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最高の苛虐エンドはこちらに。


・マッドペインヒーロー
※瀬戸氷河
俺が正気に戻ると、恭二が泣いていた。
何で泣いていたのかは分からない。
きっと俺が何かしたんだと、おぼろげな記憶は告げる。
「氷河……っ……」
恭二はまだ俺を抱き締めている。
まだ治らない傷にちょっと響く。
「ふふふふ……」
背後から声がして振り返る。
芳示が銃を構える。
魔術師が二人、ふらりと立ち上がる。
「大魔術師さまに見られてちゃ敵わないね」
「ああ、実験を再開しよう。」
魔術師が俺に杖を向ける。
その瞬間、先程と同じように凄まじい痛みが走る。
「ぐ、っあああ!!」
「氷河!?」
恭二が心配そうに俺を見る。
俺は、恭二を離して痛みにうずくまる。
「くそっ、まだ生きてやがったか!」
芳示が銃を撃つ。
だが、魔術師がそれをはじく。
「二度はやられねぇよ!さぁ、その男を返せ!」
魔術師が俺の髪を掴もうとしたところに、恭二が呟く。
「……ゆるさねぇ、絶対に」
魔術師の腕を掴む。
そして、どこかに投げ飛ばす。
「きょう、じ……?」
「氷河にこんなことしたのは、てめぇらだろ……? もう、二度とこんな目にあわせないって、言ったばっかなのに……。」
恭二が悔しそうに、怒りをこらえるように拳を握る。
「芳示に丙、氷河見てろ。絶対動かすなよ。」
芳示と丙がうなずく。
それを見て恭二が太刀を抜く。
「……殺して、やるっ!」
そして、圧倒的な力で魔術師に斬りかかる。
「きょう、じ……、待て……っ」
恭二に手を伸ばすも、丙に止められる。
「氷河は、動いちゃダメだって」
「でも、恭二が……っ!」
「あいつは、お前のヒーローだから、大丈夫だって」
芳示も俺を止める。
「きょう、じ……」
魔術師は押されていた。
恭二の本気の攻撃に耐えられるわけがない。
「氷河を二度とてめぇらなんかに傷付けさせない!俺は、氷河を守るんだから!」
「こ、れは、吸血鬼の……!なんでおまえが!?」
「氷河が、ずっとこんな痛みを背負い続けるなら!俺は、ずっとその痛みから氷河を守りたいんだよ!だって、そうでもしねぇと氷河は……!」
悲壮に叫びながら魔術師を切り裂く。
恭二は、何を叫んでいるんだ。
聞いてるこっちは、恥ずかしい。
「氷河は、壊れちまうかもしれねーじゃん……!」
魔術師を切り殺す。
もう一人は、杖を俺に向けさらに呪術を発動しようとする。
「させるか!」
俺が身構えるより早く魔術師を太刀で切り裂く。
「あ、ありえない……」
二人の魔術師はあっけなく死んだ。
そして、恭二が太刀を捨ててこちらに走って抱き付く。
「もう、こんな思いさせねぇから……!守ってやるから!だから、だからもう無理すんなよ……」
「恭二……。」
「氷河が傷だらけなの、もう見たくねぇよ……っ」
恭二が強く抱き締める。
「…………わりぃ、な」
俺はそう笑うしかなかった。
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こいつらはイチャつきすぎだっ!

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