ。」
魔術師が部屋を出る。
「いや、逃げられないだろ……」
その頑丈な扉に向けて呟く。
改めて部屋を見回す。
ベッド以外には、最低限のものしかない殺風景な部屋。
見下げられる形でコンピュータールームが、ガラス越しに見える。
本当にモルモットみたいだ。
「いい気分にはならねぇな。」
「そりゃ、そうでしょ。」
天井から声がした。
苑宮だ。
ふわりと天井からおりてくる。
「気分はどう?」
「よくなった。毒は取れたみたいだ」
「そっか、よかった。」
苑宮が、安堵したように笑う。
「じゃ、これから実験が始まるのか……。出来るなら助けてあげたいんだけど……ごめん、氷河。」
「いいって、気にすんな」
「本部には連絡してあるから、きっと恭二が助けに来るはずだよ。」
「なら、大丈夫だろ。」
苑宮が、俺を見てため息をつく。
「あのさ、嫌じゃないの?」
「嫌に決まってんだろ。」
「だったら、逃げようとしないの?」
「逃げられないだろ。藤野の話だと、フィアレスから逃げるための策なんだし。」
「うーん、氷河なんか怖いなぁ」
苑宮が、困ったようにわらう。
「なにがだよ」
「何されるか分からないのに、よくそんな覚悟決められるよね。普通はもっと抵抗しない?」
「……そういや、そうだな」
「氷河って、実はマゾヒスト?」
「違う。」
即答してやると、苑宮は吹き出した。
「あははは、そっか。そうだよね。フィアレスよりは、マシなんだもんな。」
「あ、そういやフィアレスって--」
「失礼するよ」
白衣の魔術師が部屋にはいる。
「こちらにきたまえ、神血。」
「……ああ、分かったよ」
ふと隣を見ると、苑宮は消えていた。
忍者ってのは、逃げ足も早いのか。
「さぁ、実験を始めよう。」
魔術師は、笑う。

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ちょっと痛々しくしたい。
長さが調節できない。


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